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第32話:結婚

 リリアーナとアルフレッドは、結婚式を挙げることにした。盛大な式ではなく、ごく身内だけで行う、質素で温かい結婚式だった。参列者は、彼らの真実の探求を助けた、数少ない協力者たちだけだった。


 リリアーナは、図書館の庭で咲いた花で飾られた、白いシンプルなドレスを身につけた。彼女の栗色の髪には、小さな白い花が飾られ、淡い青の瞳は、幸せに輝いていた。

アルフレッドは、宰相としての華美な執務服ではなく、動きやすいシンプルな装束を身につけていた。だが、その姿は、かつてないほど穏やかで、満ち足りた表情をしていた。


 二人は、図書館の書庫を背景に、愛を誓い合った。


「リリアーナ。私は、君を愛し、守り、そして共に歩むことを誓います」


「アルフレッド様。私も、あなたを愛し、支え、そして共に生きることを誓います」


 そして、二人は互いの真名まなの一節を告げ、それが二人の魂を結びつけるための、合意の儀式だった。

互いの言葉が、図書館の古書の匂いが漂う空間に響き、淡い光が二人の周りを包み込んだ。それは、知と愛の力が、この場所を祝福しているかのような、神秘的な光景だった。

アルフレッドがリリアーナの手を握ると、その手のひらの温かさが、二人の誓いの重みを物語っていた。


 結婚式の後、二人は、図書館で穏やかな時間を過ごした。

読書をしたり、庭で花を育てたり、静かで満ち足りた時間が流れていた。


「まさか、私が結婚して、こんな穏やかな日々を送ることになるなんて、夢にも思いませんでした」


 リリアーナは、アルフレッドの隣で、そう呟いた。

アルフレッドは、彼女の手を握りしめ、静かに答えた。


「ああ。だが、これは、君がもたらしてくれた奇跡だ」


 彼らは、互いの存在を確かめ合いながら、静かな時間を過ごした。

それは、知の探求と同じくらい、奥深く、尽きることのない愛の物語だった。


 二人は、愛と知識に満ちた、幸せな日々を送り始めた。

そして、その幸せは、やがて、新たな運命を呼び込むことになる。

それは、彼らが再建する図書館に、新たな光をもたらす出来事だった。

彼らの愛と叡智えいちは、今、新たな世代へと、受け継がれようとしていた。

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