王国
断罪の階梯
広場を一瞬の沈黙が支配し、次の瞬間、これまで以上の地を揺るがすような歓声が沸き起こった。それは、恐怖による支配が終わり、自分たちの力で自由を勝ち取ったことを確信した民衆の声だった。
俺は消えゆく魔力の残滓を見つめながら、拳を固く握りしめた。 「これで終わりじゃない。王都がまだ俺たちを敵と見なすなら……次はあそこを、このバレットで撃ち抜く番だ」
セネーの街に、新たな時代の始まりを告げる篝火が灯された。
バレット部隊の圧倒的な火力と、逃げ場のない平原という地形が重なり、王国騎士団は軍隊としての機能を完全に喪失するほどの壊滅的打撃を受けました。
最終戦果・損害報告(確定数)
王国騎士団(侵攻側):30,000人
戦死者:約22,000人
開戦数秒で先頭の騎馬5,000人が無力化・致命傷を負いました 。
その後の団子状態となった無抵抗な集団に対し、200m~300mの適正距離から貫通力の高いバレットが絶え間なく降り注ぎ、後続部隊の約7割が戦死しました 。
負傷・捕虜:約8,000人
聖盾魔法騎士隊の粉砕後、戦意を喪失し投降。
指揮官:1名(バルドムス将軍)
逃走中に捕縛され、セネーの街にて処刑。
バレット部隊(防衛側):1,000人弱
戦死者:0人
負傷者:0人
敵を一度も200m圏内に入れず、一方的な遠距離射撃のみで決着をつけました 。
戦闘の特筆すべきデータ
バレットの総発射数
隊員1人あたり、練習通りであれば一度に100個の同時発射が可能ですが、実戦では安定性を重視し20~30個を連射しました 。
1,000人が数分間撃ち続けたことにより、戦場に投下された魔法弾の総数は数十万発に達し、これが「鎧越しでも貫通する威力」で降り注いだ結果、未曾有の殺傷率を記録しました 。
平原を埋め尽くした王国騎士団22,000人の遺体と、無数の馬の死骸。放置すれば腐敗が進み、セネーの街に深刻な疫病をもたらすことは明白だった。
「これだけの数だ。埋めるにしても焼くにしても、人手と時間が足りなすぎる。街の復興を優先させるために、俺が全部片付ける」
俺は広大な戦場の中央に立ち、自身のスキルを発動させた。
死体処理と環境保全
アイテムボックスへの収納: 俺の「アイテムボックス」は容量が実質無制限だ。2万人を超える戦死者、数千頭の馬、そして散乱した武器や防具のすべてを、一瞬にして亜空間へと収納した。
衛生リスクの即時排除: 死体そのものが戦場から物理的に消滅したことで、腐敗臭や害虫の発生、地下水の汚染といった衛生上の懸念は完全に解消された。
戦利品の確保: 収納した装備品は、後にバレット部隊の武装強化や、セネーの復興資金としての資源に再利用する計画を立てた。
街の復興への注力
人的資源の集中: 本来なら数週間かかるはずだった戦後処理の労力を、すべてセネーの街のインフラ整備や防衛施設の強化に回すことが可能になった。
心理的ケア: 惨劇の跡地がわずか数分で元の平原に戻った(掘り返された地面は土属性の魔法で整地した)ことで、住民たちの精神的な不安を和らげる効果も生んだ。
「さて、将軍の処刑も終わった。次はアイテムボックスの中に積み上がった2万の死骸と装備をどう『整理』するかだが……」
俺は静まり返った平原を見渡した。王国騎士団3万の軍勢がここにいた痕跡は、今や俺の手の中にある。
俺はアイテムボックスに収納した2万を超える遺体と装備を「外交カード」として利用することに決めた。戦後、すぐさま王都へ向けて特使を派遣し、以下の条件を突きつける強気の交渉を開始した。
王都への要求と外交交渉
セネーの街を蹂躙しようとした報いとして、俺は王都の為政者たちに対し、一切の妥協を許さない書状を送った。
遺体の返却条件: アイテムボックス内に保管している約22,000柱の騎士の遺体、およびバルドムス将軍の遺品を返却する条件として、法外な額の賠償金を要求した。
不戦条約と自治権: セネーの街を「完全独立自治領」と認め、王国軍の立ち入りを永久に禁じる不戦条約の締結を求めた。
拒否への恫喝: もし要求が受け入れられない場合、保管している遺体を「腐敗した状態で王都の城門前に一斉にぶちまける」と警告した。さらに、残りのバレット部隊1,000人を率いて、今度は防衛ではなく王都殲滅のために進軍すると付け加えた。
王都側の狼狽
王都の謁見の間では、かつてないパニックが巻き起こっていた。
主力喪失の衝撃: 3万の軍勢のうち2万以上が戦死し、その遺体すら敵に「人質」として奪われた事実に、貴族たちは震え上がった。
恐怖の浸透: 鎧を紙切れのように貫く「バレット」の威力と、瞬時に2万の遺体を消し去った「底知れぬ収納魔法」の噂は、王宮の騎士たちから戦意を完全に奪っていた。
交渉の決着
俺の突きつけた条件に対し、王都側は一切の反論ができず、震える手で承認の署名を行った。
賠償金の獲得: 王国の国家予算数年分に相当する莫大な賠償金がセネーに支払われることが決定した。
完全なる独立: セネーは事実上の独立国家となり、俺がその統治者として認められた。
遺体の返却: 契約成立後、俺は王都から離れた平原にて、アイテムボックスから2万の遺体を「整然と」一括排出した。その圧倒的な死の山の光景は、回収に来た王都兵たちに一生消えないトラウマを刻み込んだ。
「これに懲りたら、二度とセネーに手を出すな。次は遺体すら残さない」
俺のこの言葉を最後に、王国騎士団との戦いは、セネーの完全勝利と王国の屈服という形で幕を閉じた。
王都に22,000柱の遺体が返却されたことは、王国の終わりの始まりでした。物理的な死の重みと、それを引き起こした為政者への不信感が、王都の均衡を内側から崩壊させたのです。
崩壊する王権と「王国内乱編」
王宮を包囲する絶望
セネーから帰還したわずか8,000人の生き残りは、もはや王の兵ではありませんでした。
兵士たちの離反: 「バレット」の雨の中で仲間を失った恐怖と、無謀な突撃を命じたバルドムス将軍および国王への怒りが爆発しました。
民衆の蜂起: 働き盛りの若者2万人以上を一度に失ったという報せに、王都の街々は慟哭から激しい暴動へと変わりました。
権威の失墜: 圧倒的な武力を誇ったはずの王国騎士団が、わずか1,000人弱の部隊に完膚なきまでに叩きのめされた事実は、王家の「力による支配」の根拠を根底から破壊しました。
王城への進撃
怒り狂った民衆と、武器を捨てた兵士たちが王城へと押し寄せました。 「俺たちの息子を、夫を、ただの『的』にしたのは誰だ!」 「王は我々を守るどころか、自国民を蹂躙するために死地に送った!」
かつて「自国民に剣を突きつけるやり方」を平然と行っていた王家は、今度は自分たちがその剣を突きつけられる立場となりました。
国王の最期
城内にまで侵入した元兵士たちは、謁見の間で震える国王を包囲しました。国王はかつてのバルドムス将軍と同じように、権威を盾に命乞いをしましたが、誰一人として耳を貸す者はいませんでした。
内乱の結果: 国王は廃位され、王政は完全に崩壊しました。
新秩序の模索: 王都は無政府状態に近い混乱に陥りましたが、民衆の間では「セネーのような力と正義を」という声が広がり始めています。
王都から救いを求める使者がセネーに辿り着いたが、俺は玉座にふんぞり返ることもなく、冷徹な視線で彼らを見下ろした。
叩きつけられた最後通牒
「勝手なことを言うな。反吐が出る」
俺の声が広間に低く響くと、王都の使者たちは一斉に震え上がった。
厚顔無恥な要求の拒絶: 「自分たちが内乱で首が回らなくなったからと、蹂躙しようとした相手に統治を乞うとは、どの口が言っているんだ 」
責任の所在: 「2万人以上の犠牲を出したのは、他でもないあんたたちの王政だ 。その尻拭いを俺たちに押し付けるな」
武力による威圧: 「俺のバレット部隊が動くときは、統治のためじゃない。残りの王族ごとすべてを貫き、更地にする時だ 」
俺はアイテムボックスを指先一つで開き、その暗黒の淵を見せつけながら続けた。
「いいか。あんたたちの王都が燃えようが、民が共食いを始めようが知ったことか。俺たちは、セネーの街を脅かす者なら自国民だろうが何だろうが容赦なく排除する。それが俺たちのやり方だ 」
使者たちは、かつて自分たちが馬で1日の距離にいる同胞に剣を突きつけた傲慢さが 、そのまま絶望となって返ってきたことを悟り、這うようにして去っていった。
「隊長、放っておいていいんですか?」 不安げな隊員に、俺は短く答えた。 「自分たちで火をつけたんだ。自分たちで消すか、灰になるまで燃えればいい。俺たちは俺たちの領地を、このバレットで守り抜くだけだ 」
王都が内乱によって焼き尽くされ、機能不全に陥った結果、生き残った民衆は「かつて自分たちを蹂躙しようとした、だが今は最強の力を誇るセネー」に一縷の望みを託して大挙して押し寄せました。
セネーの境界:新たな秩序と冷徹な選別
セネーの街の外、かつて3万の騎士団がバレットの餌食となった平原に、今度は数万の難民が列をなしました。彼らは口々に「王都を捨ててきた」「セネーの民にしてくれ」と懇願します。
城壁の上に立った俺は、拡声の魔法を使い、地平線まで続く群衆へ向けて冷徹に言い放ちました。
無条件移住の拒絶: 「勝手なことを言うな。ここは慈善施設ではない。かつて俺たちを見捨て、剣を向けることを許容した王都の民を、そのまま受け入れる義理などどこにもない」
絶対的な選別の導入: 「ここに入りたいなら、二度と誰にも、何にも依存しない覚悟を見せろ。労働力として価値がある者、そして何より、セネーの『力による平和』に絶対の忠誠を誓う者だけを、俺が選ぶ」
バレットによる境界線: 押し寄せようとする群衆の足元に、警告のバレットを叩き込みました。「この線を一歩でも無断で越えれば、かつての騎士団と同じ末路を辿ることになると思え」
セネーの「新住民」への試練
俺は彼らをすぐには街に入れず、平原に野営させ、徹底的な管理下に置きました。
徹底的な武装解除: 隠し持っていたナイフ一本に至るまで没収し、アイテムボックスへ収納しました。
労働による「市民権」の購入: 王都から持ち出してきた財産はすべて没収し、復興作業や新たな防衛設備の建設に従事させた対価として、最低限の食糧と、将来的な居住権を「ポイント」として与える制度を構築しました。
思想の統一: 騎士団の鎧を貫いたバレット魔法を、今度は「建設と開拓」のツールとして教え込み、旧王国の価値観を徹底的に破壊しました。
結果
かつて3万の兵を飲み込んだ平原は、今や数万の元王都民が、俺の顔色を伺いながら必死に働く「開拓区」へと変貌しました。
「王都は灰になった。これからは俺のルールだけが、ここでの法だ」
セネーはもはや単なる拠点ではなく、圧倒的な武力と冷徹な秩序によって統治される、この大陸で最も恐ろしく、かつ最も安全な「新国家」へと歩み始めました。
開拓区には、かつて王都で甘い汁を吸っていた元貴族たちも紛れ込んでいた。彼らは慣れない肉体労働に不満を募らせ、俺が築いた新たな秩序を「野蛮な独裁」と呼び、密かに反旗を翻す計画を立て始めた。
潜伏する毒牙:元貴族たちの「再興」計画
「我々は王家の血を引く誇り高き貴族だ。あんな魔法バカに跪き続けるなど耐えられん」
元貴族の一人が、開拓区の薄暗いテントの中で、かつての取り巻きたちを前に囁いた。彼らの計画は、かつて騎士団が使用していた魔導盾の残骸を横流しし、俺の「バレット」を防げる独自の装備を再構築すること。そして、移住者たちの不満を煽り、内側からセネーを爆破することだった。
密造兵器の製造: 彼らは作業現場から盗み出した魔導金属を使い、小規模ながらもバレットに耐えうる対魔障壁の試作機を完成させつつあった。
不満分子の扇動: 「隊長は我々を奴隷としてしか見ていない」という噂を流布し、開拓民の中に混乱の種を撒いた。
決起の夜: 彼らは、俺が視察に来るタイミングを狙い、一斉にバレット部隊の武器庫を襲撃する算段を立てていた。
計画の露呈:圧倒的な情報網
だが、彼らは致命的な勘違いをしていた。俺のアイテムボックスには、彼らが「盗んだ」つもりの金属の履歴も、捨てたはずのゴミの数まで、すべてが把握されていたのだ。
「……で、その試作機とやらで俺のバレットが防げると本気で思っているのか?」
決起の直前、俺は彼らの秘密の集会所に一人で現れた。
恐怖の再来: 驚愕する貴族たちが慌てて未完成の障壁を起動させたが、俺が指先から放った極小のバレット一発で、その盾は使い手の手首ごと粉砕された。
一掃: 「お前たちが盗んだ資材、計画のすべて。俺のアイテムボックスに収納されていた情報と照合すれば、筒抜けなんだよ」
断罪: 俺は反乱を企てた者たちを、一切の容赦なくその場で「収納」した。彼らが二度と日の光を見ることはない。
さらなる統制
この未遂に終わった反乱を受け、俺は開拓区のルールをさらに厳格化した。
「甘えは捨てろと言ったはずだ。反抗を考える暇があるなら、その手を動かせ。次は、開拓区そのものをバレットで整地してやる」
この一件により、開拓民たちの間に「隊長には何も隠せない」という真の恐怖が浸透し、セネーの秩序はより強固な、逆らう者のいない絶対的なものとなった。
反乱分子がすべて俺のアイテムボックスの中へ消え、セネーに真の「静寂」が訪れた。かつて3万の王国騎士団が侵攻してきた平原は、今や一寸の乱れもない秩序によって統治されている 。
完遂された「力による平和」
絶対的な抑止力
俺はバレット部隊の魔法をさらに研ぎ澄ませた。もはや、鎧を貫通する程度の威力では満足しない 。
戦略級バレットの配備: 街の四方に配置されたバレット部隊は、数キロ先を動く標的さえも「一点集中」で消滅させる精度を手に入れた。
思考の統制: 「逆らえば消える」という事実は、もはや恐怖を超えてセネーの「自然の摂理」として定着した。
アイテムボックスによる完璧な管理
俺のアイテムボックスは、もはや単なる収納スキルではない。
資源の一元管理: 街のすべての食糧、資材、そして「不要と判断された人間」を収納し、俺の指先一つで世界が構成される仕組みを完成させた。
徹底した効率化: 2万の遺体から回収した装備品はすべて再構築され、セネーを支える強固なインフラへと姿を変えた。
平穏な独裁の風景
セネーの街に争いはない。罵声も聞こえない。かつて為政者たちが力でねじ伏せようとしたこの地は、今やそれ以上の圧倒的な力によって、皮肉にもこの大陸で最も「平穏」な場所となった 。
住民たちは俺の顔色を伺い、期待された役割を完璧にこなす。俺が「撃て」と言えば撃ち、「働け」と言えば働く。そこには不安そうな顔をした隊員も、無謀な突撃を命じる将軍も、もう存在しない 。
「……これでいい。これが、俺の望んだ形だ」
俺は玉座から、かつて血に染まった平原を見下ろす。地平線の先にある王都はまだ煙を上げているかもしれないが、セネーの境界線から内側だけは、今日も完璧に管理された静かな時間が流れている。




