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大聖女エルサーシアの娘たち~あっちゃこっちゃで大騒ぎ!  作者: おじむ
第五章 すんばれるのぉ~
41/97

*第41話 八犬士

ウルトラ遊撃隊は神出鬼没のゲリラ部隊だ。

先行調査隊の八犬士が標的を定め、

エルサーシアがゲートを開き、

転移と共に攻撃し速やかに撤収する。


ここはカーラン王国の山間にある農村。

どこもかしこも麻黄まおうの畑だ。

一見のどかな風景だが正体は覚醒剤の原料畑だ。


坂道を下った所に大きな施設が建っている。

テロポンの精製工場だ。


ここを見つけたのは八犬士の一柱コブンゴ。

彼らは十二支精霊の十一番目、

いぬのヤツフサの眷属である。

八犬士達は潜入調査のエキスパートだ。


こうのシノ

のソウスケ

ちゅうのドウセツ

しんのゲンパチ

ていのコブンゴ

じんのシンベェ

のケノ

れいのダイカク


ウルトラ遊撃隊の活動を支える影の立役者達だ。


「ご苦労様ねコブンゴ、良い子ね。」

リコアリーゼが頭を撫でてあげる。

ワフッ!(うん!)クゥ~ン(ボクがんばったよ~)

挿絵(By みてみん)


「じゃぁ私達は畑を焼き払って来るわね。」

「工場は二人に任せたよ。」

そう言ってリコアリーゼ達は空へと舞い上がる。


すでに三か所の製造拠点を破壊しているが、

シオンとリョーマンは見学していた。

初めての攻撃魔法の実践じっせんだ!


緊張するぅ~~~


「ほら、練習の通りにやってみなさい。」

ルルナ教官と特訓した成果を見せる時だ。

「こ、こうだべが?」


人差し指をピンッと伸ばし親指を立て、残りの指はグッと握る。

指鉄砲の形である。


「そうそう!両手で構えて!さぁ!撃ちなさいっ!」


『私の思いを受け止めて!ズキュ~ン』

『俺のマグナムが火を吹くぜ!ドキュ~ン』


ドッゴォ~~~ン(バリバリバリ~)!!!


魔法弾には反動も発射音も無いが、

大気を切り裂く破裂音と、直後に着弾の衝撃音が響き渡る。


徹甲弾てっこうだん

貫通力を重視した弾丸である。


「どんどん撃ちなさい!」

ズキュ~ン(バリバリ~!)ドキュ~ン(ドゴォ~ン!)

 ズキュ~ン(ドゴ~ン!)ドキュ~ン(ドゴォ~ン!)

 ズキュ~ン(イヤァ~ン!)ドキュ~ン(アッハァ~ン!)


一目惚ひとめぼれ大発生の様になっているが、

工場は穴だらけで、壁も柱もボロボロだ。

屋根の重みを支えきれずに、ガラガラと崩れ落ちる。


「こっちも終わったわよ。」

麻黄畑に焼夷弾しょういだんの雨を降らせて、

リコアリーゼ達が戻って来た。


辺り一面が火の海と化している。

強烈な火災旋風が巻き起こる。


「さぁ!次へ行くわよ!」

これで四か所目の破壊が完了した。

残りは三か所だ。

造作ぞうさも無い。


*******


「カ!カヒは何所だ!」

カーラン王セトルは狼狽うろたえていた。


半日だ!

半日でテロポンの製造拠点の全てが壊滅してしまった。


ついでと言わんばかりに鉱山の一つが爆撃されて崩れた。

地中貫通爆弾バンカーバスターの餌食にされたのだ。

とんでもない破壊力だ。


あからさまな警告だった。

もうパニックだ!


これ程なのか!

これが聖女の力か!


分かってはいたものの、これまでは対岸の火事であった。

先の大戦にも参加はしていない。

高みの見物を決め込んでいたのだ。


いざ我が身に降りかかってみると、

天変地異にさらされた心持である。


「ど、何所にも居りませぬ!」

「あ奴め!逃げおったか!」


朝方に大聖女から招待状が届いていた。

お茶会へのお誘いだ。

一国の王を呼びつけるなど無礼極まりない!

とその時は腹を立てたが、今ではすぐにでも飛んで行きたい気分だ。


<カヒ・ゲライス閣下も是非ご一緒に>


要するにカヒを差し出して詫びろと言う事だ。

しかし、肝心のカヒが居ない。

屋敷はもぬけの殻だった。


如何いかが致しまするか?」

「い、行くしかあるまい・・・」


面白半分で話に乗った事を後悔した。

どうすれば穏便に済ませられるだろうか?

聞いた話では大聖女は宝飾品には、まったく興味が無いそうだ。


「あくまで噂で御座いますが。」

「心当たりが有るなら申せ!」

「パンツを収集するのが趣味だと。」

「すぐに手配を致せ!特注で作らせよ!」


セトルの判断は大正解である。



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