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幻想奇譚

蒼月と猫夜

作者: 秋暁秋季

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳ございません。

とある日の夜の事です。私は一つ、不思議な体験をしました。今日はそれを書き残して置こうと思います。

日はとっぷり暮れ落ちて、宵闇色の帳がそっと辺りを包むのを、華やぐ気持ちのまま街を歩きました。昼間の住宅街も優しい仮面をそっと下ろし、寂しい夜の素顔を見せてくれます。ふふ。優しい夜。何だか不思議な事が起こりそう。そう思って月を見上げると、丸こい月が神秘的な蒼い光を放っています。

「こんにちは、お嬢さん」

低く落ち着いたテノールがそっと耳をなぞりました。成熟した声の持ち主です。私は少しばかり驚いて、ふっとその方向に顔を向けました。そこに居たのは――。

「……猫さん?」

体長約30センチ。柔らかそうな鈍色の毛並みが生粋の猫である事を表しています。しかしダークスーツに身を包み、高級そうな杖を着く姿は紛うことなき紳士なのです。

ゆっくりと猫さんに近づきます。お声を掛けたのはあちら側。ならばきっと逃げられる事は無いでしょう。私は彼の前まで来ると、膝を折って様子を確認しました。

間近で見れば見るほど素敵なお姿をしています。生地は上質だし、両目は賢そうな紺色をしています。

「わぁ……とっても素敵。素敵な夜に素敵な猫さん。今日はとっても良い夢が見れそうです」

誰かに話した訳ではありませんが、最近の私は夢見があまり良くありません。誰も居ない真っ暗な森をしんしんと歩く夢。最近決まって同じ夢です。でも今日は貴方と出会った夢を見そうです。

にこにこと彼に笑顔を見せていると、毛むくじゃらの手をすっと伸ばして来ました。手には何かビー玉のような深海の宝石。

「出会った記念にこれをあげよう。良い夢、見れると良いね」

猫さんに表情があるのかは分かりません。けれどもその賢そうな双眸は、笑っているように思えました。私は前屈みに頭を下げると、頂いた宝石をぎゅっと握り締めました。

「えぇ、えぇ。きっと良い夢を」


その時からです。幻想的で、神秘的な夢を見るようになったのは。


際どいものばっかり書いていると、戻れなくなる!!

そして読者様も飽きる!!

と言うわけで、普通に戻りました。


元ネタは昔読んだ児童書から。

素敵で幻想的で優しいお話なんですけど、もう何処にも売っていない……。悲しい……。


余談ですが、猫さんのCVは私の中で、きちんと想像ついてます。


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