執事、侵入者を捕らえました。
お嬢様方が駄王に禁忌召喚についてその時の状況を詳しく説明しております。
私はただ殺気を当てただけと説明しました。
「うむ。死者が出たことは無念だが、被害を最小限に収めたことは良いことだ。」
「勿体なきお言葉です。私は公爵家として当座のとこをしたまでです陛下。」
お嬢様の言葉に満足そうに頷く駄王。
この駄王はお嬢様を上から見ているんでしょうか。また拷問致しましょうか。
そう考えた時、部屋に透明化魔法と認識阻害が掛けられたフードの男が、転移防止結界をすり抜け現れました。
「ぎ、ギブーー!」
私は現れた瞬間に、フードの男の腕を捻り上げて床に叩きつけました。私の腕にタップしてますが緩むことはせずそのまま放置して駄王を見ました。
「早すぎるだろ。さっきまでスカーレットの後ろにいたはずだよな?」
「い、いつのまに。」
「へ、ヘルパスミー!」
「それを言うならヘルプミーです。」
「離してやれ、知り合いだ。」
「いい身分ですね。私に命令とは。」
「すいません。そいつは私の知り合いです。どうか離してやってはどうでしょう。」
「わかりました。暴れたら首が飛びますよ?」
「大人しくしますぅ!」
私はフードの男から手を離し、お嬢様の後ろに戻ります。はぁ不審者をすぐ始末しないとは丸くなったものです。
「ひ、酷い目にあった。」
フードの男は自分の腕を確かめながら立ち上がった。
「転移防止結界があるとはいえ、それをすり抜けてくるなんて殺されても文句は言えないでしょう。私の役目はお嬢様の害をなす可能性はすべて排除するだけです。それは知り合いだろうと規律を乱しては下のものに示しがつきません。すべてお前が悪いと言うことです。」
「次からは門から通って欲しいものだ。」
「すいませんでした。」
謝るなら最初からしなければ良いのにと思いました。
「この方はどちら様でしょうか?」
「彼はSSSランク序列10位【迷王】というものだ。」
「これ依頼完了したから。」
迷惑な王は懐から依頼書を出して駄王に渡しました。おや?これはこれは。
「お嬢様。あの方は勇者に巻き込まれた少年でございます。」
「へぇそうなの?」
「なるほどな。」
「な!?」
「歩き方と電磁波でわかりました。」
魔力はフードに遮断されてわかりませんが、歩き方と電磁波は、変えられることはできませんからね。
しかし、
「【迷王】がお知り合いなら、禁忌召喚のことをお聞きすれば私たちは呼ばれなかったのではないでしょうか?」
「なんだと?」
あら。迷惑な王様は駄王に話しておられなかったのですか。
「申し訳ないのですが、お話が終わったのなら退室して構わないでしょうか」
「すまないな。」
「失礼します。セバス行きますよ。」
「承知しました。」
お嬢様は城を出て街のカフェテリアに移動しました。ルダイ様は何故かついてきました。
「ところで、セバス?王様と知り合いだったの?」
「それ、俺も気になってた。」
「あれは私に高い借りがあるのです。」
あれの弟が暗殺依頼をしてきましたので、リークして横領やなにやらを駄王に突き出してやりました。
金払いはいいので面倒ですが何件か依頼を受けてやりました。