表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

198/207

ティアの日記6

ティアです。

長期休暇が終わったので学園に戻ってきました。

お休みが終わるのは早かったです。

ティアは母様からご褒美をいただきました。

なんと、母様と父様の画集です。綺麗なドレスや制服を着た母様がたくさん描かれています。これは見守る会の会員は持ってるそうです。

机の上の画集がなくなりました。


「これは、」


マートン様がティアの画集を取りました。


「返して!!ティアの!!」


マートン様はティアの画集をうっとりと見ていて、動きません。


「人の物を勝手に取るのは許されない。さっさと返して」

「リアム!?これは」

「とりあえず、ティアに返して。怒ってるから。どうしても見たいなら頼んで見せてもらえよ」


マートン様がティアに返してくれました。ティアの物を取るなんて許しません。


「ルーン、」


マートン様の視線は無視です。リアムが苦笑してます。

画集を見てティアと同じ制服姿の母様達を見つめます。母様は可愛く、父様も格好良いです。

先生が来たので画集を片付けて授業の準備を始めました。

やっぱり学園の授業はつまらないです。

お部屋でこっそり魔石を作る練習をします。まだエディのように綺麗な魔石が作れません。ロキは積み重ねが大事だと言いました。魔石は1日1個だけ練習するとエディと約束しました。魔力を使いすぎないようにと。


ティアが武術の授業から戻ると、机が倒れてました。

リアムが机を戻してくれました。リアムに言われて、荷物を確認するとティアの画集がありません。


「リアム、ない、なんで」


「ティア、落ち着いて。きっと出てくるから。授業が終わったら探しに行こう」


「うん」


誰かが間違って持っていってしまったんでしょうか。

授業が終わると、リアムと一緒に外を歩きます。リアムは場所がわかるみたいです。リアムの足が止まりました。枯れ葉の固まりの中に画集がありました。一緒に捨てられなくて良かったです。慌てて拾って中を確認すると母様のお顔が真っ黒に塗りつぶされていました。父様のお顔は綺麗です。悲しくて涙が出てきます。


「なんで、」


リアムが画集を手に取って、ゆっくり見ています。

母様は学園で嫌われてたって言ってました。ティアの母様は意地悪されるような人ではありません。優しい母様。


「ティア、リアム?」

「エラム様、僕は余裕がないので、消えてください」

「リアム、ティア!?どうしたんだ!?」


驚いた顔をしたエラム様がいました。


「ティアの母様が」

「ティア、ロキの所に行こう。僕達はこれで失礼します」


リアムが抱っこしてくれるので首に手を回します。

悲しい。ティアはティア達の部屋に行きました。リアムがロキを連れて来てくれるからと出て行ったので、座って待ってます。


しばらくしてロキとリアムとシエルが来ました。


「ティア、大丈夫?」

「ロキ、ティアの母様が」


ロキに画集を渡します。


「なんてことを……。ティアこれは任せて。新しいの取り寄せるから」


「ロキ?」

「次は悪戯されないように仕掛けをしておくよ」


ロキが笑いました。


「ロキ、どうするの?」

「私達に任せて。もし荷物がなくなったり困ったことがあれば教えて。二人の荷物に追跡魔法をかけておこうか。」

「学園内は魔法の使用許可が」

「私に言われたと言えばいいよ。一応、隠れて使えばいい。この件は私達の領分だ。ティア、来週には渡せるから、我慢できる?」

「ティアは母様に内緒にしたい。せっかくご褒美もらったのに。それにお顔が・・」

「わかったよ。エドワード様とリオ様に言えば内密に処理してくださる」

「父様に見せても大丈夫?」

「リオ様は大丈夫だよ。この画集は私が借りてもいい?代わりにこれを貸してあげるよ」


ロキが画集を貸してくれました。母様にそっくりの絵がいっぱいあります。


「部屋で見てね。もうすぐ販売されるものだから、他の生徒には見せないでね」


水の天使と描かれています。父様の部屋にあった画集と似ています。


「ロキ、ありがとう」

「ロキ、僕も仲間に入れてほしい」

「リアムはティアの傍にいて。何かあったらすぐに教えて。それがリアムの役目だよ」

「ティアは?」

「ティアも同じだよ。リアムの傍で、いつもと違うことがあれば私に教えて。エドワード様やシエルにでもいいから」

「わかった」

「リアム、ティア、自分達の目でよく見てしっかり考えて行動して。もしかしたら嫌な話が耳に入るかもしれない。でも二人なら大丈夫だと信じてるよ」


ロキが心配そうに見ています。でもリアムがいるから大丈夫です。

母様に意地悪する人がいるのかもしれません。絶対に許せません。ティアはもっと強くなろうと決めました。

翌週、ロキが母様の画集をくれました。子供の頃の姿がたくさん描かれています。母様が可愛いです。

またなくなったら嫌なのでカバーをして、箱に入れて保管しました。この箱はティアが手を当てないと開きません。セリアがもし、大事な物があれば保管するようにとくれました。母様も使っていたそうです。セリアの道具はすごいです。

それからはティアの物がなくなることはありませんでした。ティアの物を取ると、水の刃に襲われます。父様が教えてくれた魔法陣をリアムと一緒に一生懸命書きました。ティアの物に手を出すなんて許しません。教科書以外の荷物は母様と一緒に用意しました。同じ間違いは起こしません。ティアに意地悪するなら、ちゃんと仕返しするので、覚悟してください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ