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第19話:黒幕の罠

 アルフレッドが持つ隠れ家を突き止めたライオネル侯爵は、ただ力ずくで彼らを捕らえるのではなく、より巧妙な罠を仕掛けることを決意した。

 彼は、アルフレッドが最も大切にしているものを利用して、彼を追い詰めるつもりだった。


「報告しろ。宰相は、誰かと接触しているか?」


 ライオネル侯爵は、密偵にそう尋ねた。


「はい、侯爵様。何人かの人間が、あの隠れ家に出入りしている模様。元騎士団員や、下級官僚の姿も確認できました」


 密偵の報告に、ライオネル侯爵は不敵な笑みを浮かべた。


「ふむ、仲間を増やしているか。だが、その仲間こそが、奴の弱点となる」


 ライオネル侯爵は、アルフレッドを追い詰めるため、ある男に目をつけた。それは、リリアーナの父、ヴァリエール子爵だった。

 ヴァリエール子爵は、病に臥せり、貧しい生活を送っていた。

 ライオネル侯爵は、彼の財政難につけ込み、ある取引を持ちかけた。


「リリアーナ嬢の居場所を教えれば、ヴァリエール家の借金を帳消しにしよう」


 ヴァリエール子爵は、娘の身の安全を案じ、最初は拒絶した。

 だが、ライオネル侯爵は、彼の病室にまで押しかけ、巧みに脅しをかけた。

 さらに、長年ヴァリエール家に仕えてきた忠実な家臣たちを人質にとったのだ。


「娘の命と、ヴァリエール家の存続。どちらを選ぶか、よく考えたまえ」


 ヴァリエール子爵は、深い葛藤に苦しんだ。


(リリアーナ、許してくれ……この父を……)


 彼は、娘の命と家臣たちの命を天秤にかけ、ライオネル侯爵の申し出を受け入れるしかなかった。

 その際、彼は、娘がかつて古書と共に隠した、古い家宝箱を必死に守るような仕草をしていた。

 そして、ライオネル侯爵は、リリアーナの命を人質にとり、アルフレッドの行動を制限しようと計画する。


 一方、アルフレッドの隠れ家では、リリアーナが今後の計画を練っていた。

 彼らは、ライオネル侯爵が不正に買い漁った古書のリストを入手し、それがどこに隠されているのかを突き止めようとしていた。


「この取引記録によると、侯爵は王都郊外の別荘に、多くの書物を運び入れているようです」


 リリアーナは、そう告げた。

 アルフレッドは、短く頷いた。


「ならば、そこが彼の隠し書庫だ。私たちが直接乗り込めば、決定的な証拠を掴める」


 二人は、翌日、その別荘に向かうことを決めた。

 だが、それは、ライオネル侯爵が仕掛けた巧妙な罠だった。

 彼は、すでに別荘に私兵を配置し、アルフレッドとリリアーナを待ち伏せさせていたのだ。


「これで、全てが終わる。宰相も、あの娘も、この王都から消え去るのだ」


 ライオネル侯爵は、満足げに笑った。

 彼の罠は、アルフレッドの復讐心と、リリアーナの真実を求める心を利用したものだった。

 そして、その罠に気づかず、二人は、静かに、だが確実に、彼らの仕掛けた死地へと向かっていった。

キャラクター紹介(第19話時点)


リリアーナ・ヴァリエール:

貧乏貴族の令嬢。ライオネル侯爵が不正に買い漁った古書の隠し場所を突き止める。それが罠であるとは知らず、アルフレッドと共に別荘に向かおうとする。


アルフレッド・レノックス:

若き宰相。ライオネル侯爵の隠し書庫を突き止め、証拠を掴むため、リリアーナと共に別荘へ向かうことを決意する。


ライオネル侯爵:

宮廷の重鎮。アルフレッドとリリアーナを追い詰めるため、リリアーナの父を人質にとり、巧妙な罠を仕掛ける。

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