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追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

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ティアの日記5

ティアです。

ティアは時々、意地悪を言われます。意地悪は相手にしてはいけません。母様に教わりました。気にしなければいいんです。

時々、お茶会に誘われますがお断りします。今のティアは試験勉強が優先です。父様が練習問題を作って毎日送ってくれます。ティアはそれを解いて返します。間違えると、また同じ問題が送られてきます。わからない時はリアムに聞きます。


「リアム、」


リアムが教えてくれます。わかりました!解けました。

母様からの問題は珍しいです。この魔法陣を書きかえなさい?


「リアム」


リアムも覗いてますが、わからないみたいです。


「ティア」


エラム様が部屋にくるのは珍しいです。


「これ。」


ティアへと書いてある母様のお手紙をエラム様が持ってきました。


「エラム様、これわかりますか?」


リアムが魔法陣をエラム様に見せました。


「これ、俺用だ。逆に入れたのか」


エラム様がティアの問題を取ろうとするので取り返します。


「それ、ティアの」

「いや、俺のだよ」

「なんで?」

「自分で魔法陣を書く方法を教えて貰ってる。俺にはセンスがないから基礎から」


エラム様は母様に教わってるんですか?


「なんで母様なの!?」

「リオ様には嫌われてるから。それにレティシア様は優しいしわかりやすい。なんで、ティア怒ってるの?」

「ティアの母様」

「え?」

「ティアは母様をとる人は嫌い。」

「手紙ありがとうございました。ではお引き取り下さい」


リアムがエラム様を送っていきました。この魔法陣はわからないので、わかりませんと書いて父様に送りました。

父様からは、今度帰ったときに説明する。教えてくれてありがとうとお手紙がきました。

ティアはエラム様が母様に魔法を教わっていることもそれを父様が知らなかったことも知りませんでした。

試験はティアは2番でした。リアムがまた1番です。ティアはリアムみたいに授業中に起きてられないから敵わないのは仕方ありません。どうしたら授業中に眠くならないんでしょうか。



「ルーン様、あの」


本から顔をあげます。ティアは妖精の冒険の本を読み返しています。今まではリアムに貸してました。このお話は素敵なんです。最後は何度読んでも泣いてしまいます。


「どうされました?」

「もし、よろしければその本を読み終えたら貸していただけませんか?」

「これですか?」

「はい。」

「どうぞ」

「え?」

「もう読み終わったので。」

「いいんですか!?」

「はい。」

「ありがとうございます。」


本を渡すと笑顔でお礼を言われました。


「ずるい!!」


女子生徒達がなぜか騒いでます。


「ルーン様、私もお借りしてもいいですか」


凄い勢いで話しかけられます。


「はい。大事にしてくださるなら構いません」

「ありがとうございます。やったわ!!」


「なんで、あんなに喜ぶの?」

「マール様はご存知ないんですか?ハンナ様の本は人気なんです。数が少ないので中々手に入らないんです。売られる場所も不定期で、予約もできません。ハンナ様の自叙伝は幻です」


ハンナ様って母様のお友達です。時々遊びに来てます。


「幻?」

「ええ。純愛物語のファンなら一度は読みたいお話です」

「どうして?ティアも純愛物語好き」

「え?ルーン様はご存知ありませんの?」

「なにを?」

「純愛物語はレティシア・ルーン様とリオ・マール様のお話ですよ」

「え?かあさ」

「ティア!!」


間違えました。


「マール様?」

「失礼しました。」


リアムごめんね。ティアが間違えたから。


「どうしてハンナ様の自叙伝に関係あるんですか?」

「ハンナ様の自叙伝にレティシア様とリオ様が出てきますのよ。リオ様ファンは必見です。」

「今度、聞いてみる」

「ハンナ様ともお知り合いなんですか!?」

「ティアはレント公爵夫人によくしてもらってるんです。この本もレシーナ様に頂いたよな」

「うん」

「羨ましい」

「レティシア様とリオ様はそんなに人気なんですか?」

「令嬢達の理想ですわ。一身に愛を捧げられたいものですわ。訓練場の池は聖地です。」

「聖地?」

「純愛物語の3巻にでてきますのよ」

「え?ティア、2巻までしか知らない」

「良ければお貸ししますわ。」

「ありがとう!!」

「そんなに喜ばれるとは。読み終わったらお話したいですわ。何度読んでも素敵で」

「わかる!?ティアの周りでわかってくれるのはエステルとレシーナ姉様しかいないの。」

「もちろんわかりますわ。良ければ今度お茶会にお誘いしますわ」

「邪魔しないから、そのお茶会は僕もティアの隣にいてもいいかな?ティアは興奮すると倒れるから、頼まれてるんだ」

「もちろんですわ。私はルーン様とマール様の仲は応援してますのよ。」


翌日、ティアは純愛物語を貸してもらいました。まさかモデルが父様と母様だって知りませんでした。

リアムに母様には内緒と言われました。詳しい話は父様に聞かないと、母様が泣いちゃうみたいです。

シエルに母様のモデルになってるお話を全部読みたいとお願いしたら、おばあさまにお願いしてみなさいと言われました。

シエルは全部読んだことがあるみたいです。


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