表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大聖女エルサーシアの娘たち~あっちゃこっちゃで大騒ぎ!  作者: おじむ
第二章 路地裏の少女
85/97

*第85話 先ず馬を射よ!

エルサーシアには二つの顔が在る。

ひとつは言わずと知れた大聖女。

もうひとつは、カイエント辺境伯夫人。


殆どの場合は大聖女として扱えば何の問題も無い。

教皇や皇帝と同列の待遇で良い。


国に招待するのなら国賓こくひんとして招く。

個人として面会するのなら出向いて行く。

簡単な話だ。


ところがだ。


オバルト王家だけは、そう単純では無い。

カイエント辺境伯カルアン・レイサンは臣下の立場にある。

その妻であるエルサーシアもまたしかり。


本来であれば呼びつけて参内さんだいさせれば良いが、

それを拒否できる格式を持っている。

そうなれば王家のメンツは丸潰れである。


かと言って、王族が臣下の所へ

ヘコヘコと出向く事も出来ない。


実に厄介だ!


***


王宮セムルフスル城

迎賓館 シャロット宮殿


本日は王后おうごうビリジアンヌ主催による

お茶会と、同時にそれぞれが持ち寄った

自慢の茶器の展示会が開催されている。


王家からは宝物殿の中から選りすぐりの

ロイペのアンティークが出展された。


「あぁ!なんて素敵なシルエット・・・

更にそれを生かした絵付け・・・

完璧です!」

挿絵(By みてみん)


「気に入りまして?ルルナ様」

「えぇ!勿論ですよ!」

「そちらは6代目ヒューダリン・ジングロの手による物ですのよ。」


「これが、あのマイスター・ジングロの!

初めて見ました!」


「どうぞお手に取って御覧あそばせ。」

「おぉ~なんとバランスの良い!

あぁ~この角度からの眺めもまた格別!」


この勝負、ビリジアンヌの勝ちである!


エルサーシアを王宮に呼び出すには

どうしたら良いだろうか?


学生の頃からルルナのロイペ好きは知れ渡っていた。

常に特注で作らせるのみならず、

アンティークにも目が無い。

それを利用する事を思いついたのだ。

ルルナを味方に付ければエルサーシアを動かす事が出来る筈だ!


そしてそれは大正解だった!


お茶会に名を借りた自慢大会に

ルルナは、まんまと乗せられた。


「よろしければルルナ様がお持ち下さいな、

お茶器も喜びましょう。」


「え!良いのですか?国宝でしょう?」

宝物殿の所蔵品なのだから、そう言う事だ。


「この出会いは運命ですわ。

両想いの恋を引き裂くなんて出来ませんわ。」


「りょ、両想い・・・運命・・・」

ルルナ撃沈~~~


「実はルルナ様にお願いしたき事が・・・」

「何ですか?何でも言って下さいね!」


ルルナ陥落~~~


***


お茶会が終わり、いよいよエルサーシアと話し合いの段となった。

緊張で手が震える・・・


事前にルルナには相談している。

協力は惜しまないと心強い返事を貰った。

後はエルサーシアに話しを通すだけだ。


「平凡の友の事で話しがあるそうね?」


あぁ・・・この目だ・・・

まるで物を見る様な目・・・

寒い・・・

心が冷える・・・


「あ、あの、はい、その・・・」


言葉が出て来ない・・・

思わずルルナを見やる。


うん、と頷いてルルナが後を引き取る。


「サーシア、この件は私に預けて下さい。」

「あらそう?じゃぁお願いね。」


え?

終わり?


「私はもう少しビリジアンヌと話しが

ありますから、先に帰っていて下さい。」


「えぇ、分かったわ。

お先に失礼するわねビリジアンヌ、

今日はとても楽しかったわ。」


「こ、こちらこそ!」


見送りは不要と手で制して、エルサーシアは帰って行った。


なんとまぁ~あっさりと話が着いたものだ。

それだけルルナ様を信頼しているのだろう。

とビリジアンヌは思った。


違うよぉ~

面倒くさいだけだよぉ~ん。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ