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111 再会

「お喜びくださいませ!奥様!」


 当初より、エリットはフィスティアを奥様、と呼んでいる。身分の事は詳しく話してはいないし、エリット自身も聞いてはいない様でフィスティアの身分はバレてはいない。だか、ここに連れてきたであろう人物はそうでは無いらしかった。フィスティアの事を既婚と知り、その地位も知っているのだろう。


「主人が帰って参ります!」


 エリットは胸に手紙を抱き締めながら、嬉しそうに話し出す。


「まぁ、では、この館のご主人ですか?」


「はい!やっと一仕事落ち着かれたとか…私も久しぶりに会うのでございます!」


「いつお帰りになるのでしょう?是非ともご挨拶をしなければ…」


 泥まみれの汚れの塊の様なフィスティアをここに受け入れてくれた奇特な方…多分、助けてくれた本人だろう。


「直ぐに戻るとありましたから、数日中には来られるかと。お客様もご一緒との事でしたわ。」


「お客様…?」


「楽しみになさっていてくださいとの事でしたから、どなたかお知り合いの方かもしれませんわね?」


「エリット、でも私はこの国に知り合いはいないと思うのです。今更ですが、ここは、何処です?」


「まぁ!私ったら…そう言えば、何も説明しておりませんでしたわね?あの…主人が詳しくお話になると言う事でしたの。私の方からは、ここはハンガ国であると言うことだけお伝えしておきますわ。」


 嬉しそうにニコニコと笑顔が絶えないエリットが微笑ましい。



「ハンガ……?でも、なぜ、ここに?私はガーナード王城にいたのでは無いの?」



 その答えは今のフィスティアにはわからない。突然にあの騎士に抱え上げられ運ばれて来た。遠くの方で争う様な喧騒を聞いた様な気もするし、城内で何やら騒ぎが起こっていたのかも知れなかった…



 ガーナードは?国を出たであろうルワン様はどうなったのだろう?帰って来られるエリットの主人は、少なからず、私よりもガーナードの事を知っているに違いない…



 焦っても仕方ない事と自分自身に言い聞かせながら、フィスティアはエリットにされるがままの世話をされ数日を過ごす事になった。




「まあ、お帰りになったみたいですわ!」


 午後のお茶を中庭で堪能している時に、側に控えていたエリットの顔が太陽の光の様に明るくなった。中庭の入り口の方から数人の男性がこちらに入ってくる。



 あの方達の何方かがこちらのご主人なのね…



 フィスティアはエリットが羨ましかった…当然の様に待ち望む人を心のままに目一杯迎え入れられるエリットが……















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