44 貴族と階段
結構頭が痛くなるなぁ、さっと書いていましたが気分が悪くなる方はいると思います。
読む際にはご注意を。
殺せ、声がする。
殺せ、無理は無いと思う。
殺せ、民衆の狂気が音となって唸りを上げる。
殺せ、怖い、足がすくむ。
殺せ、しかし、逃げ出さないように見張る看守によって戻ることを阻まれる。
殺せ、私は殺人を犯した。
殺せ、圧政を強いる暴君を殺したのだ。
殺せ、運悪く捕まった。
殺せ、後釜を狙う貴族によって私は政治犯として扱われることになる。
殺せ、段差がある。
殺せ、蹴躓きながら倒れそうになる。
殺せ、笑いが上がる。
殺せ、屈辱を感じる。
殺せ、これが守ろうと思った民衆なのだ。
殺せ、いや、違う。
殺せ、ここは貴族の領地だ。
殺せ、私が守った民衆は別の領土にいる。
殺せ、その証拠に聞こえる声は訛りが違う。
殺せ、良かった、と思う。
殺せ、階段を登る。
殺せ、階段を登る。
殺せ、階段を登る。
殺せ、登ること十三段。
殺せ、心は穏やかだ。
殺せ、声がする。
殺せ、身近にある声だ。
殺せ、声の主は間違えない、私を陥れた男のものだ。
殺せ、「諸君静粛に」
沈黙、「この男がバルト伯を弑した異教徒だ」
沈黙、「この者に死刑を与えようと思う」
咆哮、そして私の顔を覆っていた眼帯は外される。
咆哮、私の願いで最期に景色を見せてほしいというモノだ。
咆哮、死にゆく者の願いとこの男は高をくくり笑って赦した。
咆哮、夕景に雄大な山脈が沈む壮大な景色。
咆哮、いい景色だ。
咆哮、しかし最後に見る景色ではない。
咆哮、「さぁ、さっさと袋をかぶせたまえ」
咆哮、言葉の主の顔を見る。
咆哮、それがこの体で見る最期の物体だ。
咆哮、「ふぇ?」
咆哮、轡をはんでよだれを垂らした男が素っ頓狂な声を上げる。
咆哮、私は笑顔を作る。
殺せ、「何だこいつ急にうるさくなりやがって」
殺せ、配下の声に私は自重しながらつぶやく。
殺せ、「やはり、異教徒といえども死を目の前にして穏やかなることはないのでしょう」
殺せ、袋を死刑台の男にかぶせる。
殺せ、「それでは死刑を執行します」
殺せ、気分が悪い。
殺せ、咆哮する死に導かれる怨嗟は唐突に訪れた境遇に混乱しているのだろう。
殺せ、私は身体に依存しない魂だ。
殺せ、視線が合ったものと魂を入れ替える事が出来るのだ。
殺せ、故彼等が異端というのに誤りはない。
殺せ、そして謝りもない、私は何千というせいを送り、死にたくないという願望を自らの手で叶えて生きてきた。
殺せ、私はどのようにも生きていける。
殺せ、私は私だった男の躰と私になってしまった男の魂を見る。
殺せ、台が消える。
咆哮、絞首刑だ。
咆哮、苦悶の声は消える。
咆哮、股間のそれが性交時でも考えられないようにそそり立つ。
咆哮、そして拘束衣の股間部分を白濁とした色が染める。
笑声、民衆が男が死んだことを喜ぶ。
笑声、この醜い民衆をいかにしよう。
笑声、私になってしまった男の違いをまだ誰も知らない。
笑声、私はこの歓喜の中一人違う方向性を持った心で静かに人生のプランを考えていた。
というわけで貴族と階段でした。
民衆こえぇ。実際こういうことは起こらないかもしれないので、本気にしちゃダメですよw ふぅ、何かあった時にこう書いておけばなんとかなる、はず。
でも、表現としては下の下な気がする。人称は変わっていないから読みやすいかもしれないが、創作としては死んでるなぁ。
<空白、貴方疲れているのよ。
そんな感じだなぁ。
よくあるネタだ。友に言わせればチートすぎてつまんねぇ、ッて感じかも。
今度書く時は貴族への階段を登る傭兵みたいなネタがいいなぁ。
大体、四十分くらいで千文字か。書き方が簡単だったってのもあるが、結構書ける。正直、一番難しいのはプロットだよなぁ。決まれば時間はかかるが書ける。だから、一番簡単なのは書くこと、といえなくない。まぁ、どちらにも難しさと易さはあるから一概には言えないけどね。
では、早い再会を祈って失礼します。




