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54 揺れるガーナード 4

 反乱を企てた首謀者がわかって来た。


 フィスティアが数名の近衛を含む騎士を生き返らせた所、城外の見張り交代時間の隙をついて反乱軍は城内に侵攻した事が分かった。そのまま真っ直ぐに王族居室に向かって王族の身柄を確保したと言う。直近の近衛も同時に捕らわれたため王ルワンの行方と生死については未だにここに居る騎士達でさえも掴めていないと言う。城内への侵攻と制圧に時間は掛からなかった。彼らは城の構造は勿論の事、近衞騎士達の配置、人数、巡回路まで事細かに把握していたようだ。侵攻の知らせを城内の騎士が上官に報告する時には既に王族の身柄は確保された後だった…


「では……ここに居る何方も、陛下の安否を把握していないと?」


 フィスティアは夕闇に紛れてここで三人の騎士を生き返らせた。その誰もが王の最後を目にした者はいない……


「我らも口惜しい……!!」


「一太刀も…!奴らに返せなかったとは…!」


「申し訳ありません……陛下……!」


 騎士の口々に悔恨の言葉が溢れて来る。


「まだ……まだです…!陛下のお姿を何方も見てはいないのでしょう?ならば、まだ後悔するのは早いはず!生きておられるのならばお助けする事もできますでしょう?まだ、他にも騎士の方がいるのです!まだ!!」


 ともすれば、心も身体も崩れ果ててしまいそうな絶望感の中、必死に森へと向かってフィスティアは走る。この奥には今日作られて大勢が埋められた大穴があるはず…

まだ新しい身体ならば、フィスティアも生き返らせる事ができる!見回りがどうとか、見つかったらどうとか、もうフィスティアの頭の中には無かった…細く弱々しくなってしまった足を必死に動かして穴を目指す。


 先程の騎士もいきなり走り出したフィスティアの後を追うように森の穴まで着いてきた…


「何をなさるのです?」


「騎士を掘り返すのです!身体が新しければ私ならば生き返らせる事が出来ますから!」


 正気の沙汰ではないフィスティアの行動。本来だったら墓荒らしとして捉えられても良いものだ。しかし、フィスティアには最早迷いは無かった。そして、側まで来た騎士達も人を生き返らせる事ができる聖女の力を目の当たりにしている為に手伝いこそすれ、止める者は誰もいなかった。


「ソルダム伯爵…………」


 何人目かの騎士に力を使った後、ポツリとそう答えた者があった。ハンガ国へ嫁いだハウアラ嬢の祖父…


「ソルダム伯爵?伯爵がどうしたと言うのだ…!」


 周りで事を見守っていた騎士が気色ばむ…


「あれは、確かにソルダム伯爵領の者にございました。」


「……間違えはありません…!私もソルダム領出身なのです!故郷の紋章を間違えるはずがありません!」


 土の中から掘り出された騎士は、ブルブルと震えながら土を握りしめて吐き出す様に断言した。

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