第1章-08
「お前……なんか自分の喋りに酔ってないか?ゲームマスター気取りというかなんというか……もっと普通に喋ってくれたほうが会話しやすいんだが」
【な……っ!】
もしかしたら、俺は何か言うべきじゃない事を言ってしまったかもしれない。
昔からそうだ。
俺は……いつも、どこかズレてしまう。
それでここまでの人生でも多くの人を激怒させたりしてしまったわけだが……はたして脳内の少年もそれこそたぶん顔を赤くして何かを言いかける気配が伝わった。
――が――
ボイスの言葉よりも先に恐ろしい破壊音が夜空に響き渡るのが先だった。
「おわっ!こ、今度はなんだっ!?」
【――アレだよ。説明する手間が省けたね。ハンターさ】
不意に時計台の針があった部分の壁が吹き飛ぶ。
建物が中から破裂するように――黒く大きな穴が空き……そこから何かがぬっと顔を出すのが見えた。
「……アレ……か……」
隣にいた少女がぐっと唇を噛み、鋭い視線を送る。
少し身をかがめて、ぎゅっと木刀を握りしめ……つまり臨戦態勢に入ったようだった。
【通称ハンター。君達を追い、殺すために存在している者。それがアレだよ。もし今戦うなら先に言っておくけど――】
――は?