お嬢様、会長と戦います。
決勝戦が始まった。フィールドは学園所有の大森林となった。生徒会は学園最強が集う。生半可な覚悟では負けてしまう。
「問題は会長だな。誰がやる?」
「私は会長と戦いたいけど無理。」
「脳筋、無理。」
「私は接近戦は苦手なのよね。」
「僕は露払いするだけ。」
「では私が会長の相手をしますわ。」
私が会長とやることを話している時、前方から強烈な魔力が迫ってくるのがわかった。
「ミサ!」
「前方900メートル先、会長が突撃してる。他は後方から奇襲するつもり。」
木の上から弓を構えて状況を伝えている。それを聞いて私はミサに伝えた。
「ミサの弓で撹乱後他の迎撃に向かって!会長はここで仕留める。」
「了解!憑依武装轟者【剛矢串刺】」
弓にワルキューレの特性を憑依して放つ。地面から鋼でできた巨大な矢が出現して生徒会の分断に成功した。それを確認するとカケルたちは散開して各々迎撃に向かった。私は村正を顕現して会長を待ち構える。木々が吹き飛び砂塵から会長が現れた。
「私の相手は貴女がするのか!スカーレット嬢。」
「えぇそうです。貴方を倒します。」
学園生徒会会長ユウ・タチバナ
勇者シン・タチバナの子孫である。魔力や剣術において優れている。神影剣術を得意としている。おまけに戦闘狂である。強い魔物がいれば出向いて討伐している。強い奴がいれば決闘をしてそれを糧としている。SSSランクであり【破壊者】の異名を持っている。戦闘後の環境凄まじいため序列には含まれてはいない。要監視対象である。
「貴女も強いのは知っている。さぁ踊ろうではないか。」
「嫌よ。脳筋は帰ってなさい!」
私は村正を鞘に収めて抜刀に入る。雷業一閃にて会長を斬るが鞘で防がれてしまった。
「いい剣術だ。しかし私には及ばない。
神影剣術弌ノ型【暗香突影】」
鞘から抜いた瞬間、鼻に香りが漂い一瞬気を失いかけたが正気に戻り、会長の刺突を防いだ。会長から距離を取るが次の技を繰り出してきた。
「避けるか。
神影剣術陸ノ型【暗影沈静・修羅】」
会長の気配と魔力が消え、辺りが静かになった。私は魔力を辿ろうにも追えずにいたが、あれを使用する気になった。
「貰った!!」
「まだです。蕾光!」
首筋に刃があたるかと思ったが、身体に纏った雷で防いだ。身体能力を一段と上げる体術魔法である。
一瞬にして会長の背後に回り込み打撃を与える。
「雷帝一撃!!」
会長の頭に踵落としして叩き落とした。砂塵が舞うが煙から影の刃が射出された。それを瞬歩で避けるが動きを止められてしまった。よく見ると会長の影が私の影と繋がっていたからだ。
「やっと捕まえた。」
「それは影縫いですね。またやっかいな魔法です。」
「これでもしないと捕まえられんからな。悪く思うなよ。影撃ち。」
会長の周りに影の弾が展開して私に向かってくる。どうしようもないので私はここでリタイアとおもった。
爆発が起きて砂塵が舞う。会長は後ろを向いて次の相手を探しに行こうとしたとき、気配を感じ振り向くとカケルがリーゼロッテを抱えて守っていた。
「すまん。遅れた。」
「遅いわ。だけどいいタイミングよ。」