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53 揺れるガーナード 3

 セルンシトの騎士の言う通りだった…反乱は起こり城は制圧された…誰が首謀者なのか王ルワンはどうなったのか、未だに下の下の下に位置する身分のフィスティア達にまで届いてはこなかった。


「ここで、お待ちになって下さい……」


 なんとか、何体かの近衛騎士の死体を草むらに隠す…隙あらば、誰が見ていようと構わない…そんな気持ちで隠してきた。もしや、他の荷運び人が見ていたかもしれなかったが、皆んなそんな事に構ってはいられない心境だったのだろう。誰もフィスティアがする事を咎める者などいなかった。


 何人、助けられそう?何人隠したかしら?何時もの倍は働いて休みもなく、食事もしていない頭では記憶にも混乱をきたす…そんな極限の状態でもフィスティアは死体を草むらに隠し夜半に森へと舞い戻ってきた。今まで通り森の奥に行かなければ見回りの兵にも合うことはなかった。


「…ここは……?」


「何があったのです?」


 やっと息を吹き返し、辺りを見回している近衛騎士にフィスティアは食いつく様に質問を投げかける。


「貴方が助けてくださったのか?」


 貴方、と呼ばれる様な姿をしていなかったフィスティアだが、騎士はしっかりとした教育を受けた賜物かフィスティアに対しても丁寧な態度を取ってくれる。


「城内で何があったのですか?」


 騎士の問いには答えず、フィスティアは今起こっている事の情報把握に努めたかった。


「城内…?…!?…そうだ!陛下!!!」


 記憶がはっきりしたのだろうか、騎士はガバッと跳ね起きると周りを素早く見渡して今度はフィスティアを問い詰める。


「陛下をどうした?どうなったのだ!」


 筋骨隆々の騎士に掴み掛かられて振り回される様になすがままのフィスティアだったが、騎士に負けじとフィスティアも叫ぶ。


「それは私も知りたいのです!城で何があったのです?どうして近衞騎士が倒されたのですか!?」


「……そうだ…私は突然に切られて………」


「突然…?」


「今夜は夜半の警護であったはず……国王の私室周辺を担当していて……」


「陛下!ルワン様の!?」


 騎士が言うには夜半の担当は二名一組になって見回る決まりになっていて今夜は王族居住区域の巡回警邏をしていたそうだ。それなのに、なんの前触れもなくいきなり斬りかかられ、斬られた事を認識し反撃しようとした所で二撃目に倒れた…


「陛下はどうなったか!?何か聞いていないか?」


「反乱が…起こったとしか………」


 フィスティアの目の前が真っ暗になる…王族居住区域…王族のプライベートな生活の場所だ。王は勿論の事健在であられる#王太后__ははうえ__#様までいらっしゃるのに……そこに反乱軍が?


「反乱!?反乱と言われたか!?」


 気色ばむ騎士に詰め寄られ、フィスティアはなんと言えば良いのか…


「そう聞いております…」


 そのように答えるので精一杯だった。

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