20XX年
20XX年、僕ら地球人は、地球を飛び出し宇宙へ駈け出した。
地球温暖化によって地球上の温度は上がり、南極の氷がとけ水量が増し、島が次々と消えていった。原因は勿論地球人。
CO2やフロンガスなど地球人は言っているが、そのような原因を作ったのはそもそも人間、地球人なのだ。それを、CO2など他のせいにしていた。
地球人は、そこまでバカではない。もちろん対策をした。だが間に合わなかった。気づくのが遅かった。現実に目をそむけすぎた。よって、地球は熱い水の酸素などの空気のある赤い天体へと化してしまった。地球人は、なんとか脱出しようと考えた。その結果、前々から研究を続けている宇宙へ目を向けた。
“そうだ、宇宙へ行こう”
こんな風に考えた地球人は、宇宙、天文学の研究に力を注いだ。(僕は、“そうだ、京都へ行こう”みたいなノリで行ったんじゃないかと思うわけだけれど。)
よって、国際宇宙ステーションができ、小惑星を見つけ、人間が住める状況にさせた。
ある意味すごいし、たいしたものだと思う。
だがどうだろう?小惑星を見つけ、住むことによってどうなる?住む場所が地球ではなくなっただけ。毎度宇宙服を着ていなくてはいけなくなっただけ。それだけの違いだろう。新たな地球を作っている。同じ過ちをしているだけじゃないのか?
そんなことを思いつつ、何も変えることのできない僕がいた。
僕が生まれたころには既に地球温暖化の話題は出ていた。しかし、対策というのはしっかりと取り組まれていなかった。ちょうど、知らんふりをしていたころ。
そして、中学になりそうなところで地球脱出がでてきた。一斉に飛び出した。世界恐慌だの、スペースシャトル引退だの関係なく、スペースシャトルもそれ以外のソレイユなども使って人類は飛び立ったのだ。野生の動物だけ残して。見殺しにして。自分だけいい思いをして。
動物に恨まれるなんて当然の報い。でも恨まれることなんてないとみんな思っている。
なぜなら、地球に戻ることなんてきっとないから。戻ったとしても動物なんていやしないから。動物は、人に恨んでいるという表情を出せない。言えない。行動はできても、それは、野生だからと片付けられるから。全ては人間の支配。手中にあるんだ。
月の上にいて、多くの人達が月で暮らしている。みんなクレーターにいる。クレーターは凹んでいたのに、凹まなくなった。
逆に飛び出してきた。普通に考えればおかしな話だけど、今はおかしくもなんともない話なのだ。
「宙也。ご飯よ。」
「今いく。」
昔は月を眺めているときにかけられた言葉が今では赤い地球を見ながらかけられるようになった。もう“地球は青かった”なんて言えない。“地球は赤かった”なのだから。
もう戻れない。太陽系の中でもっとも美しかった地球には会えない。取り戻せない。
僕らは、全て思惑通りに動かし、自ら自滅に追いやった。
それは、世界恐慌が原因だとしても、地球温暖化にしたとしても、ウイルスだとしても同じこと。全ては、僕らにある。
自然の摂理には敵わない。僕らは、一番強くて、一番弱くて、一番ちっぽけだったんだ。
いきなりパッと考えたことを書いたものです。
自分の作品の中で一番短いのではないでしょうか。
この作品を皆様に読んでいただいて、少しでも地球温暖化について考えていただけたらと思います。