王国騎士団
王都からしばらく離れた平原
王国騎士団は3万の軍勢で俺たちのいる拠点の街セネーを目指して侵攻していた。
俺たちはセネーの街が蹂躙される前に王国騎士団の侵攻を止めようとこの平原にやってきたのだった。
「完全に敵対モードだ。戦争に来てやがる。」
この国の為政者たちはいったい何を考えているのだろうか?
自国民に有無を言わさず剣を突きつけるやり方は力でねじ伏せて従わせるやり方はどう考えてもおかしい。他国の兵が攻め込んでいるのならいざ知らず、自国民に。それも王都からしばらく離れているとは言え馬で1日で走破できる距離だ。
人数も3万人って。こちらは1000人弱なのに。
「俺の言うとおりにしたら絶対勝てるから。」
不安そうにしている皆の士気を上げるため俺は言った。
「バレット部隊これまでこの魔法ばかり鍛えてきたが、間違っていない。皆のバレットは普通のバレットと違う。鎧越しでも貫通する威力だ」
「しかし全員が同じ属性ではないですよ。」不安そうにしている隊員のひとりが言った。
「確かに皆の属性はそれぞれ違う。火属性・水属性・風属性・土属性それぞれだ。だが威力に違いはない。剣を振り回すだけの時代遅れの騎士団の剣術なんて話にもならない。
距離は200mから300mが適正だ。500mでは届くし打撃程度の効果はあるが、貫通する威力は300mを切ってからだ。これまで散々鍛えてきただろう。俺を信じろ。1回で同時に20から30位のバレットを発射しろ。普段は同時発射100個で練習してきたのだから」
「隊長 来ます。」騎士団がしびれを切らして攻撃に走ったようだ。現在の距離はおよそ2000m。「俺が合図する。聞き逃すなよ。」
敵は1500 1000 800 600...とどんどん近づいてくる。
400を切った。「今だ撃てえ」
一斉にファイヤーバレット ウォーターバレット ウインドバレット ストーンバレットが発射されていく。先頭の騎士団の集団に命中命中した集団は馬事転倒している。
致命傷だ。「どんどん撃て。」転倒した集団が、走路の障害になって団子渋滞になっている。「今だ。敵は無抵抗な的でしかないぞ。」
この数秒のうちに敵の騎馬は5000くらい無力化した。
「どんどん撃て」
無力化した敵の死体はどんどんたまり邪魔でこちらへ到達しない。
この1分くらいで敵の兵力10000くらいが屍になった。
敵の指揮官が撤退を合図している。
馬鹿な奴らだ。
このバレット部隊は普通の魔法使いのバレットとは違う。詠唱が無くても連発連射ができるように錬成してきた。威力が段違いだ。消費MPも驚くほど少ない。各人が1時間くらい連射しても魔力切れを起こすものはいない。
バレット部隊の放つ魔法の弾丸は、絶え間なく騎士団を穿ち続けた。先陣を切っていた精鋭の騎馬隊は、いまや折り重なる人馬の山と化し、後続の進軍を物理的に遮断している 。
「ひるむな! 数はこちらが圧倒しているのだ、押し潰せ!」 騎士団側の指揮官の怒号が聞こえるが、彼らの常識では測れない射程と威力がその足を止めさせていた。
「隊長、敵の第二陣が盾を構えて前進してきます!」 隊員の一人が叫ぶ。王国騎士団は、魔法の掃射を耐え抜くために重厚な魔導盾を並べ、亀の甲羅のような陣形を組み始めた。
「無駄だと言ったはずだ。バレットを一点に集中させろ。貫通力に特化させた俺たちの魔法なら、あんな鉄板は紙切れ同然だ」 俺は冷静に指示を飛ばす。
「風属性は気流を作って弾道を安定させろ! 土と火は交互に撃ち込め! 熱と衝撃で盾を粉砕するんだ!」 「了解!」 再び放たれた数千のバレットが、金属同士が激突するような甲高い音を平原に響かせる。鎧越しでも貫通するその威力は、王国騎士団が誇る重装装甲すらも容易に食い破った 。
わずか1000人弱の部隊が、3万の軍勢を圧倒している。この光景に、当初不安げだった隊員たちの目には確固たる自信が宿り始めていた 。
「敵の統制が乱れているぞ! ここが正念場だ、一気に畳みかける!」 俺の声に応えるように、魔法の閃光がさらに激しさを増した。300mという死の圏内に踏み込んだ者は、一人として無傷ではいられない 。
王国騎士団の「剣を振り回すだけの時代遅れの剣術」は、この圧倒的な遠距離火力の前では、もはや戦術としての体をなしていなかった 。
王国騎士団の混乱:蹂躙される3万の軍勢
平原を埋め尽くす3万の軍勢。その中央で指揮を執る王国騎士団の将軍、バルドムスは、目の前の凄惨な光景が信じられなかった。
「報告しろ! 何が起きている! なぜ先陣が動かない!」
バルドムスの怒号に対し、伝令兵は青ざめた顔で馬を寄せる。「報告します! 先遣隊の5000騎、ことごとく沈黙! 敵の未知の魔導攻撃により、盾も鎧も貫通され、後続は転倒した馬の山に阻まれております!」
「馬鹿な……。敵は1000にも満たぬ敗残兵の集まりではないのか。魔法だと? あれほどの射程と連射性能、宮廷魔導師団でも不可能だぞ!」
騎士たちの間には、瞬く間に絶望が伝染していった。
元サラリーマンの田中勝は、三十歳の時に道端の石に躓いて転倒し、頭を強く打って死亡した 。しかし彼は二十二歳のマサルとして異世界に転生し、五年前のある日、突然その前世の記憶を思い出したのである 。この世界の両親は流行り病で既に亡く、彼は魔物や盗賊を狩りながら、ランクEの冒険者として拠点の街セネーで生活していた 。
セネーの街を包囲するように展開した三万の王国騎士団の威圧感は、市民たちの心を絶望で塗りつぶしていた。かつてはマサルの活躍で平和を謳歌していた街だったが、今やその繁栄こそが呪いとなっていた。強欲な地方領主と騎士団長が結託し、滞りなく納税を行っていた善良な街に対して「反乱の嫌疑」という捏造された罪を被せたのである。
普段から街に駐留していた騎士たちの横暴は、この軍勢の接近とともに激化していた。彼らは酒場で「貴様ら平民の蓄えなど、我らへの供物よ」と嘲笑い、若者たちが必死に練習していた魔法バレットを「石ころを飛ばす児戯だ。鉄の鎧を前にして何ができる」と踏みにじった。窓を閉め切り、震えながら騎士団の軍靴の音を聞く市民たちの間には、「本当にあのマサルと、素人の若者たちだけで街を守れるのか」という暗い不安が霧のように広がっていた。
マサルが結成した組織「閃光の礎」の兵士たちの間にも、重苦しい緊張が走っていた。彼らの多くは、昨日まで農具や商売道具を握っていた者たちだ。 「……百個だ。一度に百個、確実に展開しろ」 隊長の一人が、震える拳を握りしめながら部下たちに言い聞かせる。 「俺たちはあいつらに、毎日毎日『石ころ遊び』だと笑われてきた。だが、マサルさんは言ったはずだ。石ころ一つで人は死ぬ。その石を百個、音速で叩き込めば、あんな傲慢な鎧ごと肉塊に変えられるとな」 兵士の一人は、マサルに徹底的に叩き込まれた四属性バレットの理論を反芻していた。火・水・風・土――それぞれの属性を現代知識で再定義し、弾速を極限まで伸長させ、破壊力を拡大した「兵器」としての魔法。 「正直、怖いですよ。三万なんて、地平線が見えないくらいの数だ。でも、あの人の教えを信じるしかない。俺たちが石に躓いて死ぬか、あいつらを石で沈めるか……それだけだ」
王都から離れた平原にて、三万の騎士団は、まるで獲物を追い詰めた狼のような笑みを浮かべて前進していた 。対するマサルたちは、静寂の中で指先を突き出し、その時を待つ。かつて石に躓き命を落とした男が作り上げたのは、一人の号令で十万発の死神を放つ、冷徹な殲滅組織であった。
「納税も、忠誠も、あいつらには無意味だった。……なら、これがお前たちへの最後の『税』だ」
マサルの静かな、しかし重みのある声が平原に響く。 「全隊、百個同時展開。……放て」
暗雲垂れ込める空の下、十万の光が、王国騎士団の傲慢を貫くために解き放たれた。
盾の無力化: 王国が誇る重装騎士の鎧は、バレットの一撃で容易に撃ち抜かれた。
地獄の渋滞: 先頭の転倒が障害物となり、後続の2万5000人は身動きが取れず、無抵抗な「的」と化していた。
属性の嵐: 火、水、風、土。あらゆる属性の弾丸が雨あられと降り注ぎ、戦場は逃げ場のない処刑場へと変貌した。
「ひるむな! 距離を詰めれば我々の勝ちだ! 突撃しろ!」 一人の千人隊長が剣を振るい、強引に兵を前に出そうとする。しかし、彼が300mのラインを越えた瞬間、数十発のバレットがその全身を貫き、声もなく落馬した。
「あ、悪魔だ……。あんな魔法、見たことがない……」 最前線の兵士たちは、もはや剣を握る力さえ失い、背後から押し寄せる味方の圧力と、前方から飛来する死の礫の間で震えていた。かつて自国民を力でねじ伏せようとした傲慢な騎士団の威厳は、200mの距離を埋めることすらできず、完膚なきまでに粉砕されようとしていた。
騎士団の焦燥と「切り札」の投入
「将軍! これ以上の進軍は全滅を意味します! 一時撤退の合図を!」 側近の悲痛な叫びがバルドムスの耳に届くが、彼は血走った目で戦場を睨みつけていた。 3万の軍勢が、たった1000人弱の部隊に足止めされ、5000もの兵が無力化された事実は、王国の威信を根底から覆す失態である。
「……退くな! ここで退けば、我ら騎士団は末代までの恥晒しとなる。奴らを出せ。あいつらなら、あの忌々しい魔法を無効化できるはずだ」
バルドムスの合図とともに、混乱する兵士たちの間を縫って、白銀の甲冑に身を包んだ一団が姿を現した。それは王国騎士団の中でも選りすぐりの魔導抵抗力を持つ**「聖盾魔法騎士隊」**だった。
聖盾魔法騎士隊の突進
彼らは一斉に、淡い光を放つ巨大な盾を掲げた。 「全兵員、聖盾騎士の背後に続け! あの盾はあらゆる下級魔法を霧散させる!」
魔法騎士たちが展開した「対魔障壁」は、これまで騎士団を苦しめていた貫通バレットを弾き、あるいはその威力を減退させていく。 200mから300mという、バレット部隊が最も得意とする射程距離に、彼らは着実に歩みを進めてきた。
「隊長! 奴らの盾、今までのとは違います! バレットが弾かれる!」 焦りの色が広がるバレット部隊に対し、俺は静かに指示を出した。
「慌てるな。練習通りだ。バレットを単発で撃つのをやめろ。1箇所に、100個のバレットを『一点集中』で叩き込め。物理的な飽和攻撃に耐えられる盾など存在しない」
限界突破の「一点集中」:聖盾粉砕
聖盾魔法騎士隊が掲げる淡い光の障壁は、これまで騎士団を一方的に屠ってきたバレットを次々と弾き飛ばした。その光景に、敗走しかけていた王国兵たちの間に「勝機あり」という根拠のない高揚感が広がる。
「魔法が効かないぞ! 突き進め! 賊どもの首を跳ねろ!」
だが、俺は冷静に部隊へ命じた。 「いいか、全員。練習通り、一人のターゲットに対して100発のバレットを完全に同一点に叩き込め。どれだけ強固な盾でも、物理的なエネルギーの飽和には耐えられない」
飽和攻撃の衝撃
「一点集中……撃てえッ!」 俺の合図と共に、バレット部隊の攻撃が質を変えた。バラバラに放たれていた弾丸が、空中で一つの奔流となり、先頭の聖盾騎士が掲げる盾のまさに「中心」に吸い込まれていく。
障壁の崩壊: 下級魔法を霧散させるはずの対魔障壁が、あまりの衝撃にガラスのようにひび割れた。
物理的粉砕: 障壁を貫通した100発のバレットは、そのまま白銀の盾ごと騎士の身体を鎧越しに粉砕した。
連鎖する恐怖: 一人が沈むと、その背後に隠れていた兵士たちが次々と無防備な晒し者となり、再びバレットの餌食となった。
「ば、馬鹿な……! 我が騎士団が誇る聖盾が、ただの初級魔法に……!?」 バルドムス将軍の目の前で、切り札だった魔法騎士たちが次々と「肉の塊」へと変えられていく。
王国騎士団の総崩れ
300mを切った距離は、もはや騎士団にとっての希望ではなく、死の宣告となった。 「時代遅れの騎士道ごっこは終わりだ」 俺たちの放つバレットは、もはや鎧など存在しないかのように、騎士たちの身体を貫通し、その後方にいる兵士までをもなぎ倒していく。
この一撃で、騎士団の戦意は完全に潰えた。3万の軍勢は、規律ある軍隊から、ただ死から逃げ惑う群衆へと成り下がったのである。
騎士団の壊滅と将軍捕縛
「一点集中」による聖盾の粉砕は、王国騎士団に残っていたわずかな誇りと戦意を根こそぎ奪い去った。3万を誇った軍勢は、もはや統制の取れた軍隊ではなく、死の恐怖から逃げ惑う烏合の衆へと成り果てた。
「追撃を開始する! 逃げる者は深追いせず、指揮官のバルドムスを狙え!」
俺の指示に従い、バレット部隊は精密射撃に切り替えた。逃走する兵士たちの脚部や、馬の脚を正確に撃ち抜き、敵の足を止めていく。
敗走するバルドムス将軍
戦場の後方では、バルドムス将軍が自らの親衛隊を盾にして馬を走らせていた。 「引け! 全軍、王都へ向かって撤退せよ! 奴らは人間ではない、化け物の集団だ!」
しかし、馬で1日で走破できる距離にある王都への道は、すでに俺たちが放った土属性のバレットによって掘り返され、泥濘と化していた。
「逃がすかよ。……『スナイプ・バレット』、発動」
俺は自身の魔力を一点に凝縮し、超高速の風属性バレットを放った。弾丸はバルドムスの乗る馬の脚を正確に貫き、将軍は無様に地面へと転げ落ちた。
捕縛と決着
「がはっ……! な、なぜだ、なぜ貴様らのような数に……!」 泥にまみれ、震える手で剣を抜こうとするバルドムスの喉元に、俺はバレットを突きつける。
「人数が多ければ勝てるという時代は終わったんだよ、将軍。あんたたちが剣を振り回している間に、俺たちは鎧を紙切れに変える技術を磨いてきたんだ」
周囲では、1000人弱の俺たちの仲間が、数倍以上の生き残った騎士たちを包囲し、次々と武装解除させていた。 圧倒的な火力の差を見せつけられた兵士たちは、もはや抗う気概すら失い、膝をついて投降を始めていた。
「バレット部隊、敵将バルドムスを捕縛した! これよりセネーの街へ連行する!」
平原に勝利の叫びが響き渡る。自国民を力でねじ伏せようとした王国騎士団の野望は、俺たちが鍛え上げてきた「貫通するバレット」の前に完全に潰えたのだった。
セネーの凱旋と敗将の処刑
セネーの街の城門が見えてくると、そこには信じられない光景が広がっていた。自分たちを見捨て、蹂躙しようとした王国騎士団を、わずか1000人の部隊が追い散らしたという報せは、すでに街に届いていた。
「帰ってきたぞ! 俺たちの英雄だ!」 「騎士団を、あの3万の軍勢を本当に退けたんだ!」
街の人々は歓喜の声を上げ、花びらを撒き散らして俺たちを迎えた。しかし、その行列の中央、泥にまみれ、縄で縛られて引きずられるバルドムス将軍の姿が見えると、歓声は一転して地響きのような怒号へと変わった。
広場での断罪
街の中央広場。かつて王国の威光を示す場であったそこは、今や敗将の処刑場と化していた。俺は馬を降り、捕虜となったバルドムスを群衆の真ん中へと突き出した。
「皆、聞いてくれ。この男が、王都の命を受け、罪なき我々を力でねじ伏せようとした軍の指揮官だ」
バルドムスは屈辱に顔を歪め、膝をつきながらも虚勢を張って叫ぶ。 「貴様ら……! こんな真似をして、王家が黙っていると思うな! 反逆者として一族郎党、地獄を見ることになるぞ!」
その言葉が、民衆の堪忍袋の緒を切った。 「反逆だと? 最初に俺たちを裏切り、剣を向けたのはどっちだ!」 「俺の家を壊し、家族を脅かした報いを受けろ!」 投げつけられる石礫がバルドムスの額を割り、鮮血が滴り落ちる。
俺は静かに、だが全員に響く声で告げた。 「バルドムス。あんたは『力こそが正義だ』と言った。ならば、あんたよりも強い力が、あんたの命を奪うことも受け入れなければならない」
「ま、待て……! 私は王の命令に従っただけだ! 助けてくれ、金ならいくらでも――」
命乞いを始める将軍に、俺は無慈悲に指先を向けた。指先には、これまで騎士団の鎧を紙切れのように貫いてきた、極限まで圧縮された「バレット」が収束していく。
「あんたが時代遅れだと切り捨てたこの魔法が、あんたの最期だ」
処刑の執行
「放てっ!」
俺の合図と共に、周囲を囲んでいたバレット部隊の精鋭たちが一斉に魔法を放った。一点に集中された数千発の魔力弾が、バルドムスの叫び声を一瞬でかき消す。
轟音と共に土煙が舞い、それが晴れたとき、そこには王国の傲慢を体現していた将軍の姿は跡形もなく消え去っていた。




