第1章-11
「え……ゲーム……?」
【まぁ……そういう事かもね】
まるで他人事そのものの口調でボイスが応えた。
いや……こいつには本当に他人事なのかもしれない。
【でも……なんでいきなりそんな判断ができるんだよ。変だぞ】
「この状況でお前に変だとか言われたくないんだけど……くそ!聞きたい事・・・・・腐るほどあるけど……マジで100それどころじゃねえ!」
さっき少女が蜘蛛人間に追われていた庭園エリア。おそらくここも時計台の階層の1つなんだろうが……ここから下に行く階段が見当たらない。
あのハンターが本気出して走ってきたらすぐに追いつかれて……たぶん、殺される。
「ねぇ!よく分かんないんだけど!とにかく、今は逃げないとマズいって事!
?」
「あぁ、そうだよ。行き止まりで逃げ場がないんだけどな!」
走りながら少女に言い返す。そして――ついに、庭園の端……白い装飾された柵の場所まで来てしまった。
身を乗り出して下を見る……。
案の定……絶望的なほど地面が遙か彼方……というか地面すら見えない。暗い闇があるだけだ。
何階建てなんだよ……どう見繕っても20階以上はある。飛び降りて助かる高さじゃないのは確実だ。
「……んー……分かったぁ。じゃあ、しょーがないなぁ。君も一応少年だし、ここは従っとくかぁー。じゃあ、逃げよ」
「……はぁ?いや、だから……それが無理だから困って――」
「又三郎――っ!!」




