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55 裏切りの対価

 一晩かけて、出来るだけ多くの騎士を生き返らせた。こんなに一度に力を使った事が無かったフィスティアは夜が明ける前に大穴の前で倒れてしまう。既に非の打ち所がない力を使ったフィスティアは騎士達に聖女として受け入れられ、夜が明けるまで暗い森の中で騎士達によって護られていた。


「……行かなければ…」


 息を吹き返すように目を覚ましたフィスティアはノロノロと身を起こす…


「どこに行かれるのです?貴方様は聖女殿ですね?昨夜からの我らの無礼をお許しください。」


 しっかり座ることもできないフィスティアの前に騎士達は膝をついて畏まる。


「私はその様な立場にはありません。どうかここから早く立ち去って…見つかりでもしたら捕まってしまうでしょう?」


「聖女たる貴方様を護らずして何がガーナードの騎士といえましょう。こんな酷いところに何故貴方様の様な力ある方が居られたのかわかりませぬが、我等には貴方様を護るその義務があるのです!ソルダム伯に…いいえ!ソルダム一族に何としても一矢報いる為に、我らと共にお越しください!」


 ガーナード国は聖女の国。騎士は彼女達を護ることを誇りともしている。だからフィスティアを護ろうとすることは至って当たり前のことだった。


「それは、分かっているのです。しかし、騎士達の義務も決意も今は捨て去ってはくれませんか?王が……どうなったのか、分からないのです……また、貴方達の様な騎士が葬られようときっとここへ落とされて来るでしょう?私はその方達を助けたいのです…いえ、助けなければ…!王を、陛下を…ルワン様をお助けするために、ソルダム伯を止める為にも貴方達の力が必要なのですもの。」


 騎士達の止める声も聞かず、フィスティアは地下処理場へと戻って行く…


「ここを離れてください…ヒルシュでしたら貴方方を受け入れてくれるでしょう。どうか助けを求めて、この国をソルダム伯から取り戻してください…!私には、まだやらねばならない事があります……」


 ルワン様……ルワン様…どうか、どうかご無事で…!ここに来た騎士達は私が生き返らせますから、どうか彼らがお側に行くまで、どうか…………


 一歩一歩もう無駄だと思っていた祈りを込めて、フィスティアは地下処理場に戻って行く。ソルダム伯爵が首謀者ならばそれに追随してハドリー侯爵家も付き従うのだろう。いえ、侯爵家が伯爵家に?もしかしたらハドリー侯爵家の方が首謀者かも知れなかった。どちらでも良い……ただ国内の反乱ならばこのニ家が結託していたとしても勝ち目はないはず…ならば協力者はまだ他にもいる。



 どこに…?誰が、こんな事を………!!!

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