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第17話:王都の混乱

 リリアーナとアルフレッドが王都から姿を消したことで、宮廷は混乱に陥った。

 宰相という国の枢要な人物が、何の連絡もなく姿を消したのだ。

 ライオネル侯爵は、この機に乗じて、アルフレッドを「反逆者」として指名手配することを企てた。


「宰相は、リリアーナ・ヴァリエールという、忌まわしい『呪われた図書館』の管理人と組んで、王都から逃亡した模様」


 ライオネル侯爵は、宮廷の重臣たちを集め、そう告げた。

 彼の言葉に、重臣たちは動揺した。

 アルフレッドは、若くして天才と呼ばれ、この国の政務を一人で切り盛りしてきた人物だ。

 その彼が、なぜ、こんな奇行に走ったのか。


「奴は、失われた魔法の力を利用しようと企んでいたのだ。あの図書館には、忌まわしい魔術の書物が隠されている。宰相は、その書物の力で、王位を簒奪しようとしていたのだ!」


 ライオネル侯爵は、巧みな言葉で、アルフレッドの行動を歪曲していった。

 一部の重臣は、彼の言葉を信じた。元々、アルフレッドの有能さを妬んでいた者たちにとって、彼を失脚させる絶好の機会だったからだ。


「すぐに、アルフレッド・レノックスを捕らえよ。捕縛した者には、多額の報奨金を与える」


 ライオネル侯爵は、王の印章を偽造し、過去の公文書の書式を模倣して、アルフレッドの指名手配を強行した。

 アルフレッドは、一部の者からは反逆とみなされ、宮廷全体を巻き込む争いへと発展していく。


 一方、アルフレッドの隠れ家では、リリアーナが今後の計画について考えていた。


「ライオネル侯爵は、きっと私たちを反逆者として指名手配するでしょう」


 アルフレッドは、静かに頷いた。


「その通りだ。だが、それが狙いでもある」


「狙い、ですか?」


「そうだ。この混乱を利用し、彼が動くことで生まれる“行動の痕跡”を炙り出す。彼が動けば動くほど、証拠の網が広がっていく。その痕跡こそが、彼の陰謀を証明する決定的な証拠となる」


 アルフレッドは、リリアーナの解読した『パリンプセストの書』の情報を、頭の中で整理していた。

 彼らは、このまま逃げ続けるわけではない。

 ライオネル侯爵の権力に正面から立ち向かい、彼を失脚させるための準備を進めるのだ。


 だが、ライオネル侯爵も、ただ手をこまねいているわけではなかった。

 彼は、アルフレッドが持つ隠された力を知らなかったが、彼の天才的な頭脳と、リリアーナの知識が組み合わされば、何が起こるか分からなかった。


「奴らの潜伏先を突き止めろ。一人ではなく、二人でいるはずだ」


 ライオネル侯爵は、私兵と、裏社会の人間をさらに動員し、二人の行方を追わせた。

 王都は、ライオネル侯爵の巧妙な策略と、アルフレッドの反撃によって、静かな混乱に陥っていた。

 それは、世界の真実をかけた、見えない戦いの始まりだった。

キャラクター紹介(第17話時点)


リリアーナ・ヴァリエール:

貧乏貴族の令嬢。アルフレッドと共に王都から脱出し、彼の隠れ家で今後の計画を練る。ライオネル侯爵の反撃を予測し、その上でどう動くべきかを考える。


アルフレッド・レノックス:

若き宰相。ライオネル侯爵が自身を反逆者として扱うことを予測し、その混乱を逆に利用することを決意する。彼の反撃が始まり、宮廷全体を巻き込む争いへと発展していく。


ライオネル侯爵:

宮廷の重鎮。アルフレッドとリリアーナを反逆者として指名手配し、彼らを捕らえようとする。彼らの持つ真実が明るみに出ることを恐れ、手段を選ばない。

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