表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追憶令嬢の徒然日記  作者: 夕鈴
番外編 家族の記録

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

185/207

元公爵令嬢の記録 第十三話

私はセリアが学園に行こうと誘ってくれたので変装してます。

ディーネに目の色を変えてもらって、カツラも被りました。

私は白衣を来た助手のルリです。リーファはお母様に預けました。リオにはセリアが外出の許可をとってくれました。学園に行くのは内緒です。


学園は懐かしいです。

行くのは研究棟です。リアムには学園に来ないでと言われてるので、内緒です。


「セリア、私は何をすればいいのでしょうか?」

「荷物持ち」

「わかりました。お任せください」


セリアは学園の研究棟にアドバイスに行くので後をついていきます。

セリアの荷物を持って、研究棟を周ります。いろんな研究してますね。ラウルの畑も立派になりました。きっと王国の未来も明るいですわ。


「用は終わったけど、見学してく?」

「いいんですか?」

「ええ。下級生は授業中みたいよ」

「見たいです」


セリアと一緒に学園の校舎の中を歩きます。懐かしいです。

一年三組の教室です。アナ達は元気でしょうか。まさか二年生で一組に上がるとは思いませんでした。こっそりこの組に通ってたことが懐かしいです。アナ達は立派になったとステラが教えてくれました。


「シオン様!?」


先生、授業中に出てこないでください。魔法学の先生は代わってませんのね。


「お久しぶりです。懐かしくて見学を」

「せっかくだから生徒達に一言」

「え・・」


セリアは嫌そうな顔をしました。


「ルリ、任せたわ」


嘘!?私を教室に押さないでほしい。

転ばなくて良かったです。ここで踵を返したら優雅ではありません。礼をします。


「セリア・シオン様の助手を務めております。ルリと申します。力を合わせて良い国を作りましょう。そして国王陛下を支えましょう。成長した皆様とお会いできるのを楽しみにしてますわ」


ざわめいていた生徒達が黙ってしまいました。間違えましたか・・?

挙手する生徒と視線を合わせます。


「平民の俺にもできるんですか?」

「貴方次第です。私のお友達は平民で魔力もありませんが努力して、公爵様の側近になりましたわ」


ラウルのことです。ラウルは自慢のお友達です。


「公爵!?」


ざわつきました。信じられない顔で見られてます。私のお友達を思い出すと頬が緩んでしまいます。


「他にも作家や騎士になった方もいます。このクラス出身の魔力のない生徒が近衛騎士になりました。皆様の頑張り次第です」


グランド様にロンが近衛騎士になった話を聞いたときは感動しましたわ。昔の夢が叶ったんですね。ロンはまっすぐで気持ちの良い後輩でしたわ。


「あの、貴族に意地悪を」

「生徒会に相談してください。平民を虐める貴族には激しい罰が与えられます」


クロード殿下が在学中に尽力されてました。


「ルリ、そろそろ行くわよ!!」

「ルリ様、また来てくださいね」


ロンを思い出しますわ。手を振る生徒に礼をします。

セリアに残念な視線を向けられました。


「久々すぎて忘れてたわ」

「もう少しでルーン公爵家の演説はじめそうでした。何年たっても体にしみついてますね。」


視察の際に、民に声をかけることがあります。

演説は殿下の婚約者だったときの経験の方が多いですが。殿下はお元気でしょうか。


隣のクラスは知らない先生だったので、声を掛けられませんでした。次は1組です。ティアがセリアを見て飛び出してこないといいんですが。


うん。大丈夫そう。ティアが眠そうに授業を聞いてます。リアムはしっかりとノートをとってえらいです。きっとティアはリアムのノートを写してるのかな。授業は真剣に受けないといけませんとは、私が言える言葉ではありません。私もよくぼんやりしてましたもの。


「あれって」

「そういえば」


セリアに気づいて、生徒達の視線が集まってます。 

セリアが足早に去るので追いかけます。セリア、一言挨拶すればすむのに…。面倒で嫌みたいです。

シオン伯爵家は自由で羨ましいですわ。

セリアはもう嫌みたいで、職員室に挨拶をして帰ることになりました。帰ってもリオに怪しまれずにすんで良かったです。


翌週にセリアの話を聞いて頭を抱えます。

学園には外部から教師を招いて授業をします。セリアも声がかかったようです。断るには条件があるそうです。


「ルリに講師を依頼したいって。3組の生徒が嘆願書を出したらしいわ」


なんでですか?怪しい名もない助手なんて…。

名乗ったから名前はありましたわ。


「私、教えられることなどありません。ロンやハンナ、ラウルにお願いしたら?」

「忙しいから無理よ。それに性格的に向かないでしょ」

「セリアが受ければすむ話です」

「面倒よ」

「私が受けるより現実的です。諦めてください。」

「でも私の授業なんて、ほとんどの生徒は理解できないわ」

「皆にわかる授業をしてあげてください」

「それなら、学園の教師がすればいいんじゃないの。私は教師じゃないもの」

「私には無理です。なにもできません。」

「仕方ないからレオ様呼び出すわ。」

「ラウルよりも忙しいでしょ?」

「レオ様は転移魔法が使えるから自由自在よ」


レオ様はセリアにいいように使われてるんですね。

王子をここまでこき使えるのはセリアだけですわ。


セリアがルリ宛にお手紙をもらって来たので、お返事してセリアに預けました。お手紙はリオに見つからないように隠しています。親に相談できないこともありますものね。お手紙はセリアが持ってくるんですが、どんどん増えてる気がしてなりません。面倒ですが、たくさんのお手紙には慣れているので、返事を書いてしまいましょう。リーファが眠ってる間に終わらせましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ