第2話 見えたものは
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俺は人の心を読むことができ、相手が俺に対してどのような感情を向けているのか知ることができる。この力というのは俺が中学生の頃唐突に現れ、初めは理解することに対して時間がかかったが、今となってはなくてはならない力となっている。
初めはこの力に戸惑い、自分と仲良かった人が俺のこと全然好きではなかったり、予想だにしてなかった人が俺のことを好意的に思っていたりと人の心を知れることに対して少しの恐怖や嬉しさはあったもののこの力と上手に付き合っていくことはできるようになった。
だが、転校生である姫野花蓮を見てこの力をもらい初めて心の光が見えない人物に会った。
俺は横目で隣に座って帰る準備をしている姫野を見ると相手がこちらの方を向き目があった。
「・・・見てました?」
俺は姫野のことを見ていたのがばれて、どう受け答えればいいのか悩み、少し俯きながらも俺はこう答えた。
「いや・・・姫野さんって何考えているのかよくわかんないなって」
俺はそう言った後まずいとすぐ判断し、すぐに言い訳の言葉を述べようとしたがなかなか口に出ず、ただ唾を飲み喉元を鳴らすだけで困っていると彼女は俺の言った言葉に今日初めて見る本当の彼女の笑顔が見えた。
「それって・・・いいえ、何でもないです。私は光夜さんのことを考えていますよ」
ニコッとそう微笑みながら言う彼女に俺は何も言葉が出ず、その笑顔から目を離すことができずにいて、今まであまり感じていなかった感情が心にくると俺は少し胸が苦しくなるような、心臓の動機が早くなり自分でわかるような、最近味わっていないだが懐かしい感情が自分の心から溢れ出てくるのを感じた。
「なんだよそれ・・・ちょっとトイレ行ってくる」
俺はその場にいることができず、逃げるようにトイレへと向かいトイレの鏡を見て自分の心臓に目を凝らし、心の光を確認する。
俺の心の光を見る力は'俺に対して相手はどのような感情を持っているのか知ることができる'が、その力を俺自身に使い、相手のことを頭に思い浮かべることで'その人に対して自分が相手にどのような感情を向けているのか'知ることができる。
そして・・・心の光はなんの汚れもなく、ただ眩い光を放つピンク色をしていた。
ピンク色は好意的な感情ではあるが、その力が強いほどその人に対して恋愛感情、親友などさらに強く相手から思われていることになるが、俺のこのピンク色の光はまさしく・・・恋愛感情を示すもので、それを見た瞬間俺はその場の手洗い場でおうとしてしまった。
「なんだよ・・・これ・・・こんな気持ち・・・ならないって決めたはずなのに」
嘔吐して口の中が胃酸からか苦く感じ、その臭さでより胸苦しさが増加して、それに伴い頭痛も発生し、手洗い場の壁に手をつき、俯きながらもゆっくりと心臓の鼓動を整えながら今の状況を整理するために俺は必死に姫野花蓮のことを考えていた。
姫野花蓮・・・転校生であり、心の光が見えない。だか、俺に対して少し好意的に感じる部分がある。授業中など俺の方をよく見ていたり、さっきの'あの発言'年頃の男子なら意識してしまうだろう。
何年ぶりか分からない恋の感情、俺はこの感情に対しどう向き合っていけばいいのかわからないまま・・・トイレで30分ほど立ち尽くしていた・・・・・・