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48 村とギャグ

 その村は笑いというものを信仰していた。そのため村に入るものを試す門があるのだ。

 門番を笑わせた者のみ村に入ることが出来る、というルール。

 たいていの旅人は道中見聞きした笑い話をする。それはまぁまぁ笑わせるのだが、そればかりで門番も飽き飽きしていたため、かなり村に入る難度が上がっていた。

 ある日、大柄な旅人が訪れた。

 たいそう無口な様子で門前の休憩所で話しかける旅人が掛ける言葉にも無言で返している様子だった。

 そして、とうとうその無口で大柄な旅人の番となった。

 門番はまず他の旅人にするように村に入るための説明をした。言葉を話しながら門番はこの旅人はつまらなそうだと思った。

 まず、表情が死んでいる。面白い人というのは門番がみた経験から総じてよく動く表情があげられる。次に大柄だ、大柄ということは鈍くさいという印象がついて回る。

 それでも門番は旅人の笑かしを期待した。

 だが、一向に旅人は言葉を喋らない。

 失格だ、と告げようとした所で旅人はようやくアクションを起こした。

 岩がある。

 いや、あるように見せている。

 旅人は岩がないのにまるで持っているかのように動きで見せているのだ。

 まるで魔術。

 その芸は様々なストーリーを起こした。

 門番は笑う。

「合格だ、いや、あんたみたいなやり方で笑わすってのは中々いない」

 珍しいものをみたよ、肩に手をかけこう言った。

「文字通り、違和がなかったよ」

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