*第75話 大統領でおます
「デカシーランドへようこそ!
高名なコブシ歌劇団にお越しいただき、
国中の市民が喜んでおりますぞ!」
よ~肥えたやっちゃなぁ~
ええもん食うてんねんやろなぁ~
こいつが大統領かいな。
シミン?シミンて何や?
”国中”て言うとったから臣民の事け?
けったいな物言いしよるな。
それにしても無礼なやっちゃな!
高位貴族を前にして立ったまま挨拶しよった!
女や思て舐めてんのんか!
「こちらこそ、お招き頂きまして
光栄ですわ、大統領閣下。」
おぉ~っとぉ!
サラーラ様が手の甲を出しはった!
さぁ!
跪いて接吻せんかいっ!
対応次第ではブチ殺すどワレぇ~!
「おぉ、これは失礼しましたな。
麗しき姫君に親愛の証を。」
始めからそないしとけや!おっさん!
「君がサナだね?
スカーレットに良く似ている。」
ウチに話かけんなやコラッ!
護衛中やっちゅうねん!
何考えとんねん!
それに呼び捨てしたやろ!
男爵家の令嬢様やど!
パチモンやけど!
「シモーヌ男爵とはお知り合いでしたわね。
サナ、ご挨拶なさいな。」
「ども」
いやぁ~
今のはナイスでっせ!サラーラ様~!
バッチリ嫌味が効いてますわ~
「彼女は元気にしているかね?
もう随分と長く会っていないよ。」
効いてまへ~~~ん
鈍なんか?こいつは?
まぁ、見た目は6歳の子供やさかいな、
貴族社会を知らんもんからしたら、
舐められてもしゃ~ないわな。
「閣下、この者は男爵家の令嬢で、
私の侍女で御座います。
礼を尽くして頂きとう存じますわ。」
怖い~~~
サラーラ様の目ぇ怖い~~~
「おぉ!そうでしたな。
我が国は身分の差などない、
皆が平等の理想国家でしてな。」
アカ~~~ン!
こいつサラーラ様にケンカ売りよったで!
無知って怖いわぁ~
サーシア様より気ぃ短いねんぞ!
危険物取扱要注意やねんぞ!
どないなっても知らんぞ!
あぁ~ヤバい~
目ぇ吊り上がって来たぁ~
「『おすわ----
「わぁ~!わぁ~!ウチお腹空きましたぁ~!
なんか食べたいわぁ~!
もう我慢できひんわぁ~~~!」
「まぁ!はしたないですわよ、サナ。」
「はっはっはっは、育ち盛りですからな。
あちらでお茶菓子など如何ですかな?」
「そうですわね。では皆で頂きましょう。」
危な~~~
間一髪やったで~
おっさんの体育座りなんぞ見とうないで。
可愛い男の娘のパンチラとかやったら
ご褒美やけどな!
まぁムッチリ無知のおっさんやけど
一応、国家元首やさかいな。
今回は許しといたるわ。
***
満員御礼ですわ!
まぁ当然やけど。
相変わらずの強烈な流し目やわぁ~
何人か死んどるな、あれ。
バタバタ倒れとったわ。
相手役のエイミーはんと接吻するシーン
なんか、失禁もんやったで。
どう見てもホンマにやってまっせ!
確実に舌入れてますわ。
今回の演目、”オレズ座の怪人”は
サラーラ様の脚本・演出でおます。
ラブシーン満載ですがな!
ほいで最後に二人で精霊歌の熱唱ですわ。
パァ~~~ン♪
パァ~~~ン♪
パパァ~ン♪
パンパン♪
パンパラ~~~ン♪
パンパラァ~~~ン♪
『気分~♪気分~♪
気分~♪気分~♪
気分~♪気分~♪気分~♪
パオ~~~ン♪
気分♪気分♪気分♪
パオ~~~ン♪
め~んどくさいわ~♪
パオンパオ~~~ン♪
寝~て~居~た~い~♪
パオンパオ~~~ン♪
やる気な~い♪気分~♪
飽きた~♪気分~♪
つまらな~い♪気分~♪
気分~♪気分~♪
あ~したで良~いなら♪
あ~したする~♪
だ~らだらす~るんだもん♪』
パララァ~~~ン♪
ジャン♪
最高でんな!




