第1章-07
「――っ!?ぐふっ!な……?」
「1回見捨てようとしたじゃん!!クズ野郎!!」
「……知って……?」
【――説明の続きだ、オトウノリヨシ。モニタリング中の人間の視覚と聴覚は全てのモニターとその担当者達に共有されている。つまり……今、君が見ているものも、僕との会話も、全て他のモニターに筒抜けって事。目の前のその人にもね】
淡々とボイスはそんなとんでも内容を説明してきた。
――な、なんだそれ……どんな科学技術があればそんな事――
いや……この銃も、あの蜘蛛人間も……すでに”現実”の範疇は超えているか……。
「なんの目的があってこんな事……俺は……どうしたら家に帰してもらえるんだ……?」
「??……なんだい、君は?これがなんなのかも知らずに参加してるの?」
少女が怪訝な顔で首をかしげる。
肩まで伸びた黒髪がサラッと揺れた。大きい瞳に白い肌。
その仕草1つとっても、一発でバズりそうなくらい可愛かった。なんで、こんな子が……いや、それよりも……なんだ?
この子は事情が分かってるってのか?
【それはさっきも言った。君達はハンター以外で最後の一人になるか……もしくはハンターを倒せばクリアとなる】
「ハンター?敵って事なら変なお化け人間は今全部倒しただろ?」
【ふふん……アレはハンターとは違う。あんなものが最終目標のわけないだろ。もっともっととんでもなく恐ろしい存在が――】
「……あのさ。最初からちょっと思ってたんだけど」
【え?】