俺の奥の手を使う。
デザートである世界樹の実を食べた後、食後の運動として俺と模擬戦をやることになった。
「今のお前たちの力を見せてもらう。俺と戦ってもらう。」
「セバスと!無理!」
「勝てる気がしねぇ!」
「大丈夫だ。俺は1つの魔法と体術と無限の奥義しか使わん。お前らは何でもしても構わん。」
そう言うと、3人は納得した。開かれた場所に移動する。コインを投げる。
俺は独自の構えをする。
お嬢は村雨を抜刀し構える。カケルは双剣を構え風球を展開させ、俺の周りを駆け出す。ルダイは魔武器の両手剣【炎月】を構える。
コインが落ちる。
《迅雷剣術弌ノ型》【雷業一閃5連】
風弾燭
➕
神無流剣術伍ノ型【流水・嵐】
【炎武】
雷鳴の音と共にお嬢が俺に加速して斬り掛かってくる。【選択下魔法】で俺の体に透過を選択し、お嬢の攻撃をすり抜ける。カケルの風弾と流れるような足捌きで牽制して、ルダイが両手剣で俺に振り下ろす。が透過しているため攻撃が当たらない。お嬢の最後の一閃が俺に向かってくる。俺は網膜に【遅速】を選択する。世界が遅くなり、近くお嬢の腕を掴み投げる。投げられた方向にはカケルが技を発動しようとしていたため、反応が遅れお嬢とぶつかり倒れた。一瞬それに気を取られたルダイの背後に瞬歩で近づいて腰に両手を回す。
「ま、まさか」
「戦闘中に余所見は弛んでいる!」
セバスは背後から両腕を回して腰をクラッチし、そのままルダイを後方へと反り投げ、ブリッジした状態即ちジャーマンスープレックスをやり、頭を叩きつける。
俺は体制を変えて空中に飛ぶ。ルダイの顔目掛けて踵落としをするが、それに反応してルダイは避ける。踵落としされた場所はクレーターが出来上がった。3人は息が上がっていて俺は息を乱していない。
「どうした?そんなものか?」
「強いとは思っていたけどこれほどとは…。」
「なんで攻撃があたらねぇんだよ。」
「教えてやろう。俺のこれは【選択下魔法】と言って選択したものを操ることができる。俺が使えない魔法を選択すれば使用できる。あと例えばお前らの魔力を選択した場合何が起こると思う?」
今はやらないが魔力を選択されれば、タダでは済まされない。魔力を減らされれば欠乏症として増やされれば魔力が膨張して身体が弾ける。選択の幅は無限大に広がる。
「お前たちは良くやったよ。最後に奥の手を見せてやろう。これはお前たちに習得してもらうものだからな。見て損はない。」
俺は武器である無限を取り出した。取り出したことによりより一層警戒する。
「さぁ行くぞ。」
無限…臨界点突破
無限が輝き出して、俺たちを包んでいった。十の門が出現し、セバスの背後に時計が浮かび、荒れ果てた大地が広がっていた。
【 】
時
閉
無
獄
門
【 】
3人はこの光景に息を呑んだ。魔武器がこのような形態になるとは。だがルダイは噂でしか聞いたことがないため驚くしかなかった。
「これは臨界点突破という。武器との同調率が高いほどその真価を発揮する。これからはお前らにこれを極めてもらう。さぁ終わりにしよう。」
第一の門【魔喰】
第一の門が開かれると、3人の魔力は半分吸い取られ、その影響で気絶してしまった。この模擬戦で3人はセバスに手も足も出なかった。