俺、宴会をする。
影を使ってウロに戻ると誰もいなかった。寝床に行くと、カケルとルダイがベットの下を漁っていた。どうやら大人の本が置いないか捜索してたそうだ。
「どこに隠してんだ?」
「どこにもないですね。」
「だから言ったじゃない。セバスはそういうの持ってないって。」
「何やってんの?お前ら。」
呆れたように言うと、3人は気まずそうな顔となった。
「それはそうと、どうだったの?」
「第三皇子って希望したんだが、あっちが勝手に第一皇子にしやがったが、まぁそれはそれでいい。今までと変わらん。」
「そう。」
「リゼな。執事が辞めたらどうしようって悩んでいたんだぜ。」
「セバスは私が拾ったのだから。私の断りなしに辞めることはダメなんだから!」
「俺はリーゼロッテの執事なんだ。辞めるわけにはいかないさ。」
照れてるリーゼロッテも可愛いな。それはそうとルダイはまだ漁ってんのか?
「お前…何をオカズにしてんだ?本当にないからさぁ」
「俺は性欲をコントロールしてるからな。必要ないさ。」
「男として終わってないか?」
そんなことを話していると日が暮れてしまった。夕食はドカスが狩ってきた魔物を食べていると、クロウがドラゴン達に追われて逃げていた。俺はドラゴンたちの背中に瞬歩で移動して息の根を止める。倒したあと額の宝石を引き抜いて影に仕舞う。ドラゴンの死骸はドカスが飲み込んだ。因みにドカスを召喚した時は闇ギルドの修練場でやった。あの猛者たちが逃げ出すほど騒ぎになったのを覚えている。
リゼたちを寝かした後、ウロの外にでると精零龍のエルが人化して現れた。
「酒飲めるだろ?」
「あぁ。頂く。」
「親に会ってきたんだろ?」
「俺をここに捨てた奴にな。死にかけって言われちょうどよかったからな。」
「それだけか?」
「何がいいたい?」
「いや。心境の変化はあったのかとな。」
「別にない。今も昔も変わっちゃあいねぇよ。」
「そうか。獣として生きてきたお前はいつ人になるんだ?」
「そんなこと…俺が知りたいくらいだ。」
「セバス…ここは弱肉強食の世界だ。だからといって情が無いわけじゃない。俺たちはお前が幸せになる事を願っている。それを忘れるなよ。」
「わかってるよぉ。そんなこたぁ。」
俺は何故か涙を流していた。悲しくないのに。そうか酒が入ってるからか。それから最古参ドラゴンたちがやってきて大宴会となり盛り上がった。俺は強い方だと思っていたが、そうでもなかったらしい。樽を数樽開けた後酔っ払って寝てしまった。