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27 娼婦と腹黒

娼婦という単語からアイデアがあまり浮かばなかったなぁ。



真面目、というか頭が硬い。軟らかくならんとなぁ(^_^;)



取り敢えず、割としんみりとしています、腹黒要素は少ないです。



そしてお待たせしました。

 ホステスの仕事をしている私は顔色を読むのに長けている。人を見る仕事なのだからそれは必須なのだろうが、最近のホステスはどこか自分が楽しければ相手も楽しいと思う風潮があり満足させるという職分を忘れていると感じている。

 今日はまだ指名もヘルプもなく、私は携帯を見ている。

 クラブのボーイに何台持っているのと驚かれ数えるほど十二台。彼女は携帯を十二台持っている。

 そうなると維持費もバカにならない。貯金は溜まりつつあるが、それでも仕事が入ってこない時というのは私にとって言いようのない不安である。

 メールを打っている時は安心する。一般人ももしくは今どきのホステスからしたら異常と思えるだろうが、これも私の安心できる仕事タイムなのだ。

 ――サラリーマンもこんな感じなのかな?

 私は一週間に何度も同伴をしている。仕事を取るため、である。それもあるがこの仕事が好きということもある。

 こんなサイクルを繰り返すようになる前、一度だけ複数の携帯を持っているところを見られたことがある。

 髪がなくなりかけたひょうきんな当時アラフォーのおじさま。

 かっこいいというわけではけしてない。けれども、魅力的で仕事をしているはずの彼女が元気づけられることが何度もあった。

「○○ちゃんってケータイ何台持ってるの?」

「そんな、大した量じゃないっすよ」

 若いからなぁ、おじさまは後頭部をかきながら笑っていた。

「黙ってていただけますか?」

「いいよー?」

 その軽いノリが同伴でお酒を飲んでいるからだ、とも思えなかった。おじさまはお酒に強い。一度飲み比べしたが、度数が低いはずのお酒を飲んでいる彼女が負けてしまったこともある。こんなビール一杯で酔うよな人ではない。

 おじさまは笑いながら言った。

「まさに○○ちゃんは難題を抱えているわけだ」

 正直、寒いと思った。

 二度目の言葉をつぶやこうとして、私は笑ってしまった。これはこらえていたわけではないけど、おじさまの雰囲気が面白くて面白く無いはずのギャグが笑えてしまったのだ。

「でも、気をつけなよー」

 おじさまは言う。

「君みたいな可愛い子がいつまでもこう言う仕事をするってのは、まぁ、結構辛い。一年二年ならまだいい、でも十年続けるとなると君はどう思う?」

「――……想像もつきません」

「そうだねぇ。僕も偉そうなこと言えた義理じゃないけど、君は知らず、黒く染まれる難題を抱えてる、そのことは覚えておいて」

 おじさまとはその後何回かあってそれ以降音沙汰が無い。元々、家族持ちということもあって連絡も控えていたし、私はしないだろう。

 私の心根はあの頃と変わったのだろうか、そんなこと思いつつ目の前のメールを打っていた。

娼婦と腹黒でした。



ギャグは使いやすいですね、そればっかりになったらアカンのでしょうけど。



では次回は馬と鎧です。お楽しみに♪



では早い再会を祈って、失礼します。

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