37 古緑と空白
意味がわかると怖い系のネタが一、二個位ありますぞ! 良かったら何度も読んで筆者の鼻を明かしてくださいw
末尾になりましたがこのお題は筆仲間のあかつきねっちさんからのリクエストでした。最初はどうしようと思いましたが、筆者自身も知らない面白みがあることを知りこの名前にしてよかったと本気で思いました。
これは単体ではわからないと思いますが、この脳内当てをできた読者は個人的にスーパー読者なのではないか、と思います。
まぁ、こんなの余裕でわかるぜ!? という方は是非是非挑戦してみてください。
森がある。
森は人の定めた領域など気にした様子など見せず広く、巨大であった。鬱蒼と生い茂り、昼間でも暗く太陽の居場所などどこにもないのだ、と言わんばかりの傲慢さでそこにあった。
私がその森を知ったのは生まれてすぐ、そして森とはこういうものだ、という第一印象をはっきりと植え付けられていた。
都市開発がポリティクスメッセージで流れだしたのは私が子供の頃だった。テーマは何だったか、未開を開発に。今思えば私の父親がエロハゲめエロいこと言いやがってと言い出して、私が聞き母がなんでもないのよと言いながら父親の少したるんでいたお腹をつねったのが思い出の一つだ。
そう、その頃良かった思い出はそこまでだった。
もう、名前は思い出せないが仲の良かった友達がこう言ったのだ。
「――森に行こうぜ」
彼、あるいは彼女、そんなことも思い出せない、仮に彼としよう、私達は彼の言葉に従い森に遊びに出かけた。
それは村の大人たちが決めたルールに抵触する、言ってしまえば禁忌だった。けれどもいずれ都市開発が始まってしまえば、いずれ近所の私達の森は消えてしまう、そうなってしまう前に、そして私達が離れ離れになってしまう前に、思い出を作ってしまいたかったのだ。
私は彼が好きだった。彼がどのような人物だったかは子供の頃なので覚えていない、それは、本当に気の遠くなるような話だ。それほどの年月を経て私は子供の頃の思い出を思い出したのだ。
風のうわさで森がどうなったのかは聞いていた、私はそれを聞いた時混乱して発言した男に掴みかかった。男は老婆の私を何か怖いものを見るかのように見た。心外といえば心外だったが、そんなことを気にしている余裕はなかった。
そう、気の遠くなるほど遠い昔のことを、それなのにそのことはつい昨日のことのように思い出せる。
あの日、私と彼は仲間たちはぐれてしまったのだ。男っぽい彼は恐れおののく私の手を引いて構わず森のなかへと歩んでいた。
なにか話をした気がするし、しなかったかもしれない。私は手を引く彼の暖かさを感じているだけで幸せだった。
けれども、そんな幸せな時間は長く続かない。実際は、長かったのかもしれない、短かったのかもしれない、今となっては私の主観によってのみ判断できることだ。
短かった、私の苦難の生に比すればその時間など須臾よりも短い僅少さだった。
“それ”は唐突に現れた、私はそれが怖いと恐ろしいそして忌避すべきものとしか覚えていない。だが、これを聞いたものは必ず私を阿呆を扱いした。これは当事者でなければわからない、言葉ではけしてあらわすことのできない、森の魔物なのだ。
私達は逃げた、途方もなく、手をつなぎながら、必死に、あくせくと呼吸をしながら、熱を感じながら、生きていることを感じながら――そして。
「○○?」
覚えていない、私はその時なんと言ったのか、昨日のように壊れた記憶だけを思い出せる。
愛しい人の名前を呼べないばかりか、思い出せもしないのだ。
唯一覚えているのは私は一人でその森を抜けだした、ということだけ。
それから後のことは覚えていない。後、というのは今森に向かっている以前の私と森を抜けだした以後の私の歴史、全てだ。
不幸である、と言われたような気がする。たしかに、と頷く。けれども、私は私が愛したという存在がいたことを覚えているだけで男の慰み者になろうと阿呆と罵られても生きていけたのだ。それは幸福なのではないだろうか。
そして、私は森の前に立つ。
そこにはあった、たしかにあった、厳然として、優雅にその姿をみて、私はケラケラと笑い出した。
「あぁ、あぁ、そんな、馬鹿な、こんな、こんなことが――」
どんな酒でも味わうことのない狂気の酩酊の中で確かにその男が言った言葉を思い出す。
森は――あの古い古い森は――男の声が脳内に響く――とっくの昔に――ヤメロヤメロヤメロヤメロ……………ヤメロぉっ!
「ない」
森があったはずの村はずいぶんと小洒落た街になっていた。
「ない」
道は開け、不変であったはずの畑の見える丘も今では住居が立ち並んでいる。
「ない」
もう、やめよう、私は私の頭に声が響くのが聞こえる。しかし、私はやめない。
「ない! ないないないないないない、ない!」
もうわかっている、もうりかいしている、もうあきらめよう、もう――
「認めない、こんな、こんな、だって、だって、おかしいでしょ! 私は、愛した人がいたはずの私はいたはずでしょ! なのにどうしてなんで、こんな――」
私の声にビクリ、とした村人、いやもう町人なのかな?、に私は尋ねる。
町人の応えに、私はもう一度尋ねる。
町人の応えは変わらなかったがどこか奇妙であると感じたようだ、私はもう一度尋ねる。
何度も何度も何度も、町人がいなくなっても何度も何度も何度も――――
そして、私は死んだ。
死ぬ瞬間、彼が微笑んでくれた気がした。
「昨日変な婆さんにあってさ、森はないのか、って尋ねられてさ、いや、無いですよって答えたらまた同じことを尋ねられてさ、何度も何度もないって言ったんだ。けれども、森はって尋ねて怖くなっちゃって逃げ出したよ。だいたい森があったのって数百年も前の話だろ? ハロウィーンのつもりだったのかね、あ、そういや今日が煉獄の日だったね、昨日の婆さんは早く来たお化けだったのかな? まぁ、とりあえず、ハッピーハロウィーン」
どーうです?フンス
わかりましたぁ?( ・´ー・`)どや
つまんなかったぜ、という方、これ一応ミステリも含んだホラーなんで、ぜひもう一度読んでみて、いや、下さい、おねがいします(震え声)
では、最後に重ねてあかつきねっちさんリクエストありがとうございました、そしてえんじゅー!(完)
あ、終わってないですよ? また、ちょっとだけ、えぇと、ろ、63個ほど続くんじゃよー(((^q^)))
まぁ、すぐですね、このペースでいけば(慢心)
キリキリ頑張っていこうと思うので、よろしくお願いしまーす。
では早い(意味深)再会を祈ってしつれーします。




