ダーナへの進化、からの模擬戦。
今回は長めです!
ポイントが少し伸び悩んでます、面白いと思った方、今後の展開が気になるなと思った方、ぜひ評価やブクマ、感想を残していただけると嬉しいです!
《種族がダーナに進化しました。》
《『吸収Lv3』、『同化Lv3』、『治癒Lv3』、『解析Lv3』、『構築Lv3』、『魔力支配Lv3』に上昇しました。》
《『反応Lv5』が、『超反応Lv1』に進化しました。》
《『身体強化Lv5』が、『身体超強化Lv1』に進化しました。》
《『剣術Lv5』が、『ダーナ剣術Lv1』に進化しました。》
《『槍術Lv5』が『ダーナ槍術Lv1』に進化しました。》
《エクストラスキル『四種の神器Lvー』を獲得しました。》
種族:ダーナ
ランク:3
名前:ミアス
レベル:0
パッシブスキル
『吸収Lv3』
『同化Lv3』
『超反応Lv1』
『高速思考Lv2』
『身体操作Lv5』
『治癒Lv3』
『熱変動耐性Lv5』
アクティブスキル
『解析Lv3』
『構築Lv3』
『魔力支配Lv3』
『身体超強化Lv1』
『炎王属性魔法Lv3』
『格闘術Lv5』
『斧術Lv3』
『ダーナ剣術Lv1』
『ダーナ槍術Lv1』
『統率Lv1』
エクストラスキル
『成長速度上昇Lv1』
ユニークスキル
『無限進化Lvー』
『不老Lvー』
『無下限禍難Lvー』
『神々の呪いLvー』
『神々の祝福Lvー』
『邪神Lv-』
『混沌Lvー』
進化し、種族が変わったことで大きくスキルが変化し、様々なスキルレベルの上昇、進化を伝えるアナウンスが流れる。
「なんなんだ一体?!勝手に進化したぞ?」
だが、この進化はミアスの意思によるものでは無い。一時的に魂の一部が暴れだし、思考がわずかでも乗っ取られた隙に進化の意志が示され、実行されてしまった。
ミアスも、アナウンスから堕ちた神の魂とやらが暴れ始めたのは分かっていたものの、何故そうなったのかは全く分かっていない。
「訳が分からん……けど、堕ちた神の魂を再構築、吸収出来たとか言ってたよな?じゃあ大丈夫なのか……?」
自分の魂の中にそんなものが入っていたとは知らないミアスは、今更ながらに自分の魂がどんなものなのか不安に感じ始める。
だが、その謎を解決する前に、ミアスの元へと村人達が集まってくる。
「ミアス様!進化なさったんですね!」
「おめでとうございます!今夜は宴だなぁ!」
「なんて言う種族なんですか?!ヒューマンに近づきましたね!」
「うおー!俺にも見せてくれ!ミアス様ー!」
ミアスとの魂の繋がりを持った配下、村人達はミアスの進化をいち早く感じ取り、自宅の屋根にいるミアスに声をかけていく。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺もよくわかんないんだよ!あ、ジャゴラ!」
今すぐにでも宴を開こうとする村人達の中に、村長であるジャゴラの姿を見つける。
「会議室にみんな集めてくれ!ブーデン、アイラ、ファルももう戻る!わかったなー!」
ブーデン、アイラ、ファルがそれぞれの仕事を終え、村に近づいているのは魔力感知でしっかり感じ取っていたミアスは、急な進化が起きたことを教えるため、有力者全員を会議室に集めるのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「……てなわけで、なんか進化した。種族はダーナでランクは3だ」
事の顛末を話すと、アイラは納得したような表情をするものの、ブーデンやジャゴラは納得が行かない表情のまま、ミアスを見ている。
「いやいや、待てよミアス。魂の中身が暴れだして思考を乗っとるなんて普通じゃねぇ。そもそも魂を感じ取ってる時点でおかしい」
ブーデンは堕ちた神についても気になるものの、ミアスが自身の魂の事を感じ取っていることに一番驚いていた。
「そうなのか?」
「当たりめぇだろ。エクストラスキルとかユニークスキルとかを獲得した時に、なんとなく感じるみたいな話は聞いたことあるが、ミアスほど詳しく魂を感じ取れるなんて聞いた事ねぇ」
「そうだったのか……けど、ファルやアイラを生み出した時も魂を同化したり構築したり、色々やったし出来たぞ?」
「はぁ?!あいつらそんな感じで生まれてきたのかよ!ぶっ飛んでんな……通りで聞いたことの無い種族のはずだぜ」
「私もミアス様の種族的な特性で生み出してるのかと思ってましたぞ……まさか魂を操作して生みだしていたとは、驚きですな」
アイラとファルの出生を聞き、ブーデン、ジャゴラはさらに驚き声を上げる。
「アイラ殿やファル殿の出生も気になるが……儂はその堕ちた神とやらが気になる。神というのは創造神だけではないのか?」
だが、ダタラの里長であるダイデンは、ミアスの魂の中で暴れた、堕ちた神というのが気になったらしい。
「創造神?」
「ミアス様は知らないのですかな?」
「全く知らない」
ミアスが創造神を知らないことがわかると、ジャゴラは驚きつつも簡単に説明を始める。
創造神。その名の通り、この世界を創った神であり、この世界で唯一無二の神とされている。
神は、元はひとつの生命であったが、無限の進化を繰り返し、世界を創るほどの力を手に入れた。
そうして神は世界を創った。そして、自信と同じように、神に至るほどの力を持つ生命を生み出すため、この世にスキルや進化のシステムを与えてくれた。
「……これが簡潔な神話です」
「かなりシンプルだな。他に物語とかないのか?」
昔、ファルから聞いたこの世界の成り立ちと近いとミアスは感じる。
「んー、あることにはあるのですが、創作物の類に近いのですよ。なので平民はそういったシンプルな話だけが伝わっているのです」
「なるほど、ブーデンの方も同じ神話なのか?」
ジャゴラが語ってくれた内容と、ブーデンの神話は違うかもしれない。そう考えたミアスはブーデンにも神話を尋ねる。
「ほとんど一緒だな。こっちにはオークの生まれた話とかもあった気がするが……俺はよく知らねぇ。だけど、創造神はもういないっていう話は伝わってるぜ」
「いない?」
「なんでいねぇのかは知らないが、とにかくこの世界を残してどっかいった、みたいな話を伝える奴がオークには多い」
種族による伝承には多少の違いがあるらしい。だが、創造神がこの世界での唯一の神というのは間違いないらしいとミアスは考える。
「もしかして、堕ちた神っていうのは……いや、ないな。そんな存在が俺の魂に混ざってるなんてあるわけないよな」
一瞬、堕ちた神というのはいなくなった創造神なのでは無いかと考えるものの、そんなわけが無いと直ぐに考えを辞める。幸いにも小声だったため、誰にも聞こえてはないようだった。
「……情報が少なすぎてわからないな。自分の事は自分が一番わかるだろうし、色々調べてみるよ。思考が乗っ取られる事はもうないだろうから心配しないでくれ」
「わかったぜ、それよりミアス……進化したってことは強くなったんだろ?やろうぜ」
話が一段落したことで、ブーデンが席を立ちミアスを誘う。
味方になってからも、何度か模擬戦を行っているのだが、あくまで戦闘狂の気が抜けてないブーデンにとって、進化したミアスというのは興味が尽きない。
普段なら、面倒くさがってあまら乗り気では無いものの、進化したてで自分の強さがいまいちわからず、さらに新しいエクストラスキルの使い心地も不明なため、ミアスもその提案にのった。
「わかった。じゃあ訓練所でやるか。ジャゴラは宴の準備を進めてくれ」
「わかりました!」
メインである森喰竜は、ブーデンとアイラが取ってきたし、食料もファルを中心に確保することが出来たため、予定通りの宴を行うことが決まる。
宴は夜のため、それまでミアス、ブーデン、アイラの面々は訓練所に向かうのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
訓練所にたどり着くと、何人かの村人やオークが模擬戦用の武器を使って訓練を行っていた。
どうやら、森喰竜との戦いでアイラとブーデンを見て影響を受けたらしい。
彼らはミアスが訓練所に入ってきたことがわかり、訓練の手を止め、挨拶をする。
「あー、気にしないでくれ。俺たちは奥借りるからさ。訓練頑張れよー」
「「「はい!」」」
ミアスが気にするなと言ったことで、村人達は再び訓練に戻っていく。
ミアス達は、村人が使っているスペースの奥、他の訓練所よりも広く作られたスペースを使って模擬戦を行おうとする。
「それで?進化してエクストラスキルが出たんだろう?見せろよミアス」
「待てって。俺もどんなスキルなのか全然わかんないんだよ」
戦いたくてうずうずしているのか、ブーデンは槍を持ちミアスとの戦いを始めようとする。
だが、ミアスはエクストラスキル『四種の神器』がどのようなスキルなのか図りかねていた。
「四種の神器って名前だし……なんか出せるのか?とりあえず意識してみるか」
『四種の神器』スキルを使おうと意識すると、ミアスの頭の中にぼんやりと4つの道具が思い浮かぶ。
「剣に……槍に……これは、大釜?あとひとつは石?なんか後半二つは神器っぽくないな」
なんとなくの情報しか出てこないため、ミアスは剣を強く意識して思い浮かべる。そうすると、スキルの情報が頭の中に思い浮かんでくる。
「ヌアザの剣……特別な効果とかあるのか?……ふむふむ、なるほど。これは面白いな」
剣の効果も情報として浮かんできたのか、ニヤニヤしながら一人頷くミアス。その様子を微妙な目線でブーデンが見つめているのにも気づかず、ミアスはスキルの情報を確認していく。
しばらくすると、大体の情報を確認し終えたのか、ブーデンに準備が出来たと声をかけた。
「あぁ?武器はどうしたんだよ」
「エクストラスキルで武器を出せるんだよ、こうやってな」
そう言うと、ミアスの手元に剣が出現する。シンプルな両刃の剣だが、ミアスの魔力と完璧に馴染んでいて、身体強化のように剣の耐久力や切れ味も魔力で強化されていることがわかる。
その剣が放つ異様な雰囲気を感じ取ったのか、ブーデンは冷や汗を流しながら槍を構える。
「……やべぇなその剣は。模擬戦用の武器じゃ持たねぇ」
ヌアザの剣、ミアスが持つその剣と打ち合うには模擬戦用の槍ではダメだと、ブーデンは自身の槍を持ってくる。
元々持っていた槍ではなく、ダタラの里長自ら作り上げたブーデンの槍を構え、ミアスに鋒を向ける。
「行くぜミアス!はぁぁぁぁぁ!」
身体強化を最大まで使い、一気にミアスへと距離を詰める。
だがミアスは、冷静に、上位スキルに進化した『身体超強化』を使用した。
「なにぃ?!」
その瞬間、ミアスの姿はブーデンの視界から消えた。
「速ぇな!」
「速いだけじゃないぞ、ほら!」
スキルの差か、それとも魔力の量、操作技術の差なのか、ブーデンとミアスの速度には大きな差がある。
それに加えて、『反応』スキルが『超反応』に進化したことで、ブーデンの攻撃はミアスにかすりもしない。
「どうしたミアスゥ!避けてばっかりかよ!おらぁ!《一閃》!」
模擬戦でまさかの武技を放つブーデン。だがそれもミアスはなんなくかわし、ようやくブーデンに向かって剣を振るう。
だが、その太刀筋は今までとは明らかに違っていた。
「ちっ、剣術もスキルも進化したなてめぇ?!」
「ばれたか!この剣も普通じゃないぞ?《断裁》!」
ミアスが軽々と放った武技、《断裁》による斬撃は、訓練所の地面を切り裂きながらブーデンへと向かっていく。
「はっ、おせぇな!」
だが、ブーデンはそれを横に飛ぶことでかわした。《断裁》はオークの十八番ともいえる武器のため、対応に困ることは無い。
しかし、ミアスの《断裁》は違う。斬撃はブーデンを追うようにして曲がり、飛んでいく。
「はぁ?!」
固定観念に囚われていたブーデンは、かわしたと思っていたため、その斬撃を交わすことが出来ず固まる。
だが、斬撃はブーデンにあたる前に消滅する。
「ははは!どうだブーデン!これがヌアザの剣の効果だ。放った斬撃を操作出来るんだよ」
「なんだそりゃ。くそ、情けねぇ。一瞬でやられちまった」
ミアスが進化したことにより、自身と大きな差が着いてしまったことをブーデンは痛感する。
「他にも槍、大釜、石が出せるぞ」
「大釜と石だぁ?微妙だな」
ヌアザの剣の効果を、身をもって実感したためか、大釜と石と聞くと思わずブーデンは微妙と口に出してしまう。
若干、微妙と言いきられたことに悲しく思いつつ、ミアスはヌアザの剣を仕舞う。
「……ミアス。今どこにしまったの?」
「ん?この剣は魔力とスキルで出来てるから出し入れ自由だ。便利だろ?」
「ん。便利」
実際にヌアザの剣を出し入れして見せるミアスを見て、アイラは納得したようだ。
そんなこんなで、模擬戦を行っているとミアス達の元にいい匂いが漂ってくる。
「お!宴の準備が出来たっぽいな!模擬戦終了。行くぞ!」
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