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第24話:激突

 リリアーナの知識がアルフレッドの隠された力を引き出し、二人の共鳴詠唱デュエットによって生まれた新たな魔法は、ライオネル侯爵とその私兵たちを完全に圧倒した。


 ライオネル侯爵は、二人の力に恐怖を覚え、顔を蒼白にしていた。


「何だ、その力は……! これは、私の知る魔法ではない!」


 彼は、血相を変えて叫んだ。


 アルフレッドは、静かに、だが強い決意を秘めた瞳を向けた。


「これは、愛と知恵によって生まれた、新たな魔法だ。あなたのような、権力と欲望に溺れた者には、決して理解できない」


 アルフレッドは、リリアーナの手を握りしめ、一歩前に出た。


「ライオネル侯爵。あなたの悪事は、もう終わりだ」


 アルフレッドは、静かに呪文を唱え始めた。彼の声に呼応するように、周囲の空気が渦を巻き、風が吹き荒れる。それは、彼が王都からの脱出時に使った、風の魔法とは比べ物にならない、強大な力だった。


 ライオネル侯爵は、恐怖に震えながらも、最後の抵抗を試みた。彼は、懐から小さな短剣を取り出し、リリアーナに斬りかかろうとした。


「この娘を殺せば、貴様の力も失われるだろう!」


 だが、その短剣は、リリアーナに届くことはなかった。アルフレッドが、静かに手をかざしただけで、短剣は空中で砕け散った。


「無駄だ。私たちが共にいる限り、あなたに、この娘を傷つけることはできない」


 アルフレッドは、さらに呪文を唱え続けた。すると、彼の周囲に、光の球体が現れた。その光の球体は、ライオネル侯爵を包み込み、彼の権力を象徴する装飾品や、指輪などを、一つずつ灰に変えていった。


 ライオネル侯爵は、その光景を見て、絶望に打ちひしがれた。彼が築き上げてきた権力は、今、目の前で、音もなく崩れ去ろうとしていた。


「こんな……こんなことが、あってたまるか……!」


 彼は、最後の力を振り絞り、アルフレッドに突進しようとした。だが、その瞬間、アルフレッドが静かに手を突き出す。すると、ライオネル侯爵の体が、光に包まれ、宙に浮き上がった。


「……これが、世界の真実だ」


 アルフレッドは、静かに、だが強い声で言った。彼は、ライオネル侯爵の心を読み解き、彼が最も恐れているものを見つけ出した。それは、彼が築き上げてきた権力と名声が、すべて失われることだった。


 王都の片隅で、世界の真実をかけた最後の戦いが、静かに、だが確実に、終わりを迎えようとしていた。


 権力と、愛。

 欲望と、真実。


 二つの力が激突し、その勝敗は、明らかだった。

キャラクター紹介(第24話時点)


リリアーナ・ヴァリエール:貧乏貴族の令嬢。アルフレッドと共に、愛と知恵によって生まれた新たな魔法で、ライオネル侯爵に立ち向かう。


アルフレッド・レノックス:若き宰相。リリアーナとの絆によって解放された力で、ライオネル侯爵と激突する。彼の持つ新たな魔法は、人を傷つけるのではなく、真実を明らかにするための力だった。


ライオネル侯爵:宮廷の重鎮。アルフレッドとリリアーナの力に圧倒され、恐怖に震える。最後の抵抗を試みるが、すべて無駄に終わる。

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