お嬢様、戦闘技術を教えます。
敵陣のど真ん中に飛ばされた私はセバスに講義を受けていた。しかも攻撃を受けながら。
「いいですかお嬢様。まず人体の急所からです。
まずはみぞおちです。
おなかの中心部のここです。少しくぼんだ部分です。鳩尾や水月とも呼ばれます。この部分に強い衝撃を受けると、横隔膜の動きが一瞬止まり、呼吸困難に陥ります。
ほらこのように。」
「ぐぅわ。」
1人の兵士を捕まえて鎧を剥ぎ取り上半身裸にして吊し上げます。そこからみぞおちを触り強い衝撃を与え放置します。兵士は痙攣をおこして起き上がれません。
「さらに喉仏ですが。
男性の喉仏も急所の一つです。強打されると呼吸困難に陥ったり、ひどい場合は喉内部が破壊されてしまいます。」
兵士が剣を振り下ろしたのを掴み、へし折って親指で喉仏を潰しました。
パン!
と音が鳴り響きました。おや?強すぎましたか?兵士が破裂してしまいました。
「まぁいいでしょう。次で最後にしましょうか。これはおすすめしないのですが金的。
私もそうですが、男性の股間部も急所です。強い衝撃を受けると激痛が走り、呼吸困難になったりします。強い衝撃でなくとも、かなりのダメージを受ける箇所です。
他にも、眼球や延髄、心臓といった「明らかに急所」といえる部分もあります。万が一の際は、男性に対してはこうした急所を優先して守りましょう。」
「誰に言ってるの?」
「読んでいる人にですよ。」
「読んでいる人って誰!」
「さぁレッスンは終わりです。ノルマは5000人です。のろのろしていると他の人たちに倒されてしまいますよ。果たされなかったら、夕飯に嫌いなもの入れますよ。」
「わ、わかったわよ。【雷光仙神】」
お嬢様は雷を纏う雷光と戦神状態を掛け合わせた状態となり、村正を構えて腰を低くしました。集中し脱楽した状態で駆け上がりました。
「迅雷剣術弌ノ型・改【雷業一閃・天】」
抜刀するといつもより凄まじい音が鳴り響き、兵士たちを薙ぎ払っていた。さらに村正を地面に突き刺して強力な電磁波を流して兵士を麻痺させました。魔法部隊がお嬢様に向けて魔法攻撃を行おうと発射態勢に入りますが、お嬢様は一瞬にして移動して金的や目潰し、喉破壊などをしながら殲滅していきました。兵士に気を取られていたのか背後にいるものに気づかなかった。お嬢様の胸に刃が突き抜けていました。私は動揺することもなくそれを見ていました。
「!?」
「雷魔法【雷身転身】
雷魔法【雷斬】】」
分身体が囮となり気を取られている一瞬に手に纏わせた雷を振るうが、避けられてしまった。その人物は高身長の短髪、筋肉質で口に少し傷がある男だった。その男には魔力が感じられなかった。大抵魔力がなくても微量に感じるがそれがない。
「ほう良く感じ取れたな。大抵の人間は俺を視認できずに死んでいくがな。お前は違うようだな。」
「私も魔力がない人に会ったことはありますが感じることの出来ないひとに会ったのは初めてです。」
「お前名は?」
「私はリーゼロッテ・B・スカーレットといいます。」
「俺はジウ・ゼインだ。」
その男は剣からいつのまにか三節棍になっており、驚きを隠さずにいたお嬢様は少し攻撃が掠っていたのだ。どうやら彼は視認できないほどの技量の持ち主だと思いました。私の敵に相応しいと思いましたが今はお嬢様に譲りましょう。