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第27話:宰相の辞任

 ライオネル侯爵の失脚後、王都は大きな変化の時を迎えていた。

 アルフレッドの無実が証明され、彼は再び英雄として称えられたが、彼の体はまだ回復していなかった。

 リリアーナは、彼のそばを離れることなく、献身的に看病を続けた。彼の意識が戻ることを、ただひたすらに祈っていた。


 数日後、アルフレッドは、静かに目を覚ました。

 彼の瞳は、かすかに光を宿していたが、まだ完全に意識が戻ったわけではないようだった。


「アルフレッド様……!」


 リリアーナは、彼の名を呼び、彼の手に触れた。

 アルフレッドは、彼女の温かい手に、安堵したように微笑んだ。


「リリアーナ……君が、真実を公表してくれたのか」


 彼の言葉に、リリアーナは涙を流しながら頷いた。


「はい。あなた様が、命を賭して守り抜いた真実を、皆に伝えました」


 アルフレッドは、リリアーナの言葉に、短く頷いた。

 彼は、ライオネル侯爵との戦いで、すべてを失った。だが、その代償として、彼は、真実を公にし、大切なものを守ることができた。


「ありがとう、リリアーナ。君がいてくれて、本当に良かった」


 彼の言葉は、彼女の心を温かく満たした。


 数週間後、アルフレッドの体は、奇跡的な回復を見せた。

 彼は、国王に謁見し、宰相の座を辞任する意向を伝えた。

 国王は彼の功績を称え、その申し出を承認した。

 その後、辞任は官報を通じて国民に正式に公布された。


「アルフレッド様……どうして……?」


 リリアーナは、彼の決断に、驚きを隠せない。

 彼は、この国を救った英雄だ。

 彼が宰相としてこの国を導いていけば、きっとこの国は、より良い方向に向かうはずだ。


 だが、アルフレッドは、静かに首を横に振った。


「私は、権力や名声のために生きてきたわけではない。この戦いで、大切なのは、肩書きや権力ではなく、君との関係、そして知を求める人々の心なのだと知った」


 彼は、権力という重い鎖から解放され、リリアーナと共に、穏やかな人生を歩むことを選んだのだ。

 それは、彼の人生にとって、最も価値ある決断だった。


 二人は、静かに、そしてゆっくりと、新たな人生の旅路を歩み始めた。

 彼らが向かう先は、かつて「呪われた場所」と呼ばれた、あの図書館だった。

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