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55 百薬の下っ端
今回のお題は創作仲間の藤村楓さんからです。
なかなか面白いお題です、あっしはまだ一個しかあげられませんが色々広がりあるテーマですなぁ。
薬たちの国である話が上がった。
「百薬の長というのはよく聞く、酒だったり梨だったり」
「んだんだ」
「じゃあ、一番の下っ端というのはオイラたちの中では誰なのだろう?」
この話に薬たちは大いに悩んだ。
「酒はよく言うが、アレは飲み過ぎれば二日酔いになる」
「梨にしたって、食いすぎれば虫歯に変わる」
あぁでもない、こうでもないと言葉は尽きず、けれども確たる下っ端は現れなかった。
そこで、薬たちは自分たちを扱う薬屋に調べてもらおうとした。
薬屋は笑ってこう答えた。
「薬に貴賎はないよ、ただひとつ言えるのは、どれもすぎれば毒になるってことだ」




