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25 盗賊の奇襲

 ジョスリー・ソルダムに見送られガーナード国王軍一団はソルダム伯爵邸を後に出発した。すんなりと事は済まないだろうと皆周囲への警戒を怠らずに帰途へ着いたのだが…案の定と言うべきか、事が起こったのはソルダム伯爵領堺まであと一歩というところでだ。


「陛下!後方、左右より近付いて来る所属不明の騎馬一団を確認いたしました!」


「まさか…!国王軍の軍旗を掲げている大隊に向かって……?」


 無謀とも思える行動に騎士ラートも惚けた者の様に口をあんぐりと開けてしまう。


 まさかとは思っていたが騎士団大隊に果敢にも向かって来る一団はどれだけ命知らずなのか…


「国旗も領旗もありません!格好からしてみるとならず者風情の集まりかと!」


 件の盗賊一団だろうが、いかに盗賊と言えども狙う獲物が明らかにおかしい…商隊ならばいざ知らず、こちらは国王軍である。


「陛下を死守しろ!賊の規模を正確に把握するのだ!」


 王ルワンの周りを固める近衞騎士にも緊張が走り出す。国王軍は大隊だ。万が一にでも負ける要素はないのだが、この先何某かの罠がないとも言い切れない。王城付近、すぐに増援を呼べる所まで、国王を護りつつ安全に送り届けるまでは、安堵などできようはずはなかった。


「小隊から、多くて中隊程度のもの達です!が、広く展開している様で実際の数が掴めません!」


 それだけの数の賊が一体何処に待ち受けていたというのか?クトルド国の兵も巡回や警邏を強化していたのではないのか?あらぬ疑いが確かなものになって、王ルワンの胸に迫る…


「ラート!完全に囲まれる前に退路を確保せよ!前方を塞がれた時点でこちらから打って出る!」

 

 甲冑を身につけた騎士隊よりも賊の方が機動力は高い…そしておかしい事に、よく訓練された兵士の如くの統率力で彼らは国王軍の前方に集結し出し退路を狭め始めた。


「ふん。あれしきの数で何をするつもりだ?」


 進行を妨げられたところで戦力が衰える事はない。数にしてみれば国王軍が勝っている。


 ヒュッ……!


 鋭い風音が空を切って賊軍の前方から迫り、急遽戦いの火蓋が切られた……!前方を疾走する賊の一団から矢が飛び交う。狙いは軍の中心にいると思しき王ルワンだ。


「陛下!!」


 いち早く矢に気が付いた騎士が矢を叩き落とす。


「狙いは、陛下だ!!陛下を守れ!!」


 退路を確保する騎士に、王の守りを固める騎士、大隊から離れすぎない様にして、左右からの威嚇や攻撃に対抗する騎士達と、徐々にではあるが、国王軍の隊列も乱されつつあった。

 

「クトルド兵だ!!後方からクトルド兵!!」


 そんな折に隊後方より伝令が疾走してきた。


「クトルド!?援軍か!?」


 そもそもクトルド国軍は盗賊討伐の為の協力軍。こちらの援軍と考えたいところだ。ほぼ賊軍はガーナード国王軍の前方に集結、そして後方にクトルド国軍。


「チィッ!!!」


 滅多な事で悪態などつかない騎士ラートが忌々しげに舌打ちをする。


「何としても、陛下を守れ!!援軍要請は出してある!機を見て狼煙を上げよ!!」


 甲冑を脱ぎ捨てた伝令役が数名狼煙を上げる為に大隊から外れていく。途中幾つかの休憩地にも伝令と見張は配置してきている。これだけの大所帯での移動に乱戦、ガーナード国王軍側の者が気が付かないわけはない。


「陛下!今しばし、ご辛抱を!」


「かまわん!被害を最小限に国軍待機所まで行くぞ!!」


 その時、更なる矢が降りかかった…!

 

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