はだかー・・・・裸?
「え?」
聞き間違いかな?むしろ危機間違いかな?何そのテキトウ?
「ぱーどぅん?」
「ですので、好きに生きて下さって結構です。」
「何か魔王を倒せとか、世界を救えとかは?テンプレ的に。」
「しなくてけっこうです。魔王はいませんし、世界も救われるほど困っていませんから。貴方がこちらに来たので、元の世界は救われていますよ、もう十分です。なんでしたら、貴方が魔王になっても結構ですよ。魔王でも、神でも、現人神でも、勇者は難しいかもしれませんね。倒す対象がいませんから。」
「魔王居ないの?」
「居ません、なんでしたら創りますか?魔王を。自分で創って、暴れさせて、それを倒せば勇者様ですね。」
「何そのマッチポンプ。いや、別に戦いたいわけじゃないから、良いけど。何で、この世界に対しては、そんなにぞんざいなの?やっぱり此処は、テーマパークとかで、君もロボトー?」
もしくは、アンドローイド?人型ではあっても、サイズがないから違うかな?
「今更、その話を蒸し返さないでください。全て事実です。この世界に対してぞんざいなのは、いまだ無神階の世界だからです。」
「無神経?歯でも抜いたの?そういえば俺、明日は医者の予約があって、今絶賛仮詰め中なんだけど、治療はどうしたら。」
この世界って歯医者さんいるの?
「無神階です。神の無い階層世界です。いわば、出来たばかりで、管理者のいない世界ですね。最悪、作り直すのも直ぐですので、壊してしまっても構いません。」
「態々めんどくさいよ、それよりも、歯の治療、カブセが外れかけなんだよね~仮詰めだから。」
「自分で治してください、力の使い方も、後で説明しますので。そうですね、貴方は死んだら神様ですけど、此処できちんと修行してから、神になったほうがいいですよ。神様になって、他の神様の雑用ってのも嫌でしょ。」
「神の雑用って何よ?」
「色々あるみたいですよ。詳しくは知りませんが。」
何してるんだろ、ドジッ娘な神様とかも居て、書類ひっくり返してたりするんだろうか?それはそれでいいな。仲良くなって頼られたりとか。
「新入社員の洗礼みたいな?」
「どう転んでも違うと思いますが。まぁ、いいでしょう。無駄話が長くて、私の居られる時間が、あと僅かです。知識や情報等は残していきますので、貴方の好きなような御使いを、創り出してください。」
どうやって?て言うか、何それ?
「どうやって?」
分からなかったら素直に質問。うん、大事。
そう聞くと、空中に、うっすら光る球が現われた。いや、チョットグニグニしてる、スライム?
「これは、女神様が、持たせてくれた卵です。これを核に、貴方の欲しい従者、御使いを創って下さい。後で色々変更は出来ますが、見た目などは小動物が良いと思いますよ。目立ちにくいですし、使う力も抑えられます。」
小動物?ハムスター?でもなーハムスターは夜行性だしなー、ぐうたらなイメージがあるなー。もっと、こう機敏な、スポーティーなそんな小動物。居ないかなー、フィッシュ武中さん?墨のプールを泳がれても嫌だし、小動物じゃないし。
「早くして下さい、時間がありませんよ。」
時間ねー、時間が無い、時間が無い。モンティ・パイソンでそんなネタがあったな。もう見れないのか、モンティ・パイソン。せっかくDVDボックス買ったのに・・・クスン。映画なー、グレムリン?可愛くない。C3PO?野沢那智さん・・・クスン。モンティ・パイソンといえば、納谷五郎さん。納谷五郎さん、ユパ様、ナウシカ?キツネリス・・・・・キツネリス・・いいんじゃね?
「イメージ確定、キツネリス。」
「それでは、イメージをこの卵に向けて下さい。後について答えて下さいね。」
-我が真名において
存在を与えん
創りたるは
調停の司
天秤の支柱
我が側背に在らんことを
我が前に在らんことを-
わお、ちゅうにーちゅうにー厨二病、何だろう、涙が出そう。憤死しそう。
ぽんっ
昭和の、魔法少女物の様な気の抜けた破裂音がした。うわー、ださーい。
「完成ですね、チョット力を込め過ぎですが、まぁ良いでしょう。あとは。」
完成?チョット大きくなって黄色くなったけど、まだ丸いグニグニ?
おー変化・・・しない?なにこれ?
「それでは、僕はこれで失礼します。後のことはこの娘に任せますね。」
「あ、どうもありがとうございましたー。」
「それではー。」
妖精さんは、光になって空へ上がっていった。昇天?光の一部が、丸いグニグニの中にはいる。
光る丸いグニグニが大きくなって、スモークが焚かれた様になり。
煙が晴れると。
裸の女の子が寝ていました。
「はだかー、そして耳―。」
やっぱり叫んで終了。