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大聖女エルサーシアの娘たち~あっちゃこっちゃで大騒ぎ!  作者: おじむ
第四章 堪忍すてけろ
38/97

*第38話 後を継ぐ者たち

「ルイスール閣下の差し金ですわね。」


オバルト王国元老院議員ルイスール・ターラム大公。

改革派の中心人物として大きな発言力を持つ。


「そうなんだ、私は新参者だから断り辛くてね。」

フリーデルも新設の大公家当主として元老院の一員である。


彼らは賭け事をする為に集まったのでは無い。

あれはついでの余興だ。

本題は元老院がフリーデルに下した密命である。


「御免なさいねサーシア。」

申し訳なさそうにタチアーナが詫びる。

挿絵(By みてみん)


「気にしないでチャーミィ。私もそろそろ頃合ころあいだと思っていたの。」


各国に出回って被害が拡大しつつあるテロポン。

その出所がカーラン王国である事が確定した。

だがそこからが問題だ。


相手がマフィアや麻薬カルテルならば、

合法的にカーラン王国に協力を求めて壊滅作戦を実行すれば良い。

しかし今回は王国自体が主犯なのだ。


表立って動けば国際問題になる。

ややもすれば戦争になってしまうだろう。

それは避けたい。

しかし放っては置けない。


「で、私になんとかして欲しいのね。」

聖女、特に大聖女エルサーシアは治外法権の権化だ。

誰も文句が言えない。

制御不能の自然災害として扱われる。


「直接に頼むのが怖いからデルに押し付けたのよ!」

チャーミィが子供みたいに膨れっ面をする。

「頼りにされていると思えば良いじゃないか。」

大人だなぁ~フリーデルは。

あの馬鹿王子が立派に成長したなぁ~


「私は面倒臭い事は嫌いよ。」

そう、エルサーシアが動くと言う事は、単純に破壊すると言う事だ。


「もちろん分かっているよ。存分に暴れて構わないそうだよ。」

それを期待されているのだよ。


「そうでは無いの。そろそろ後進に道を譲ろうと思うの。」

おやまぁ!引退宣言か?


「アリーゼに?」

「えぇ、あの子なら大丈夫よ。」


リコアリーゼは七歳で初陣を飾った。

帝国軍の戦艦を撃沈しまくった。

実績は申し分ない。


「シモーヌ、アリーゼとシオンを呼んで来て頂戴な。」

「シオンも呼びますのん?」

「えぇ、お願いね。」


「シオンは普通の女の子よ?」

「いいえチャーミィ。あの子はもうレイサン家の人間よ。」


聖女一家と関りのある人物。

世間はそういう目で彼女を見る。

利用しようと近づく者は多いだろう。


自分の身を守れる力を持たなければ、荒波の中で溺れてしまう。

レイサン家の一員として、ひ弱なままで居る事は許されない。


「師匠~!呼んで来ましたでぇ~」


リコアリーゼ、シオン、そしてシモーヌの息子リョーマンも居る。


「あら、リョーマンは呼んでいないわよ?」

「それなんですけどね師匠。ウチもそろそろ引退しよか思てますねん。」

「あら!そうなの?」


「へぇ、実はそのぉ~二人目が~」

「まぁ!おめでたですの?」

「恥ずかしながらぁ~えへへへ。」


リョーマンは御庭衆頭マイクの息子として物心の付いた頃から訓練を受けている。

精霊との親和性も高く、精霊言語も堪能たんのうだ。

まだ9歳ではあるが戦闘力は充分だ。


「大丈夫かしら?リョーマン。」

「ええ仕事しまっせ!師匠!」

調子の良さはシモーヌ譲りだ。


「久し振りのカチコミですわね!お母様!」

「えぇ、そうよ!」

リコアリーゼの目が、らんらんと輝いている。

お祭り好きはエルサーシア譲りだ。


「あんのぉ~何の話すだべが?」

何も知らない無垢な少女に今、試練の嵐が訪れる。


「新・ウルトラ遊撃隊の出陣よ!」


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