部活?何それ美味しいの?
「おはよう」
話しかけられた。知っている声だ。それはそうか、この中学校近辺は政令指定都市なのにも関わらず子供が少ないので、半強制的に小中エスカレーター式だ。他の小学校から人が来ることも殆ど無い。それが嫌で受験したということもあるのだが。
「ああ、おはよう、智」
こいつは小学校の頃から比較的に仲が良かった智だ。いつもアニメとかの趣味の話をしている。俺は今は落ち込んでいてこんな感じだが、意外と明るかったんだ。また立ち直れば明るくなるんだろうなと、思う。
「なーんか暗いね〜、まだ落ち込んでんの?いい加減立ち直りなよ。」
「う、る、さ、い」
「あ〜、分かった分かった、分かりましたよ」
こんな感じでいつも話している。と、いうか智の背が伸びた様な・・・
「智、背伸びた?」
「あ、うん。多分160くらいあると思う」
デカっ。いつの間に伸びたんだ、こいつ。
と、いうか、そろそろ帰ろうかな。
「んじゃ、説明会も終わったことだし、そろそろ帰るか。」
「え?これから部活見学があるよ、遼。」
「は?そんなもんあったっけ?」
「あるある、大アリだよ。遼は何処の部活を見学すんの?」
んなもん決めてる訳無いじゃん。今あること知ったんだから。
「適当に見て回るよ。」
「分かった。」
しかし何処の部活を見学しよう。元々部活なんて入りたくもないのだけど。内申とかもあるし、入んないといけないもんな。
運動はしたくないし、かと言ってもこの学校には文化部は吹奏楽部しか無い。まあ、適当に卓球部とかでも見学するか。よし、そうしよう。
智はサトルと読みます。