《核撃》、からのアンオブタニウム。
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ミスリルゴーレムとの戦いは、久々にミアスにとっての成長の機会だった。
《炎槍》から《一閃》への連続攻撃で多少の傷は与えたものの、ミスリルゴーレムの中心、心臓とも言える魔核に届くまではまだまだ力が足りていない。
「魔力が吸われるんなら、吸われても尚十分な威力が残るような魔法を作ればいい」
槍でも、砲弾でもない。もっと大出力で高火力の魔法をイメージしていく。
ミアスの体の中にある膨大な魔力が、すべて支配下におかれて一気にミアスの手元へと集まっていく。
もはや目に見えるほどの濃厚な魔力が手元に圧縮されていくものの、さすがに魔力の操作が難しいのか、ミアスは汗を流しながら魔法の構築を続ける。
《『魔力支配Lv4』に上昇しました。》
スキルのレベルが上がったことで多少は魔力の制御が楽になったものの、ほぼ全魔力を込めた魔法を放つにはまだ足りていない。
(やべぇ。ちょっと魔力込めすぎたか?! いや……俺なら行ける!)
自分の成長力を信じるミアスは、魔力を更に込める。
超高密度に圧縮された魔力は、炎へと少しづつ姿を変え、凄まじい熱量を辺りに放つ。
意志のないミスリルゴーレムも、その驚異を感じたのか固まって動かない。
《『魔力支配Lv5』、『炎王属性魔法Lv4』に上昇しました。》
「いける」
スキルレベルがもう一度あがった瞬間、滝のようにかいていた汗は止まり、苦しそうな表情には余裕のある笑みが戻る。
手元には、ミアスの全魔力が込められた炎があった。
「《核撃》」
小さく呟くと同時に、魔法はゆっくりとミスリルゴーレムに向かっていく。
あまりの魔力の圧力と、煌々と白く輝く炎に、時間が止まったかのような静けさが訪れ、そして、ミスリルゴーレムに炎の核が触れる。
その瞬間、あたりは閃光と爆音に包まれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「な、なんだぁ?!」
魔境から離れ、コボルトとエルフを村へ送っていたブーデンは、魔境から爆音と巨大な魔力反応を感じて振り返る。
岩山のようになっていた魔境は内側からの爆発で崩れ去り、見るも無惨な姿になっていた。
「ミアスはしゃいでる。かわいい」
「いやいや! そんなレベルじゃないよ?! 死んでないミアス君!」
「大丈夫。生きてる」
アイラはミアスとの魂の繋がりがある上、ミアスによって産み出された存在であるため、離れていてもミアスの状況が何となくわかっていた。
コボルトやエルフ達はまだ配下になりたてのため、魂の繋がりからミアスの状況を判断するのは難しく、魔境の爆発に混乱していたものの、アイラとブーデンの指示で何とか村へと歩みを戻す。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ーーん、んぐ? ちょっとやりすぎたな」
洞窟の中にいたはずなのに、ミアスには何故か空が見えてしまっていた。
《核撃》による一撃は、爆発とともにミスリルゴーレムはおろか魔境の壁をあっという間に砕き割り、何層もの天井を破った。
ミアスは《熱変動耐性》スキルがあった上、自分が放った魔法ということもあり軽く気を失うだけで済んでいた。
「んー、確実にやりすぎたな。鉱石も溶けたのが多いし……ミスリルゴーレムもきっと溶けたーーいや、残ってる?」
鉱脈を掘りに来たのに、あろうことか鉱脈を崩してしまったことを若干後悔しながら、魔力感知で鉱石を探すと、ミスリルゴーレムらしき反応があった。
「よっこらせっと」
体を起こして、ミスリルゴーレムの方へ向かうと、そこには赤色に染まった鉱石の塊があった。
「あれ? 確かにミスリルに魔力は近いんだけど……ミスリルは青色だったよな?」
魔核は先程の一撃で無くなっているため、ゴーレムとしては死んでいる。
「鑑定……アンオブタニウム? なんだそりゃ」
ミスリルとは似ても似つかない名前の鉱物に変化してしまっていた。
しかし、悩んでいてもミアスにはその正体はわからない。《核撃》の威力ならブーデンやアイラ、ラルフリート達も不安にしていると考えたミアスは、なけなしの魔力で空間属性魔法を使い、アンオブタニウムをしまい込む。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ただいまー」
「ミアス! おかえり」
ミアスが村に帰ると、アイラが飛びついて出迎えてくれる。
「ミアス、大丈夫? 服ボロボロ」
「ちょっとやりすぎた」
「やりすぎたってレベルじゃないよ……」
ミアスとアイラの会話に、少し遅れてラルフリートが参加してくる。
ラルフリートもミアスを心配しているものの、魔境を破壊するレベルを、ちょっとやりすぎたと表現することに引いていた。
「ラルフ。無事村について良かったよ」
「お陰様でね。オークがいてパニックになっちゃった子もいたけど……、慣れるには時間がかかるね」
「そうだよな。ゆっくり慣れてけばいいさ」
「うん、よろしく頼むよ。村には仕事もありそうだし……ジャゴラ君もいい人そうだし。あ、そう言えばミアス君が帰ってきたら用があるって言ってたよ。迫力のある声で」
「ジャゴラが? ……あ、俺村出る時ジャゴラに声掛けてないな、しかもコボルト達勝手に連れて帰ってきちゃったし」
ジャゴラに呼ばれる理由に検討がついたミアスは、怒られる前に逃げてしまおうとダタラ達の住んでいる区画へと視線を向ける。
だが、ミアスは動けない。筋肉質で大きな手に方を押えられているからだ。
「……ミアス様? どこへ行くのですかな?」
「よ、よおジャゴラ。コボルトとエルフ見たか? 新しい仲間だ」
「ええ、歓迎しますよもちろん。ですが……ミアス様、言いたいことはわかりますね?」
「……わからん!」
「ミアス様! どこへ行くのですかー!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ふう、逃げきれたか?」
怒るジャゴラからなんとか逃げ切ったミアスは、ダタラ達の所へと来ていた。
「ダイデン! いるか?」
「おお! 帰ったか、それでどうだ? 金属は取れたか?」
「そりゃあもう沢山よ。ほらな!」
ミアスは空間魔法にしまった金属を、広場に大量放出する。
突然出てきた大量の金属にダタラ達は驚くものの、流石は職人。すぐさまその金属の鑑定を行う。
「上質な鉱石ばかりだ……」
「これだけあれば暫くは問題ないぞ!」
「おい、魔鉄の量がすごい! これなら魔法具の生産までこぎ着けるかもしらん!」
「すげぇ量だなまったく……、だが、助かった」
「いやいや、村のためでもあるしな。あと……ダイデンにはこいつを見て欲しくてさ」
そう言うと、ミアスは空間属性魔法からアンオブタニウムを取りだした。
その功績を見た瞬間、ダイデンの表情が大きく変わる。
「お、お前さん! こいつをどこで手に入れた! どこだー!」
「お、おい落ち着けダイデン! 体を揺さぶるなぁぁぁ」
お読みいただきありがとうございます!
ミアスの成長回は久々ですね。
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