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断片の断片 <詩>

私見:詩人の条件

作者: 壱宮 なごみ

幸福者に詩は書けないという

満たされているから

満たされていることが日常だからだ


足りないと思う者が

足りないと思う理由や

足りないと思う部分について

足りないと思う分だけ


ことばで補おうとするのだ

ことばに寄りかかり委ねるのだ


幸福者に詩は書けないという

幸せを表すのに

幸せ以外のことばは要らない


いま、幸せでない理由も

これから、幸せになるための課題も

むかし、幸せになった日の要素も

両手の指で足りないどころか

転がる石の数ほど挙げられるのに


詩を書きたい私は

満ち足りたくない私

そして

詩を書けない私は

満ち足りてない私


ことばを繋げない私は

自分で自分を満たせない私


私が一番嫌いな私

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきました。 めちゃめちゃ分かります。特に6連目の1-2行は共感できます。創作のエネルギーは、飢え(極端に言うとマイナス)から生まれると思うので、確かに満たされてると意欲が湧かな…
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