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10 敵と表面

 彼はハンターだ。怪物を殺し、それから剥ぎ取った素材を売り生計を立てている。

「次の獲物は――」

 スティック、という怪物だ。山岳地帯に生息する怪物で、ある特徴を持っている。

 特殊な体液で周囲の鉱物を身に纏うといったものだ。それによって害敵から身を守るのだという。そのため表皮は硬く、鋼の矢でも突き通すのが難しいのだ。

 もちろん狩る面だけではない。戦うという選択肢を取らない場合スティックには別な価値がある。

 それは鉱脈があるという情報だ。スティックが住む場所には高い確率で身にまとった鉱物と同種の鉱脈が眠っているというのだ。そのためスティックを見つけ身にまとっている鉱物を調べ領主に知らせる事を生業にしている人種もいるのだ。

 ハンターは運がいいと思った。なにせこのスティックは黄金を身に纏っているというのだ。

 そして、現地に赴き、目標のスティックを見つけた。少しくすんでいるが黄色の鉱物を身に纏っている。

 これは都合がいい、とハンターとしての彼は思った。金は柔らかい。そのためハンターご自慢の鋼の矢で一網打尽だろう、何回かスティックを狩り殺してきた経験がある。ハンターは喜び勇んで機を待った。

 そして、なんとか苦も無く倒した。

 しかし、ハンターは愕然とする。

 確かにスティックは黄色い鉱物を身にまとっていた。けれども、それは黄金ではなかった。

 それどころか彼はある理由からはぎ取ることも出来なかった。

 鉱物は同じ黄色をしている、硫黄であり、ハンターは硫黄泉の温泉に入ることも出来ない硫黄アレルギーの持ち主だったからだ。

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