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断罪の階梯  作者: 慈架太子


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4/10

国家成長

「よし。これで一万人が俺たちの『国家』に組み込まれた。エレン、増えた労働力を全部使え。第二外郭の防壁を、明日の朝までに形にするぞ」


「任せなさい! これだけの人数がいれば、私の土魔法のイメージを共有させて、一気に組み上げられるわ!」


エレンが新しく加わった数千人の石工や工夫たちを指揮し、街の外側にさらなる巨大な壁の礎を築き始める。一万人という巨大な歯車が、俺という総指揮のもとで、上下の区別なく凄まじい速度で回転し始めた。



二万人を超える人口を支えるため、俺は即座に次なる指示を飛ばした。 食、住、そして衛生。この三つが崩れれば国は内側から腐る。誰もが対等に、清潔に、そして腹一杯に生きられる環境を「役割」として作り上げるんだ。


俺は幹部たちを招集し、新たな国家運営の指針をまとめた。


【国家『閃光の礎』インフラ強化・衛生管理計画】


1. 難民を主体とした大規模開墾(農耕部隊の拡張)


責任者: トト(農耕部隊長)


内容: 受け入れた避難民一万人のうち、農耕経験者や体力のある者三千人を「農耕部隊・第二工区」として編成。


目的: 第二外郭内の広大な未開地を一気に農地へ変える。


運用: 土魔法部隊が土バレットで耕した土地に、難民たちが種を蒔き、水魔法部隊が灌漑かんがいを行う。役割を与えることで、彼らに「この国を支えている」という自覚を持たせる。


2. 生活環境の整備(住居と公衆衛生)


責任者: エレン(土魔法部隊長)、ソフィア(水魔法部隊長)


内容: 石造の集合住宅を急ピッチで完成させ、野営状態を解消する。同時に、水魔法と土魔法を組み合わせた下水道システムを構築し、疫病の発生を未然に防ぐ。


3. 全国民への「クリーン」魔法の伝授


責任者: リナ(選抜・教育補佐)、ソフィア(水魔法)


内容: 体や衣服の汚れを魔力で弾き飛ばす生活魔法「クリーン」の講習会を開催。


対象: 希望する国民全員。


意図: 二万人規模の過密状態では、不衛生が最大の敵となる。魔力が微弱な平民でも使えるよう、イメージを簡略化した「クリーン」を広めることで、国全体の清潔度を維持する。魔法を学ぶことは、自立への第一歩だ。


「いいか、トト。難民をただの労働力として扱うな。彼らが耕す一鍬一鍬が、この国の未来だということを分からせろ。腹が減れば人は絶望するが、自分の手で食い扶持を作っているという実感は希望になる」


「分かってるよ、マサルさん。難民の連中も、ただ飯を食うのは居心地が悪そうだったんだ。『仕事がある』ってだけで、みんな目の色が違うぜ」


俺は次にソフィアとリナに向き合った。


「クリーン魔法の伝授は急げ。二万人もいれば、一箇所で病気が出れば終わりだ。『魔法は特別な奴のものじゃない、自分たちの生活を守るための道具だ』と教えてやれ。希望する奴には全員だ。出し惜しみはするな」


「了解よ。リナと一緒に、効率的な講習プログラムを組むわ。清潔さは心の余裕に繋がるものね」


こうして、俺たちの国は「巨大な建設現場」から「機能する社会」へと脱皮を始めた。 防壁の外側に広がる広大な農地には、かつて絶望していた避難民たちが、今や自分たちのために汗を流している。



「エレン、ハンス!至急集まってくれ!」


俺の呼びかけに、現場を指揮していた二人が駆けつけてきた。俺は二人の目を見据え、この国の根幹を揺るがす重要な決断を伝えた。


「いいか、組織を大幅に強化する。まずエレン、お前の土魔法部隊に、難民の中から適性のある者を数千人規模で引き入れろ。この国の領土を広げ、強固な防壁を維持し、豊かな農地を作る……土魔法師こそが、この国の生命線、まさに『要』だ。出し惜しみせず、徹底的に育成しろ」


エレンが力強く頷く。 「わかったわ、マサル。数千人の土魔法師がいれば、この国の拡張速度はこれまでの比じゃない。バレットの応用で、荒野を一日で肥沃な大地に変えてみせるわ!」


「次にハンス。お前の部隊員全員に、俺のスキルの派生である『アイテムボックス』を付与する。お前一人に物流を背負わせる段階は終わった。部隊員全員が空間収納を使えるようになれば、二万人分の食糧輸送も、領地拡張のための資材運搬も、一瞬で完了する」


ハンスが驚きに目を見開いたが、すぐに不敵な笑みを浮かべた。 「全員にアイテムボックスか……! それは凄まじいな。物流の革命だぜ、マサルさん。俺の部隊が、この国の血流として隅々まで物資を届けてやるよ」


俺はさらに続けた。 「そして、全国民に『クリーン』の魔法を教える。希望者全員だ。不衛生は疫病を招き、国を滅ぼす。魔法を自分たちの生活のために使う喜びを教え、全員をこの国の誇り高き『歯車』にするんだ」


二人はそれぞれの役割の重さを噛み締め、現場へと走り出した。


【国家『閃光の礎』組織強化・進捗報告】


土魔法部隊エレン:


規模: 数千人規模へ拡張。


役割: 第二外郭の早期完成、広大な農地の開墾、石造住宅の量産。


現状: 難民から適性者を抽出。エレン直伝の「バレット農耕法」の講習を開始。


物流部隊ハンス:


特殊技能: 全員に『アイテムボックス』を付与。


役割: 二万人規模の食糧配給、建設資材の超高速輸送。


現状: 部隊員全員へのスキル付与完了。物流効率が1000%以上に上昇。


国民衛生管理リナ・ソフィア:


技能伝授: 「クリーン」魔法の全プレ講習会。


現状: 街全体で汚れを弾く光が灯り、二万人規模の過密状態でも驚異的な清潔さを維持。


俺は防壁の上から、活気に満ちた街を見下ろした。 数千人の土魔法使いが大地を揺らして農地を作り、アイテムボックスを持つ物流部隊が風のように物資を運び、国民全員が魔法で自分たちの環境を清潔に保つ。


「平等」とは、全員が同じ役割をすることじゃない。全員が自分の「役割」に誇りを持ち、自律して動くことだ。



二万人の国民を抱える国家として、もはや十数人の部隊では管理が追いつかない。俺は幹部全員を招集し、それぞれの部隊規模を抜本的に引き上げることを命じた。


「各幹部に告ぐ。今の規模ではこの国を支えきれん。それぞれの部隊規模を最低でも100人単位にまで拡充しろ。適性は俺が鑑定で振り分けた難民の中から選べ。一人一人が100人を率いるリーダーになれ」


俺の指示により、各部門は巨大な組織へと変貌を遂げた。


【新生『閃光の礎』各幹部直属部隊(各100名規模)】


カイル:教育隊(100名)


国防の要。全員が「2の7乗(128発)」のバレットを同時展開可能な精鋭中の精鋭。


エレン:土魔法・建設部隊(増員し数千人規模、中核100名)


国家の土台。100名の精鋭魔法師がそれぞれ数十人を率い、第二外郭と大農地を爆速で組み上げる。


ハンス:物流・輸送部隊(100名)


全員が「アイテムボックス」を所持。二万人分の物資を滞りなく循環させる。


マルコ:行政・治安維持部隊(100名)


地下牢の管理と街の秩序維持。増え続ける人口の戸籍と役割を完全に管理する。


ルカ・ノア:索敵・情報局(100名)


街の全方位監視と魔導通信網の運用。死角を一切作らせない。


ソフィア・リナ:医療・衛生教育部隊(100名)


「クリーン」魔法の普及と医療。全住民が清潔に保てるよう巡回指導を行う。


ジーク:武装・魔導具開発部隊(100名)


バレットの威力を底上げする触媒や、生活用魔導具の量産。


トト:農耕指導部隊(100名)


難民三千人を率いる現場監督。土魔法と連携し、飢えを完全に根絶する。


ギル:解体・資源部隊(100名)


狩り取った魔物を瞬時に素材化し、ハンスの物流ラインへ乗せる。


ニーナ:食料・配給部隊(100名)


二万人分の炊き出しと保存食製造。一切の無駄なくカロリーを配分する。


「いいか、100人の部隊員は、お前たちの手足だ。お前たちが迷えば二万人が迷う。だが、お前たちが役割を全うすれば、この国は世界で一番安全な場所になる」


俺の言葉に、10人の幹部たちは力強く頷いた。 ハンスの部隊100名が全員アイテムボックスを開き、エレンの部隊数千人が一斉に大地を耕す光景は圧巻だ。


さらに、街のあちこちでは「クリーン」魔法の講習会が開かれ、昨日まで泥にまみれていた難民たちが、自分の手から放たれる清浄な光に目を輝かせている。


「マサル、これで組織の『骨組み』は完成したわ。あとはこの二万人の熱量をどこへ向けるか、ね」 エレンが額の汗を拭いながら不敵に笑う。



二万人の命を背負う以上、怪我や疫病は国家存亡の危機に直結する。俺はこれまでのイメージ魔法の知見を総動員し、新たに「回復」と「浄化」の術理を構築した。


既存の「バレット」が対象を撃ち抜くイメージなら、これらは対象を「整え」「満たす」イメージだ。俺は幹部たちと、リナ・ソフィアが率いる医療・衛生部隊100名の前で、その術式を公開した。


「いいか、これからは『清潔』にするだけでなく、『治し』『清める』力が必要だ。俺が開発した五つの新魔法を共有する」


【新開発:回復・浄化魔法体系】

ピュリフィケーション(浄化・精製)


効果: 物質の毒素や不純物を取り除く。


運用: 飲み水のろ過、劣化した食料の除毒。アイテムボックスに詰め込む前の素材精製に使用。


ピュリファイ(清める)


効果: 邪悪な魔力や、空間に淀んだ瘴気を祓う。


運用: 大勢の人間が密集する居住区の「気」を整え、精神的な平穏を保つために使用。


ヒール(小回復)


効果: 切り傷、打ち身などの外傷を即座に塞ぐ。


運用: 日常的な怪我の治療。


ハイヒール(中回復)


効果: 深い傷や骨折、重度の欠損を修復する。


運用: 建設現場や狩猟中の重傷者への緊急処置。


エリアヒール(広域回復)


効果: 指定した範囲内にいる全員の体力を微回復させ、疲労を取り除く。


運用: 過酷な労働に従事する農耕部隊や土魔法部隊のケアに使用。


「ソフィア、この術式をお前の医療部隊100名に徹底的に叩き込め。お前たちはもう、ただの看護係じゃない。この国の『生命維持装置』だ」


ソフィアは新魔法のイメージを受け取り、その掌に宿った柔らかな光に目を見開いた。 「……すごいわ。今までの気休めのような癒しとは密度が違う。これなら、どんな過酷な現場でも死者を出さずに済むわ!」


「リナは『ピュリフィケーション』と『ピュリファイ』の普及を。クリーン魔法に加えて、これが使えれば二万人の居住区で伝染病が広がる心配はなくなる」


「了解よ、マサル。街の井戸水や配給される食事にこれをかけるだけで、安全性が劇的に上がるわね」


俺たちの国は、圧倒的な「火力(教育隊)」、強固な「基盤(土魔法部隊)」、淀みない「循環(物流部隊)」に続き、不滅の「生存力(医療衛生部隊)」を手に入れた。


一万人の難民たちも、次々と教えられる魔法に、絶望ではなく「この国の一部である」という強い希望を抱き始めている。



「カイル!至急訓練場に来い!見せたいものがある」


俺の呼び声に、教育隊100名を指揮していたカイルが即座に駆けつけてきた。


「マサル、どうした? 新しい訓練メニューか?」


「いや、もっと実戦的で、この国の防衛力を根本から変える新魔法だ。バレットの練度が上がったお前たちだからこそ使いこなせる……『ジャベリン』だ」


俺は右手を突き出し、魔力を練り上げた。これまでのバレットが「弾丸」なら、これは文字通り「投げ槍」だ。バレットを数百個、あるいはそれ以上の密度で一点に凝縮し、螺旋の回転を加えて超高速で射出する。


「見てろ。あそこにあるエレンが作った試作用の三重防壁を狙う」


俺の手から放たれた『ジャベリン』は、空気を引き裂く轟音と共に一直線に飛び、厚さ数メートルの石造防壁を、まるですり抜けるかのように容易く貫通。そのまま背後の岩山を爆砕した。


「……なっ! バレットの数百倍……いや、桁が違うぞ。あんなもの、まともに食らって耐えられる鎧も魔導障壁もこの世に存在しないぞ」


カイルが驚愕で目を見開く。


「そうだ。バレットはあくまで面での制圧や牽制だ。だがこのジャベリンは、敵の重装甲、城門、そして巨大な魔物を確実に仕留めるための『必殺の槍』だ。カイル、お前の教育隊100名にこれを叩き込め。ただし、これは役割を履き違えた奴が持てば虐殺の道具になる。精神を鍛え、この国の『最後の楔』として運用しろ」


「了解だ、マサル。この圧倒的な火力が俺たちの後ろにあると思えば、二万人の国民も安心して眠れる。教育隊、これより新魔法『ジャベリン』の習熟訓練に入る!」


【国家『閃光の礎』軍事・技術アップデート報告】


教育隊(カイル:100名)


新兵装: 必殺魔法『ジャベリン』の導入。


能力: バレット128連射による面制圧に加え、ジャベリンによる単体超火力貫通能力を獲得。


医療・衛生部隊(ソフィア・リナ:100名)


新魔法: ヒール、ハイヒール、エリアヒール、ピュリフィケーション、ピュリファイの運用開始。


効果: 建設・訓練中の事故死者ゼロを維持。街の衛生状態は極めて良好。


物流・建設・農耕ハンス・エレン・トト


現況: 全員がアイテムボックスを持ち、数千人の土魔法師が第二外郭内の農地を完成。食料自給率が急速に回復。


「いいか、力を持つことは誰かを支配するためじゃない。俺たちの平穏を壊す奴を、確実に排除するためにある。上下関係はない。だが、この役割の重さを忘れるな」


カイルは深く頷き、精鋭100名の前でジャベリンの術理を語り始めた。 一万人以上の難民を加え、二万人超の巨大国家となった『閃光の礎』は、今や王国の正規軍すら凌駕する火力を手に入れた。



「カイル、もう一度来い。教育隊のレベルを次の次元に引き上げるぞ」


訓練場でジャベリンの基礎を終えたばかりのカイルを呼び戻した。彼はまだ新魔法の余韻に興奮していたが、俺の真剣な表情を見て即座に背筋を伸ばした。


「マサル、まだ上があるのか? 教育隊はすでに128発(2の7乗)の展開で安定しているが……」


「128発で満足するな。これから教えるのは、この国の『絶対的な暴力』としての計算式だ。2の8乗、9乗、そして10乗。1024発までを全員の脳に刻み込め」


俺は空中に魔力で数式を展開し、同時に1024発のバレットを背後に浮かせた。空が光の弾丸で埋め尽くされ、昼間だというのに周囲が眩い輝きに包まれる。


「いいか、計算はイメージの補強だ。256(2の8乗)ができれば、小規模な軍勢を一人で殲滅できる。512(2の9乗)ができれば、防壁の一角を完全に封鎖できる。そして1024(2の10乗)に到達すれば、それはもはや個人ではなく『戦略兵器』だ」


カイルはその光景を仰ぎ見、息を呑んだ。


「1024発……。100人の教育隊全員がこれを使えるようになれば、合わせて10万発以上の弾幕か。もはや戦争にすらならないな」


「そうだ。だが、これはただ撃ち出すための数じゃない。緻密な計算によって魔力の無駄を削ぎ落とし、効率を極めるための思考訓練だ。これだけの数を制御できる集中力があれば、ジャベリンの精度も必然的に上がる」


【教育隊・魔力演算訓練アップデート】


目標値:


第一段階:256発(2の8乗)


第二段階:512発(2の9乗)


最終段階:1024発(2の10乗)


教育隊(100名)の役割:


24時間交代制で防壁に配置。1024発の展開能力を持つ100名が揃えば、王都の全軍が押し寄せても門をくぐることは不可能。


カイルの誓い:


「わかった、マサル。全員にこの計算式を脊髄まで叩き込ませる。俺たちがこの国の『絶対的な盾と矛』であることを、魂に刻み込ませてやるよ」


「よし、頼んだぞ。上下関係はないが、この圧倒的な演算能力こそが、二万人の命を守るための『責任』だ」


カイルは100人の部下たちのもとへ戻り、さらに過酷で精密な訓練を開始した。訓練場からは、空気を震わせるほどの魔力圧が絶え間なく放たれている。


一方、地下牢では、壁を抜けて響いてくる1024発のバレットの起動音と、ジャベリンの破壊音を聞いたバドや前領主たちが、ガタガタと震えながら「もう、何でも話します……王都の秘密も、隠し資産の場所も……」と泣き叫んでいる。



「ハンス、ジーク、トト、ギル!至急集まってくれ!」


俺の呼びかけに、それぞれの部隊を率いる4人の幹部が駆けつけてきた。俺は二万人の国民たちの姿を見渡し、新たな課題を突きつけた。


「いいか、今のこの国の民はみんな服装がボロい。難民として逃げてきた時のままだ。清潔な体を手に入れても、着ているものがこれじゃ士気も上がらんし、衛生上も良くない。そこで新しく『紡織部隊』を立ち上げる。お前たちの役割を連携させるぞ」


俺は一人一人の目を見て指示を出した。


「ジーク、お前に聞きたい。魔物の素材や植物から糸を取り出し、生地を作ることは可能か? 技術開発局の100人をフル活用して、効率的な織機や精製法を開発してくれ」


ジークは顎をさすりながら、職人の目で考え込んだ。 「……魔物の毛や繊維か。面白い。魔力を通しやすい生地ができれば、バレットの反動を和らげる戦闘服も夢じゃないな。やってやるぜ、マサル」


「トト、お前は農耕部隊で『綿わた』を作ってくれ。食料も大事だが、着るものの原料も自給自足するんだ。拡張した農地の一部を綿花栽培に割り振れ」


トトが力強く頷く。 「任せな。土魔法部隊と協力して、最高の綿花が育つ土壌を作ってやるよ」


「ギル、解体部隊での作業中、糸の繭みたいなものや、繊維質の素材が出てきたら、すべてジークに回せ。捨てるところは何一つない。魔物の生命力を衣類に変えるんだ」


ギルは短く答えた。 「了解だ。解体時に繊維を傷つけないよう、100人の部下にも徹底させる」


「そしてハンス、聞いての通りだ。上がってきた生地を使って、実際に服を仕立てるラインを作れ。下着、普段着、そして教育隊のための戦闘服や外被だ。二万人分を効率よく作る『紡織部隊』を編成しろ」


ハンスは不敵に笑い、アイテムボックスを軽く叩いた。 「アイテムボックスがあれば、大量の生地の保管も完成した服の配送も一瞬だ。二万人全員に、この国の『誇り』を着せてやろうじゃないか」


【新設:紡織部隊(100名規模)および連携体制】


紡織部隊(責任者:ハンス / 製作実務):


役割:生地の裁断・縫製。下着、普段着、戦闘服、防寒用の外被の製造。


技術協力ジーク:


役割:魔導織機の開発、魔物素材からの糸の抽出・精製。


原料供給トト・ギル:


役割:綿花の栽培、魔物由来の繊維(繭・毛・筋)の回収。


「いいか、上下関係はないが、この国で『着るもの』があるという安心感は、国民の誇りに直結する。誰もが胸を張って歩けるような、清潔で丈夫な服を作ってやれ」


幹部たちは互いに頷き合い、それぞれの現場へと走り出した。 数日後には、ジークが開発した魔導織機が唸りを上げ、トトが育てた綿とギルが回収した魔物の糸が、白く丈夫な生地へと姿を変え始めた。






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