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お嬢様、勇者に説教しました。

次の日の朝、教室は静かであった。

教師であるルダイ様が昨日の件について話をしていました。


「というわけで、犠牲者は召喚者1人でスカーレットの執事と死神で鎮圧しました。そのキメラは執事の使い魔となりました。以上ホームルーム終わり解散。」


そう言って教室を後にしたルダイ様でした。

一部の貴族の生徒たちはお嬢様の執事である私が活躍したことが面白くなかったようです。

せめて気絶しない程度の実力をつけてから絡んでいただきたいものです。弱者を痛めるのは快感ではありますがそんな男ではありません。強者を痛めつけてこそ真の快感があるのです。


「おい!執事!そのキメラを寄越すんだな!執事なんかより俺様が有効に使ってやるんだな」


『はぁ冗談じゃない!お前みたいな「Pーーーー」に使われるほど僕は安くないニャ!というか使い魔にしたきゃ今の一万倍になってから一昨日きやがれこのすっとこどっこい!お前程度の使い魔になるんだったら死んだほうがマシにゃ!』

『そらぁ違いねぇ。せめて神とタメ張れる実力と魔力がなきゃなあ。』

「ドカス、クロウおやめなさい。こんな頭の悪いお子様でも一応はお嬢様のご学友でございます。プライドだけ高い貴族の御子息なんですから馬鹿にしてはいけませんよ。申し訳ございませんが、貴族だからと言って何でも手に入るとは限りませんよ。生憎魂の条約にて契約しておりますので、プライドが高い貴方様ならこの意味分かっておられますよね?」


さわやかな笑顔で、クソ生意気なガキに頭を下げます。


「貴族として恥ずかしくはありませんか?」


お嬢様もお怒りになられております。

顔を真っ赤にしているガキを放って置いていると、気絶していた勇者様(笑)がやってきました。


「何で昨日!邪魔をしたんだ!」

「当たり前です。死神に戦いを挑むなんて無謀を通り越してバカのすることです。」


勇者はお嬢様に憤っておりますが、それ以上にお嬢様は切れています。


「そ、それでも例え死神に挑むことが無謀なことでも目の前で殺されそうになっているクラスメイトを見殺しにはできないよ。」

「脳内がお花畑のようね。だれが死神に挑めと言いましたか?死神は召喚されるキメラを抑え、禁忌を犯した召喚者を処理して召喚を無かったことにするのが仕事です。あなたは自分の考えだけでキメラに挑み国を滅ぼそうとしていたのよ。身の程を知れ下郎!」


お嬢様はお怒りになると言葉が厳しくなります。勇者は言葉も出ませんでした。

しかし、そこに反論するものが現れました。


「リーゼロッテ。そこまで言わなくても良いのでは?」

「そうよ。シュウは、禁忌召喚について知らなかったのですから。」

「人助け。重要。」


三大公爵家である

スカーレット家

ハイト家

ダークネス家

のうち2大公爵家の令嬢が勇者に惚れている為反論しております。

王女である彼女は勇者には惚れておりません。仕事で忙しいらしく学園以外では構っておられないのです。


「知らなかったで済むと本当に思っているのですか!では何故禁忌召喚について教えてあげなかったのです。こいつを学園入れたのは貴女ですよね?そのときに何故教えなかったのですか!自分の仕事をしないで勇者ばかりかまって反論だけする恥を知りなさい!」


流石お嬢様です。


「全く。異世界から来たといっても、巻き込まれたもう1人は理解しているというのに。」


お嬢様は顔に手をやりため息をついた。

実は勇者召喚に巻き込まれた少年が1人いました。

キメラが出てきてその方までに気を配れていませんでしたが、お嬢様が勇者様を止めるのを見た彼は瞬時に理解してルダイ様と協力して生徒たちを魔法陣から離し、結界を張って守っておりました。

彼は目立ちたくなかったのか騒動が収まった時、結界を解いて隅っこにいかれてしまいました。

お嬢様も彼とは打ち解けておいでです。

この件がなければ勇者とは卒業まで面識を持つことはなかったでしょう。


「いきなり異世界に召喚されて、知りもしないこの世界を救うなんて戸惑うこともあるだろうし、私も貴方に同情するわ。でも救うと決めたのなら私は何も言わない。それを決めたのは勇者である貴方自身。無知で無謀な勇者はいらないのよ。身の丈にあった偽善はゴミ箱に捨てなさい。今回のことはよく決めることね。」


ふんとお嬢様は勇者から顔を逸らしました。


「お嬢様。素晴らしい演説でした。」

「私は公爵家の当主の娘よ。強者の発言が及ぼす影響は知っているもの。」

「流石はお嬢様です。」


「あ、そうそう言い忘れたんだ。」

「何ですか先生?」

「今日は昨日の件があってもう帰って良いってヨォ。このあと午後から保護者説明会があるから明日から通常授業になるぞ!解散!それとスカーレット明日は陛下に今日の出来事をしてもらうことになったから認欠扱いだからな。」


そういい去っていきましたルダイ様。

陛下に謁見ですか。面倒ですね。

明日の予定が決まってしまいましたので、ミサ様と共に下校し、家に帰宅すると明日の準備に取り掛かりました。


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