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大聖女エルサーシアの娘たち~あっちゃこっちゃで大騒ぎ!  作者: おじむ
第二章 修行するだぁ~!
19/97

*第19話 家庭教師のツライ

各国に在る精霊院での授業は、週のうちに3日間となっている。

ちなみに1週間は10日である。


初級の特殊魔法を学び、一般精霊師の資格を所得する。

上流階級では必須ひっすの資格だ。


しかし総本山精霊院では前半で3日間、

1日の休みを挟んで後半に4日間の授業が有る。

一般精霊師の規格が改定された為だ。


1種と2種に分類され、

1種はこれまで通りに初級特殊魔法だけを学ぶ。

2種では更に中級の特殊魔法が追加された。


総本山では2種の所得を目的とする。


大陸中央の孤立地域に在る為、敷地内に学生寮が在るが、

利用するのは下級貴族と商家の子息女達だ。


王族や高位貴族の者は隣接する開発区に、

各国が領事館を設置しており、そこから通う。


授業内容が高度になると、生徒の苦労も増す。

放課後も予習復習にいそしむ。

開発区にはその為の塾も開業しており、

大いに繁盛している。


王族や高位貴族は家庭教師を雇うが、

優秀な講師の取り合いとなっている。


3年後には鉄道路線が延長される予定だ。

それを見越して資本投下が盛んになっている。

大きな街になるだろう。


************


「『アフリカ象が好き!』」

「あ、あふぃ~りゅいくゎずおぅぎゃしゅうきゅい~」


「舌を巻かないっ!はい、もう一度!

『アフリカ象が好き!』」


「あ、あ、あふ~りくゎ~じょぅ~ぐゎ~」


シオンはルルナから精霊言語の特訓を受けていた。

要するに日本語教室である。

聖女あるいは特級精霊からネイティブな日本語を教わる。

これこそが”聖女の秘術”なのだ。

挿絵(By みてみん)


この世界の人にとって日本語の発音は極めて難しい。

ベタ~っとした平坦な発音が出来ないのだ。


人型精霊と契約し聖人と成る為には、

デーブ・スペクトルくらいには流暢りゅうちょう

日本語を話せなくてはならない。


親父ギャグが使いこなせれば一人前だ。


教材はエルサーシア特製の教科書で、

英雄四天王もそれで日本語を習得した。


「調子は如何いかがかしら?」

リコアリーゼが様子を伺いに来た。


「えんやぁ、むんずがすだぁ。」

「ふふっ、そのうち慣れるわ。

『タリラリランの』?」


「『コニャニャチワ~』」

「まぁ!上手よ!」

「えへへへへへ」


なんだこれ・・・


ルルナはこの教科書が不満だった。

内容が下らないのだ。

ギャグマンガのセリフだったり、下ネタの連発だったり、

とにかく品が無い。


ところが不思議な事に、この教科書が実に有効的なのだ。

以前にルルナが作った教科書に変えたら、ガクッと効率が落ちてしまった。


何故だっ!!


「こんなの納得できません!」

「ふんっ!結果が全てよっ!」


ルルナの本体である観念世界に分析を依頼したが、

結果は”解析不能”であった。


そんな事があるのか?

英知の極みである筈の存在でも解らないとは・・・


しかし事実である。

受け入れるしかない。

不本意ではあるが使わざるを得ない。


この品性下劣ひんせいげれつな教科書を・・・


「はい、次のページを開いて!

『パイオツ・カイデー、ビーチク・ロークー』」

「ぴゅあいおとぅ・くぁいでぃ~

びゅ~てぃくぅ・るぉうきゅぅ~」


「『パ!イ!オ!ツ!』」

「ぴゅあ!ぴゅあ!」

「『パ!』」

「ぷぁ!」


あぁ・・・ツライ・・・





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