俺と彼女と段ボール
よろしくお願いします!
評価、ブクマ待ってます!
俺と姫乃さんが夜ご飯を食べ、食器などを洗い終わり一段落ついた頃。
「橘君、先にシャワー浴びてきていいよ。今日はもう疲れたでしょ?」
確かに疲れたけど、これだけはやって起きたい事がある。
「まぁ、疲れたけど頑張るのはこれからだよ」
「どゆこと??」
姫乃さんはくっきり二重の目をぱちくりさせながら俺を見つめている。
「シャワーを浴びる前にまずここの部屋を、せめて段ボールだけでも片付けよう!」
せめて足場は作らないと……
「え、いや今日はもう疲れたから明日やらない??」
姫乃さんは必死に「今日はもう疲れたから明日やらない?」アピールをしてくる。
「明日やろうは馬鹿野郎ってよく言うでしょ?」
「そうは言っても……」
「大体そうやって、先延ばしにした結果がこの部屋の現状じゃないの?」
「ご、ごもっともです……」
意外と聞き分けはいいみたいだ。
「じゃあ私、先にシャワー浴びてくるねー」
「ちょっと待って」
俺はシャワーを浴びに行こうとした姫乃さんを呼び止めた。
「姫乃さん、さっき私も手伝うっていったよね?」
「でも出来るだけって……」
「言ったよね??」
「……よし!じゃあササッと片付けるぞ……」
姫乃さんは片手を突き上げ、苦笑いを浮かべながらガッツポーズをした。
良かった、少しでもこうやって片付けさせていかないと、今後が心配になるからな。
それから、俺と姫乃さんは片付けを始めた。
「じゃあまず段ボールを潰して一つに纏めよう!」
「はぁい……」
姫乃さんはやる気のなさが伝わるような露骨な返事をする。
そんなに片付けが面倒くさいのか……
十分後ーー
まだ段ボールが減らないな……
いつから片付けしてないんだろうか。
「姫乃さんって、今まで片付けとかどうしてたの?よいしょっと……」
「え。それはね、お姉ちゃんがやってくれたてたんだけど、今仕事の関係で遠くに住んでるんだ。橘君これここでいい?」
「うん、いいよ」
へぇ、お姉ちゃんがいるのか。
うわ、この段ボールデカっ、何が入ってたんだろう……
十五分後ーー
もう、少しで終わるかな……
姫乃さんちゃんとやってるだろうか?
俺が彼女を見ると、彼女は段ボールの上に乗り遊び始めていた。
何やってるんだか……注意して片付けさせないと。
「姫乃さん危ないよ?」
「平気だよ橘君、ほら見てカカシの真似ー」
姫乃さんは段ボールの上で片足立ちをしながらバランスをとっている。
そんな事してると転ぶよ、なんて思っていたら、案の定バランスを崩し転んだ。
「きゃぁ!!」
「危ない!!」
俺は咄嗟に姫乃さんの手を掴み、抱きかかえる様な姿勢になってしまった。
「大丈夫?だから危ないって言ったじゃん」
「ご、ごめん……わ、私片付けしてたら汗かいたから先にシャワー浴びてくるね!」
そういうと、少し顔を赤らめていた姫乃さんは、足早に自室へと向かっていった。
「急にどうしたんだろう、そんな片付けしてたっけな?おっ、こんな所にやり甲斐がありそうな段ボール発見!」
ーー
その後、一応無事に歩けるぐらいにはなった。
「よし、とりあえず今日はこれぐらいに終わりにするか。ん、いやちょっと待てよ……」
俺さっき平然と姫乃さんを抱きかかえてたよな?
やば……片付けに夢中で気にしてなかった……
会って間もないのにあんな事しちゃったし、怒ったかもしれない。だって姫乃さんすぐシャワー浴びに行っちゃったし……
すると、シャワー終わりの姫乃さんがパジャマ姿で戻ってきた。
意外とシャワー長いんだな姫乃さんって、
それにしてもパジャマ姿も画になるなー……
「ふぅー、橘君もシャワーどうぞ」
「ありがとうございます!」
俺は思わずお辞儀をしてしまった。
「そ、そんなに浴びたかったの??」
「いや、そうじゃないけど。さっきはごめん、じゃあ浴びてくるよ」
困惑してるみたいだけど、怒ってないみたいだ、よかった。
俺はシャワーを浴び終えると、俺の部屋へと案内された。そこには机やベット、家具などが置いてあるがお姉さんが置いていったものらしい。
姫乃さん曰く「好きに使っていいよ」とのことだったので、ありがたく使わせて貰う事にした。
タンスの中に荷物を詰めていると何か奥に挟まっている物を見つけた。
「なんだろう?アレ」
俺は手を突っ込んで取り出した。結構な束になっている。
「姫乃さんの写真!?しかもこんなに!!てことは姫乃さんのお姉さんって重度のシスコンなんじゃ……男一緒に住んでるなんてバレたら俺殺されるかも……」
俺の中の不安がまた一つ増えたのだった。
ありがとうございました!
下を★こうしてくれると励みになります!