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追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

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ティアの日記 5

ティアです。1年生です。

会長に言われたとおり招待状が届きました。ティアはパドマ様の茶会に招待されました。当日まで招待されたことは内緒です。


リアムと一緒に茶会に行くとロキに会いました。


「ティア、常に笑顔でね。ティアなら何があっても大丈夫。社交の天才の血を受け継いでるからだってさ」

「ロキ?」

「当日に伝えてって。おじい様から。」


母様がおじい様の言葉はいつも正しいって言ってました。おじい様はお顔は怖いけど優しいんです。エディと秘密の特訓をしていた時によく会いにきてお菓子をくれました。


「ありがとう。頑張る」

「僕も近くで見てるから。セリアの道具は忘れないで持ち歩いてね。頑張って」


ロキもリアムもいるから大丈夫です。

ティアはパドマ公爵令嬢の会場に向かいます。爵位の高い方から案内されます。ティアは待っていれば案内してもらえます。案内された席に座ろうとすると変です。ティアはルーンだけど分家なので直系の公爵令嬢よりは爵位が低いんです。母様にティアよりも爵位の高い令嬢の名前を覚えるように言われて必死で覚えました。ティアより爵位の高い令嬢よりも上座に案内されています。母様に教わったよわよわしい笑顔を浮かべます。わからない時は勝手に動いてはいけません。

上級生の令嬢が声をかけてくれました。


「どうしましたの、ルーン様?」

「お席はこちらでいいのでしょうか」


先輩は周りの生徒を見ます。


「あら?困りましたわね。パドマ様、ルーン様のお席はどちらですか?」


見つめられるパドマ様の笑顔が怖い気がします。


「ルーン様、先ほどご案内しましたのに。こちらにどうぞ」


案内された席はさっきと違います。


「ありがとうございます。失礼します」


笑顔で礼をします。教えてくれた先輩に「上出来よ」っと囁かれたのは褒められたんでしょうか?

お茶とお菓子は上位の方々が手をつけてから少しずつ食べます。

ティアは令嬢達の話に静かに相槌をうちます。会話は振られなければ、自分から積極的に話しません。


「ルーン様はお一人で寂しくありませんか?」


ティアに話をふられることはないと思ってたのに、変です。


「一人ですか?」

「いつも一緒のマール様はいませんのよ」


リアムがいなくても大丈夫ってことですか。

笑顔で答えます。常に笑顔が大事です。言葉使いも気をつけないといけません。


「傍にいなくてもいつも見守ってくださっているので寂しくありません」

「まぁ」


どうしてお顔が赤くなったんでしょう。


「ずっと一緒にいると交友関係が広がらないでしょ?」


「パドマ様、家のことに口を出すのはいかがなものかと。初めてのお茶会に緊張しているルーン様への気遣いも・・・。」


「失礼しましたわ」


その後は、ティアが話しかけられることはありませんでした。

退席した後、先輩の令嬢に声をかけられました。


「ルーン様、災難だったわね」

「ありがとうございました」

「後輩を助けるのは先輩のつとめよ。パドマ様はルーン公爵家をお嫌いだから気をつけてね。迎えがきてるわよ」

「失礼します」


困ったら上級生が助けてくれると教えてくれたエレン様の言葉は本当でした。先輩に礼をしてリアムのところに行きます。


「ティア、お疲れ様。大丈夫だった?」

「うん。なんか変なお茶会だった。パドマ様はルーンが嫌いなんだって」

「大きい家は敵も多いから。無事に終わってよかったよ」


ティアのお役目は終わりです。

翌日の茶会はティアの役目はないのでリアムと一緒にロベルト先生に訓練を見てもらいます。シエルに閉会式に間に合うように迎えに来てもらうように頼んでます。エラム様がいました。


「リアム、相手してくれないか」

「僕?」

「ああ」

「わかりました」


リアムとエラム様が戦っています。エラム様が見たことのない魔法を使ってます。リアムも驚いてます。でもリアムが勝ちました。


「エラム様、その魔法どこで」

「図書室?」

「なんで疑問形なんですか」


リアムとエラム様は仲良し。よく二人でお話してます。二人を見ているとエステルに会いたくなります。来年、同じ学年になるように頑張るって言ってたけど本当なんでしょうか・・。


「リアム、ティア、礼をして」


エラム様の声によくわかりませんが礼をします。


「頭をあげて。励んでいるな」


あれは、クロード殿下とエイベルです。

社交デビューのパーティの時に挨拶しました。


「殿下」

「わかってるよ。少しだけだ」


エイベルが困った顔をしています。


「ティアは綺麗になった。そっくりだな」


ティアの顔をじっとみて殿下が笑ってます。見覚えがあるような・・・。


「クロ?」


リアムが殿下をじっと見て呟きました。

なんで殿下に頭を撫でられてるんでしょうか。


「エイベル、やっぱり欲しい」

「お戯れを」

「大きくなったな。レティは元気?」

「殿下やめてください。時間がないので戻りますよ。午後の茶会がはじまります。」


殿下がリアムの頭を撫でてます。リアムが困った顔をしてます。


「エイベルは厳しいな。クロのこと好きだった?」

「はい。」

「また会えたらどう思う?」

「また訓練してほしい。僕は強くなったから。またお話ししたいです」

「ありがとう。レティによろしくね」


ティアはどうしていいかわかりません。母様のことは秘密です。礼をして立ち去っていくクロード殿下を見送るしかありません。やっぱりエイベル、格好いいな。ティアはエイベルがいいのにな。

訓練を再開することにしました。

ティアはまたクロに会うことになるとは思いませんでした。リアムはクロが好きです。ティアはクロはちょっと苦手です。なんでかわかりません。


訓練をしているとシエルが迎えにきたので、今日は終わりにします。

エラム様にまた付き合ってほしいとお願いされましたが、リアムが断っていました。リアムとエラム様は時々仲が良いのか悪いのかよくわからなります。

ティアは試験勉強を頑張ります。マートン様には負けません。

その前に母様にお手紙を書きます。茶会は無事に終わったよ。母様、エイベルはやっぱり格好良かったよと書いてシエルに渡しました。


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