第1章-02
【最後の1名になるか……もしくはハンターを倒した者には報酬が与えられる。それでこのモニタリングは終了】
……もしかして……と、俺はぼんやり思った。もしかして俺は凄くリアルな夢を見てるんだろうか。
その設定はまるで――
いや、そうだ……確か俺はアパートの部屋でそのゲームをしていたんじゃなかったっけ?
それで……気がついたら、その時の服装のままこんな場所にいる。
夢だとしたら……
【ちなみにこれは夢じゃない。いや、正確に言うと10分の1くらいの正解でしかないって事なのかな】
「……なんだそれ……」
【物事はつねにその一面しか見る事ができないって話だよ。主観を持つ者の限界さ】
……まるで一時期流行ったデスゲームものの漫画のような状況。
唐突で滑稽で……展開が雑なほど早い。
「ま、待った。もし夢じゃないとしたら……なんでいきなり俺なんだよ?
俺……俺は……運動神経も良く無いし……」
――今までの人生で、上手くいった事なんて1つもなかった気がする。
コミュ障で、人付き合いが下手で、馬鹿にされてばかりいて……
それで……俺は、人と付き合うのを諦めて……ゲームの、世界にいようと……思っていたのに。
【は。なぜかなんて……きっと考えても分からない。
人生なんてそんな事の連続だろ】