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49 俺の腋からバラの香りがする

小説書き仲間のはまさんからのお題です。正直こっちのほうが、最初の歩みだしは遅かったけど組み上げるのはこっちのほうが良かったですね。

「俺の腋からバラの香りがする」

 会議でその名前が出たのを彼は昨日のことのように思い出せる。実際昨日なのだが。

 それでも彼は自分が出した商品の名前なのだ何年たっても忘れることはないだろう。

 彼が務める会社は人員は大手に比べ多くはないが、技術力はすごいという、なんだかドラマで主人公のポジションのような会社だ。

 彼はそこの企画宣伝部に務め新開発した商品に名をつけたのだ。

 なみいる辣腕の先輩たちを押しのけ自分が名付け親になれたのは運だと思っている。

 そしてそこはまだスタートラインなのだ、まず宣伝部らしく動こうと精を出した。

 ツイッターにニコニコ動画、フェイスブックとライン、はてはもうオワコンになったと言ってもいいSNSにも宣伝網を広げ、コマーシャルを使わず他大な認知度を広めた。

 一番大きかったのは某若手お笑い芸人がニコニコ動画に「俺の腋からバラの香りがする」の宣伝動画をアップロードしたのが起爆剤となった。

 事務所の方では謝罪をしてきたが、これは却ってうまくいったということで彼は社長に直談判してとりなし有耶無耶にしたのだった。

 それ以降「俺の腋からバラの香りがする」はヒットした。

 売れに売れ、他の企業がこの路線は売れるということに気がつくのにはあまり時間はかからなかったようだ。

 彼が属する会社がチャレンジャーだとするならその「腋バラ」のコピー商品を出した会社はリーダーといえる大企業だった。

 日本にはコピー商品を軽視する嫌いがあるが王者の戦術としては正しい選択であるといえるのだ。

 夏に向け売上が落ち込むことを重要視している雰囲気が社内にはあったが彼はそこまで重視していなかった。

 彼の目論見通りとなった。じっさい何も企んでいなかったから別段すごいことではない。

 チームリーダーとなった彼は「腋バラ」一本に商品を絞り派生商品を出すのではなく、バラと言うものの特性を前面に押した商品展開をしたのだ。

 大企業たるリーダーが失敗したのは、それまでの自社の製品ブランドのイメージを損ねたことだった。

 結果として事業を撤退した。

 天敵のいなくなったことをいいコトに彼は更なるチャレンジをすることにした。

 今度の商品のタイトルは――「私の腋が汗臭いわけがない」

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