はじまりっ!
開いてくれてありがとうございます!
文章を書くということ自体初めてなので稚拙な文章になるかと思いますが、楽しんで頂けたら幸いです!
遥か昔、人間が世界の全てを握っていた時代。
全てを手に入れた筈の人間は、他の全てを落として上に立ちたがった。
そう、同じ人間さえも。
人が人を恨み、人が人を呪い、人が人を苦しませ。
奪い合い、憎み合い、殺し合った。
誰もが哀しみ、誰もが心を失いかけたとき、唐突に人の悪意は人に振るうことを辞めた。
世界が人間だけのモノではなくなったのだ。
終わりなき負の連鎖を見続けた木々は心を痛め、精霊を創り出した。
蹂躙されることに飽きた大地は獣を生み出し、思うままに振るった。
狂気の渦に呑まれた屍は、龍で世界を消し去ろうとした。
苦しみを受け止めた空は、天使を与えようとした。
木々と空は人間に味方し、大地は暴れ、屍は怒り狂った。
人間は勝ちたかった。
全てが人間の醜い争いの所為であったとしても、世界を失いたくはなかった。
木々と歩み、空と手を取り、大地を操り、屍を叩いた。
人間が手を下さずに潰し合うように仕向ける。
ただそれだけを思い4つの壁を渡った。
人と人の争いだったものは、いつしか“世界”を脅かすほどの力を孕んだ。
そして遂に、それを危惧した“世界”が全てを呑みこんだ。
世界が管理できる力、人間の力に全てを変えて。
そうして、世界に5つの“ヒト”が生まれた。
精霊の力を受け継ぎし救世主。
獣の力を受け継ぎし破壊者。
龍の力を受け継ぎし復讐者。
天使の力を受け継ぎし共感者。
そして、何にも縛られない純粋な人間、人の王。
5つのヒトは何も変わらず争い続ける。
ただ、“世界”の手の中で。
「こうして、あたし達人間は生まれたって訳だ。皆も少しは聞いたこと……っていうか、小中行ってたら絶対に聞いたことある筈なんだけど、“メシアス”や“デストラ”なんて言葉、初めて聞いたって人も多いと思う。昔は精人のことを“メシアス”、獣人のことを“デストラ”って呼んでたんだ。龍人や天人、純人のこともね。まあ昔も昔、大昔のことでね。文献上はもう3000年も前のことだ。今は、昔のような種族間の隔たりなんてものはないに等しい。お前らがこうして同じ教室に居るのが、その証拠だ」
日本のみならず、他国からの在校生が多数居る日本の名門中の名門高、コミエ高等学校。
入る条件の非常に厳しいコミエ高校の1年2組の生徒たちは、担任の左右先生の話を静かに聞いていた。
オホホオホホと非常に煩い隣のバカ女でさえも、静かにだ。
正確に言うと、誰も口を開いたりする勇気がないだけだったりするだけなんだけど。
そんな息をするのも憚られる空気を作り出した張本人は、非常に楽しげに喋り続ける。
「しかし、不思議に思わないか?全てが消失した筈の旧世代のことが、何故文献に残っているのか。文献には、旧世代の遺物が記されている。私達には馴染みの深い、自動車や飛行機、さらにはロケットなんて物もだ。不思議に思わないか?今まで遺物として一つも見つからなかった物の数々が、文献にだけは記されている。不思議に思わないか!?旧世代の生き残りが記したモノなのか……“世界”が、記したモノなのか!」
左右先生が興奮する。
黒板叩く叩く。
教室揺れる揺れる。
俺達ビビるビビる。
洒落にならんぞ先生。
左右先生の授業は今のところ非常に分かりやすいのだが、汗が止まらないのは何故なのか。
先生が喋るのを聞いているだけで命の危機を感じるからか。
登校2日目、授業初回。
チャイムに命を救われる。
もう辞めたいと思うのは、俺だけなのか。
「ん?もう時間か。まあ、あたしの授業はこの世界の歴史について、今日のようにやっていくから。日本の歴史も少しはやるけどここは日本人以外も沢山居るから、海外の歴史を重点的にやるからね。まあ、それなりにやってくれたら構わないから。この世界のことより、自分達のことの方が大事でしょ、あたし達“日本人”って」
「まさか達哉があのコミエ高校に行けるなんて思ってもみなかったわ!達哉、頭よかったのね!私、全然知らなかったわ!ごめんなさいね、今まで口煩く言って。達哉に勉強しなさいなんて、そんなの失礼だったわね!」
「別に頭がいいからって受かる訳でもないだろ。それに母さん、俺まだ受かってないんだけど」
「何を言ってるの、超有名高なのよ!?それに合格率100%なんだから、受かったも同然よ!」
午前11時。
コミエ高校の面接の前に軽く昼食を済ませたら、急に母さんが話しかけてきた。
まあ、中学のときは喧嘩に明け暮れていたから、母さんの立場で考えると吃驚だろう。
バカ息子と思っていた子供が名門高に行けるなんて、思う方が可笑しいってくらいだ。
でも、ちょっと考えたら分かるもんじゃないのかと思う。
超有名高校が合格率100%なんて、あり得ないだろどう考えても。
誰も落ちない高校、特別募集人数が多い訳でも無し。
そうなっているから仕方ないのかもしれないけど。
「そうだ、お父さんの龍貸してあげましょうか!」
「要らないよ、別に。父さんだって仕事あるんだから。大体、受かったら寮に住むことになるんだからあんな大きい奴はむしろ邪魔になるよ」
「そうだったわね!寮!コミエ高校の寮にうちの息子は住んでます!……いいわあ」
「……俺、行くからね」
「……あ!ちょっと、お土産頼んだわよ!」
「……俺は今から何処に行くんだよ」
「「……あ。」」
玄関開けて外出て2分。
クラスメイトとばったり遭遇。
それもお互い制服で。
この時間で制服で出かけることと言えば、それは、まあ。
「……お前も?」
「……おう」
クラスメイトの中でコミエに行く奴が居るとは考えても居なかった。
それは優も同じようで、何も喋らず見つめ合うこと数十秒。
仕方ないので、一緒に行くことにした。
二人で歩くと恋人っぽく見えるとかそういうのはない筈なのである。
しかしまあ、よりによってこいつが……陵谷中学一の残念美人、大上優クンがコミエに行くとは、男が何人哀しむことか。
キリっとした目に腰まで届く銀の髪、透き通った白い肌に整った胸。
170前半のモデル体型に狼の耳と尻尾までつけてさ。
それでセーラー服まで着ちゃってる訳だからね。
こいつマジで。
「可愛いじゃねえかよ……」
「あん?お前、熱でもあるワケ?」
「いや、制服」
「……おう」
柄にもなく恥らいを見せてくれちゃってさあ。
顔を赤らめるなんて、どこで覚えたんだそんなの。
いつも学ラン羽織って漢になるだのバカなこと言って騒いでる優クンは何処へいったんだよ。
危うく虜になるところでしたわよ、ええ。
それを中学で見せたら残念の2文字は確実に消えたのに、漢と煩い優クンは消えたのに……!?
……ヤバい、ヤバいぞこれは。
「なあ、優クン」
「君付け?お前、マジで熱とか……」
「お前、男じゃねえよな?」
「?俺は漢だぜ?」
「そうじゃなくて、優は男性だった?」
「おれはおとこだぜ」
「……マジかよ」
お疲れだったな優に惚れた奴ら。
助かったぞ俺、まだ大丈夫だったぞ俺。
男にときめいたという事実に打ちのめされた心に、姿は女だという優しさをふりかける。
「おい、達哉」
自己暗示をかけて心のダメージを必死に修復しているというのに、空気ぐらい呼んで頂けませんか?
ねえ、オオガミさん。
「おい、達哉」
「何だよ、俺は今忙しいの。慈愛の神様と談笑したいんだから」
「達哉は男なのか?」
「何処を見てそんな疑問が生まれたんだよ。男だよ、ずっと」
「姿を見てに決まってるじゃないか」
にやにやと胸から何かがこみ上げてくる笑みで言いきる優。
落ち着くんだ俺、目には目を、笑顔には笑顔だ。
「殴られたいのか、そうなのか」
「おいおい、落ち着けよ。龍人のコブシは痛いんだ。そんな顔するなよ。な?」
「何言ってるんだ?可愛い笑顔だぞ?」
そう言うと、何故かさらに口の端を釣り上げてくくくと笑う。
中々の切り返しと思ったんだけど、これは悪手だったらしい。
ご丁寧にも優が教えてくれた。
「確かに可愛いな。その雰囲気を何とかすればもてるぞ、タツヤちゃん」
「男にもてて何になるんだよ、バカ!」
優と別れて自分の順番を待つこと20分。
女は1番から、男は501番から4列に並んで面接室に入っていく。
280人から漏れることなく、140人ずつ綺麗に集まる光景は明らかに受験の状況じゃないななんて思っていると、前に居た虎耳の男が面接室から帰ってきた。
ぷにぷにと柔らかそうなお腹をした愛嬌のある顔をした男は、そのままこっちに近づいてきた。
「次の奴来いやって」
「そうか。ありがとう」
「ええよ。それじゃ、これからヨロシク“お嬢ちゃん”」
「おう」
まあ、受かったんだろう。
落ちる奴なんていないわけだし。
俺も恥をかかないように、頑張るとしよう。
……虎男くん(仮)、顔、覚えたぞ。
「どうも。面接官の御渡と言います。よろしくお願いしますね。あ、そこに座って下さいね、すぐに面接始めますんで。高校の受験で面接官の名前を聞くと言うのも珍しいかもしれませんが、此処で3年間過ごす訳ですからね。落ちる方も居ませんし。ああ、それでは始めましょうか。まずは、受験番号を。受かると思って覚えてない人もよく居ますからね。受かりますけど。……次は、名前を。……ええ。では、受験番号071、斯枝達哉さん。最初の質問です。これさえ答えて頂ければ、あなたは合格するでしょう。大丈夫、落ちた人なんて今のところは一人も居ません。それでは」
『あなたは、“2回目”ですか?』
ただただ文章を書いてみたいと思い書いたものですので、続けれるのか不安ですが頑張っていきたいです。
また、プロットのないものですので後から警告タグが付くかもしれません。
ご了承ください。
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