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73 筆記具と部下
「筆記具の部下ってなんだろ?」
分厚い辞書を引きながら彼女は尋ねる。
「なんでそのネタでたん?」
「上司部下で辞書引いてて、たまたま鉛筆目に止まったから」
う~ん、とうなり背の高い彼女は答える。
「やっぱ、消しゴムじゃね?」
「あぁ、確かに上司の失敗消してるもんね」
なるほどと頷くがすぐ疑問が浮かぶ。
「でも、ボールペンとかマジックとかだめじゃん、消しゴムはゆとりだな」
「じゃあ、同輩は修正液とかだね。後は修正テープか」
「なるほどなぁ」
――これが後の腐女子である。




